本年度5回目の古典文学講座『方丈記』である。
『世にしたがへば身くるし。したがはねば狂せるに似たり。いづれの所を占めて、いかなるわざをしてか、
しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき。』
→世間の常識に従って生きると束縛されて苦しい。かと言って世間に逆らうと頭がおかしいと思われる。
どういう場所に住み、何をすれば、ほんの少しでも心を休ませることができるだろうか?
ここにきて、作者鴨長明の無常観はピークである。人の世は儚く生き辛い、と繰り返しグチっている。
そして、50歳で出家遁世してしまう。
「もはや、人間嫌い、世の中否定である。」と先生はおっしゃいます。
元々貴族であった作者を何がそうさせたか?
乱世という時代背景があったにしても、他に彼自身の境遇にも何かある。
・・・と、今日の講義はここまで。
続きは又来月のお楽しみでございます。