随分昔の話になるが、まだ祖母が元気で私が二十歳くらいの時だったと思う。
何からそういう流れになったのか、
「おばあちゃんが死んだらね・・・」
と祖母が話しかけてきたことがある。
大好きな祖母が死ぬなんて思ったこともなかったし、考えたくもなかったから、
「そんなぁ、おばあちゃんが死ぬわけないやん!」
と、話をさえぎってしまったのだけれど、時折考える。
祖母は何を言おうとしたのだろうかと。
振り返って指折り数えてみれば、今、私はあの時の祖母の歳になっている。
昭和初期、祖母40歳くらいの写真らしい。