大豆の芽が生えそろった。
うまく実ってくれたら枝豆で食べてしまうつもりだ。
大豆といえば、私が嫁に来た50年前は、田んぼの畦で大豆を栽培していた。
田植えの前に『畦塗り』といって、畦を泥で塗り固めているのだが、
そこに竹棒を突き刺して穴を開け、大豆を3粒づつくらい蒔いていくのである。(点蒔き)
秋に収穫した大豆はどう使うかというと、
その頃はラッパをピープーと吹きながらやってくるお豆腐屋さんがいて、
5合枡に山盛りにした大豆をお豆腐と交換して貰っていた。
また姑は、石臼で大豆を挽いて黄粉も作っていた。
石臼の小さな穴に煎った大豆を一粒づつ落としながら
石臼をゴリゴリと回して粉を挽くのである。
今時、こんな悠長なことをしている人は皆無だろう。
50年程前までは、この辺りにはまだそんな風な古い暮らしが残っていたものだ。