■ ほぼベジタリアンだった縄文人
日月神示の道を歩むようになり、肉類を食べなくなった方もおられるかと思いますが、家庭や職場での食事には、何かと気を遣うのではないでしょうか。家族で食す日々の料理を、肉抜きで作るのはなかなか難しいかと思います。また、職場での宴会で、肉料理がまったく出ないというケースは少ないと思います。
日本では95.5%の人が肉を食べるといわれていますが、昔の日本では肉を食べる機会は多くはありませんでした。幕内秀夫氏の著書『世にも恐ろしい糖質制限食ダイエット』には、以下のようにあります。『最近、科学的な分析技術が急速に進み、縄文人が何を食べていたのかがはっきり分かるようになってきた。縄文人の人骨のコラーゲンを分析することで、植物性たんぱく質や動物性たんぱく質をどの程度とってきたかが分かる。その研究の結果、重量比にして60~70%が植物性の食品、肉や魚などの動物性食品は10~20%しか食べていなかったことが分かった。そして、植物性の食品の中でも、木の実の堅果類(けんかるい)と呼ばれるドングリ、クルミ、トチなどの実を多く食べていたことが分かった。国立歴史博物館教授の西本豊弘氏によれば、縄文時代ではシカやイノシシのような大きな動物は、せいぜい一家族あたり、年に1、2頭とれるかどうかで、食料の大部分が植物性だった。』
このように縄文人はベジタリアンといってもよい生活を送っていたようです。縄文時代以降も日本では、魚は食べても、肉食はあまり行われていませんでした。
■ わずか150年間で、肉食に変わってしまった日本人
1万5千年以上も前から、ずっと肉食をしてこなかった日本人ですが、明治維新を境に肉食への道を進むことになります。1868年に徳川幕府が崩壊し、近代化の道を歩み始めた明治新政府にとって、最大の課題は、徳川幕府から引き継いだ不平等条約の改正でした。そこで明治政府は肉食奨励策を進め、鹿鳴館で舞踏会を開催しました。少しでも不平等条約の改正の交渉を有利に進めるためのものだったそうです。
『明治天皇紀』によれば、明治天皇は1872年1月26日に初めて肉を口にし、「肉食の禁」が解かれたとあります。その翌年には天皇がナイフとフォークの正式な使い方を練習した、という記述があります。和食しか食べておられなかった明治天皇も、西洋流のテーブルマナーを習得する必要がありました。
その後少しずつ肉食をする国民が増え、1939年になると、日本人は平均で1年に約1Kgの肉を食べるようになりました(現在では、平均で1年に約48Kg)。
■ 欧米で急増するベジタリアン
古代より肉食をほとんどして来なかった日本人は、今では肉食をしない人が4.5%という状態です。反対に肉食が多かった欧米で、ベジタリアンが増えているのが現状です。ドイツは全人口の約10%がベジタリアン・ヴィーガンで、世界でもトップレベルです。首都ベルリンではさらに多く、15%前後と推定されています。もともとベジタリアンの多いドイツですが、2008年頃から菜食対応をする飲食店も増え、ベルリンでは新たに60店舗近くのベジタリアン専門のレストランがオープンしています。イタリア人の約10%がベジタリアン・ヴィーガンです。トリノ市では2016年、市長が肉の消費縮小に向けた方針を発表するほどです。スイスのベジタリアン・ヴィーガンの人口は14%で、ヨーロッパでも特に多い地域となっています。オーストラリアのベジタリアン・ヴィーガンの人口は約11%です。オーストラリア国内でのベジタリアン・ヴィーガン関連食品の売り上げは、2014年から2016年の2年間で92%もアップしています。
このように欧米では、この数年間でベジタリアンが急増しています。肉食が健康にとって良くないということが浸透してきたからだそうです。欧州では人口の約10%がベジタリアンですが、日本のベジタリアンは4.5%です。日本人は縄文時代からずっとベジタリアンだったにもかかわらず、わずか150年で肉食に変わってしまいました。元々肉食が多かった欧米で、ベジタリアンが激増しているというのに、日本ではあまり増えてはいません。九分九厘やられてしまっています。欧米では五穀・野菜の食事に変える人が増えているのです。外国の影響を受けて、いずれ日本でもベジタリアンが増えてくると予想されます。『完訳 日月神示』にはこのようにあります。
「外国から早くわかりて、外国にこの方祀ると申す臣民、沢山出来るようになって来るぞ。それでは神の国の臣民申し訳ないであろがな」(『富士の巻』第25帖)
「早う改心してこの神について御座るのが一等であるぞ。外国の方が早う改心するぞ、外(幽)国人とは逆の世界の人民のことであるぞ。」(『極め之巻』第7帖)