雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

バラ

2014年02月19日 | ポエム


 バラ
~詩作のための試作五編より

さあ今から
バラをうたおう
誰かの耳朶みたいな
やわらかい赤い色をして
きれいだねって
ただそれだけかしら
わたしにそれを摘んでくださいって
そして僕はバラを見る
ほんとうだね
なんてきれいな花なんだろう
どうして僕は今まで
バラをこんな風に
素直に見なかったんだろうね
ほんとうだね
なんだか摘みたくなってくる
すぐ目の前にあるんだから
さあどの花がいいかしら
これが一番みかけがいいよ
ちょっと待って‥‥
それで
何か大切なことを
忘れてはいませんか
そうです
バラには刺がある
(1973.10.6~2012.5.8)
見出し画像は、バラ咲きのプリムラ。刺はありません。

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