昨日は今年度の古典文学講座3回目、宇治拾遺物語『鬼に瘤取らるること』の後半でした。
どなたもご存じの『こぶとりじいさん』
話の筋は今更言うまでもありません。
踊りの上手なおじいさんは鬼にコブを取ってもらい、
踊りの下手な隣のおじいさんは二つもぶら下げるハメになるという、何とも気の毒な結末ですね。
で、先生がおっしゃいます。
「隣のおじいさんは何か悪いことをしましたか?何も悪いことはしてませんね。
ただ踊りが下手だったというだけで、こんな不幸な目に遭ってしまう。
太宰治は『お伽草子』という著書の中で、
『これは性格の悲喜劇といふものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れてゐます。』
と、述べています。私たちの周りでも、あんないい人が何で不幸な目に遭うのか、と思うようなことがよくあります。
逆も又あるわけで、つまり、太宰治はこのおとぎ話には、人間世界の不条理が描かれている、と読み取っているんですね。」
と、『お伽草子』の一節を読んで下さいました。
ハ~ン。なるほど。
やっぱり非凡な小説家というものは、洞察が鋭い!
ただ面白がって読んでいた凡人(ワタクシ)はそこで一撃を食らったのでありました。
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今朝の畑。干からびたバッタが支柱にしがみついていたからビックリしたけど、これは脱皮なんですね。
白い花はチグリジア。虎のような模様があるのでタイガーリリーとも呼ばれるらしい。
ゴーヤとドイツウリはこぼれ種からの初収穫です。