<宮崎正弘の国際ニュースより転載>
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「そして中国の友人は誰もいなくなった」
ワシントンタイムズのコラムでマイルズ・ユー氏
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中国と国境を接する十四の国々のなかで、いまやロシアは猜疑心に溢れ、あの北朝鮮ですら中国への信頼は希薄化し、かつての朋友ミャンマーは過去二年、口も聴かない存在となった。ベトナム戦争中、弟分だったベトナムは公然と反旗を翻し、おとなしかったフィリピンは中国漁船の拿捕に踏み切り、アセアンで中国の代理人だったカンボジアも、先般はアセアン会議の中国非難の共同声明に反対しなかった。
北京が日本を攻撃すればするほどに世界に日本の友が増えて、いまやアジアのみならず、世界で中国は孤立を深めた。
こういう趣旨のコラムが米国の有力紙に現れた。
「中国の友人は誰もいなくなった」とワシントンタイムズのコラムニスと、マイルズ・ユー氏が書いた(5月15日付け)。
この四面楚歌という客観的情勢を自己認識できない中国は「すべての問題は外国が仕掛けてきた。中国に責任はない」と言い張り、世界中に日本が悪いと悪宣伝を振りまいてきたが、「世界のどの国も戦後日本が平和を志向し、どの国とももめ事を力で解決したことがないことを知っている。古い話を持ち出しても、世界は相手にしていない」(同ワシントンタイムズのコラム)。
たしかにベトナムの反中抗議行動は一部が暴徒化したが、ベトナム国会常任委員会は直ちに遺憾の意を表明し、「ベトナムに進出した外国企業の安全確保のために、あらゆる努力をする」と決議した。
<転載終わり>
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ベトナムで反中抗議行動が起こっていますが、ベトナムだけでなく他の東南アジアの国々でも反中的な動きになってきています。また、ロシアやアメリカも最近の中国の独善的な政策には批判的になっています。ウイグルやチベットでは今でも中国により抑圧されていますので、東南アジア諸国はチベットやウイグルのようにはなりたくないと怖れています。
そもそも毛沢東時代の中国共産党は自国民を6,000万人も虐殺していますので、他国に侵攻するくらいは当たり前と考えているように見えます。今や中国は不動産バブルがはじけてしまったため、経済にブレーキがかかってきています。ですので、国民の意識を他国とのトラブルに向けたいと考えているのでしょうが、益々孤立を深めています。四面楚歌とは中国の有名な故事成語ですが、先人の言葉は活かされていないようです。