雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

砂漠

2014年02月15日 | ポエム


 砂漠 ~ 詩作のための試作五編より


ああ、なんて暑いんだろう
見渡す限り目の前は
小さな小さな砂の集まり
せめて握りこぶし位の
石のひとつでもあったなら
自分の行く手に投げて
それを目指して歩くのですが‥‥

風よ
雲を呼び
あの太陽の輝きを
少しでも遮っておくれ
風よおくれ
雲をおくれ
影をおくれ

何を言う
水だ
水だ
水をおくれ

それでは
ここに透明な二本の瓶が
これをあなたの口に
直接注いで差し上げましょう
ただし
どちらかは水ですが
どちらかは塩酸です
(1973.10.6~2012.5.20)

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