仕事から帰って一息ついていると妻がやって来た。
「現在、海老の料理者募集中です。」
ああ、そういうことね。ピンときたんだけど、ちょっと意地悪に、
「『募集中』とは、ちょっと違うんじゃない?」
「へへ、ゴメンなさい。海老料理作って。」
「喜んで作ります。」
「ありがとう。それで、ナメコ汁も作る予定なんだけど、海老汁も作るわよね。」
「海老に頭付いてるの?」
「付いてない。」
「じゃあ、海老汁なし。ナメコ汁、頼んだ。」
これで、交渉成立となった。
海老料理は、帰省していた息子が好きなもの。明日帰るので、はなむけの料理です。海老の下ごしらえをしたときに出る殻とか頭とかを汁にすると極めて旨いんだけど、一番大事な頭がないなら作らなくても良いでしょう。ということで、一点集中で参ります。作るのは、
≪海老フライ≫
お馴染みの料理だ。しかし、たかが海老フライだが、作るとなるとそんなに簡単ではない。その辺の細かいところを記録しておきましょう。
下ごしらえ・調理の部
今回は、冷凍品だったので、解凍からです。これまで何回も紹介しているのですが、細かな匙加減も記録します。
・40℃3%の塩水で解凍します。
解凍が進むと浮いていた海老が沈みます
※マグロやカツオのブロックだと20分が基本だけど、こういう小物は15分で十分です
※少々時間が長くなっても、海水と同じ濃度だから、身が劣化することはないようです
・尾側の一節を残して殻を剥いたら、尻尾の先を切り、背中に縦の切れ込みを入れて背わたを抜きます
・腹の節を横向きに半分ぐらいの深さまで4~5カ所切れ込みを入れます
・両脇にも斜めに切れ込みを入れていき、プラプラにしてしまいます(筋を断ち切る)
※この時点での見栄えは悪いけど、これでまっすぐに揚がります
・キッチンペーパーで水分を取る
※衣の付きをよくする + 塩味を少し残す
・卵液は、卵2個に薄力粉1/2カップでスタート
※もうちょっとだけ緩くしたいので、水を少しだけ足しましょう
・パン粉をまぶしたらギュッと握るようにしています
※ここまで来たら、スタンバイOK!涼しい場所に待機
残りの液とパン粉でホットケーキ
余った液とパン粉があったので混ぜて、『豆腐パン』の時に半端に余ったホットケーキミックスも使って作りました(砂糖大さじ1と水少々追加)。イチゴジャムがとてもよく合いました。
揚げます
・マタギの場合、油にパッパッと水を散らしてから加熱します
※水滴がパチパチと沸騰し始め、音がなくなる頃が170℃になります
※これは我が家の場合。でも、かなり正確で精度が高いです
・海老投入!泡が小さくなってきたら裏返し(この時、火も弱めます)
・良い色になったら掬い上げます。井げたを組んで油を切る
※さっきやっておいた筋切りが効いて、真っ直ぐに揚がりました
・底に沈んだパン粉を丁寧に掬います
※これを丁寧にやってから、次の揚げ作業に取りかかると、2回目以降もきれいに揚がります
夕食の出来上がり!
息子を始めとして、みんな喜んで食べてくれました。デザート(?)のホットケーキも大好評でした。材料を使い切れてよかった。
それでは、息子よ、達者でな。と言いつつ、また年末に来るんだけどさ。少しは元気がたまっただろうか。しばし、さらばじゃ。
今回は、いつもよりも少し丁寧に料理の過程を辿ってみました。日に日に物忘れがひどくなる身としては、こういう記録も必要かと思いまして。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます