今年の異常気象は、生き物たちの生育や生活に大きな影響をもたらしているようです。
マタギの行動範囲内では、秋の山菜が壊滅的な不作になっています。
山ブドウもアケビも、殆ど実っていません。
栗(ヤマグリね)に関しては、それなりに実っているようです。
ただ、A氏が先日様子見に行ってみたら、見た木の全てで、木の枝がバキバキと折られていたそうで、
「今まで見たことのない様子だった。」
と驚いていました。
これは、ほぼ間違いなくクマの仕業ですね。
普通は、ブナの木に登って実を食べるクマなのですが、今年は、実っていない。仕方なく、栗の木に登って、あの痛いイガを割って栗を食べているのでしょう。
山で行動しているだけなら、まだいいんだけど、里でも急増しているクマ被害は、クマにとっても、人にとっても深刻な大問題です。できるだけ少ない被害で冬を乗り切ってくれればと願うばかりです。
さて、深刻さのレベルがまるで違うんだけど、この異常気象のため、我が家の秋の台所事情にも影響が出ています。
先述の山ブドウとアケビと栗に関しては、今年の収穫と料理は、ほぼ諦めました。
とりあえず、マイタケの収穫はあったんだけど、他のキノコについても、かなり怪しい雲行きです。
このような状況で発動するのが緊急指令、『冷凍庫遺跡の発掘調査』なのです。
早速、普段ほとんど手を出すことのない遺跡の下層部を調査してみると、出てくる出てくる、秋のキノコに春の山菜がザクザクと姿を現してきました。
なんだか、『王家の谷』を発掘するカーターの気分です。
発掘された秘宝の中に、こんなものがありました。
冷凍保存の赤コゴミ
普通なら乾燥保存するものなのに、冷凍に回すとは、この時の収穫がよほど多かったのか、当時のマタギが血迷ったかのいずれかでしょう。
今年と去年に関しては、間違いなくやっていません。つまり、2年以上前の収穫物と言うことになります。
この得体のしれない赤コゴミをどうするかって言ったら、勿論、調理します。
そもそも、台所事情(常備菜)が危機的なので行った発掘調査。出てきたものを生かさない手はない。それに、これをないがしろにしたら、ツタンカーメンの呪いならぬ、山の神様の祟りに遭ってしまうことでしょう。とりあえず、調理してみます。
作るのは、赤コゴミの炒め煮。
下ごしらえ・調理の部
見たところ、先端部の緑が鮮やかな色をしているから、殆ど加熱されていないことが想像できるので、解凍と下茹でから始めました。
ぬるま湯で戻すと、かなり高品質なことが分かりました
・軽く茹でて(沸騰1分)水にさらします
※『炒め煮』になる予定だから、この時点での加熱は最小限で済ませました
・赤コゴミの解凍中に、糸コンと油揚げを準備しておきました
・赤コゴミの水を切って寸切りにします
・サラダ油を熱して糸コンと油揚げを軽く炒めたら
・赤コゴミも合流。全体に油を馴染ませます
・油揚げが足りない気がしたので、急遽、竹輪を追加
・赤コゴミ200gに対して、酒醤油みりん各大さじ2を回しかけて中火で煮詰めていきました
※何年ぶりかであろう赤コゴミの解凍。崩れないか心配なので、短時間を心がけました
・水分が程よく飛んだところで消火。少し冷ましたら
・器に盛り付けて完成です
ちょっと摘み食いしてみると、「ああ、春の味と香り!」
赤コゴミを冷凍保存しても、全然問題なし。美味しく戴けることが分かりました。
これは、ある意味で、世紀の大発見です。だって、乾燥保存は、戻して調理するまで一日かかるのに、この冷凍保存だと20分で調理に入れるんですから。
即戦力として使いたいときのために、一部を冷凍しておくというのが、今後の赤コゴミ保存のスタンダードになりそうです。
念のため付け加えると、あくまでも一部です。なぜなら、冷凍保存は、乾燥保存のように小さく軽くならないからです。収穫した全てを冷凍することはできません。
それにしても、この赤コゴミ、いつのもので、どのように保存していたのか。自分の記録を遡ってみたところ、見つかりました。令和2年の5月に収穫したものを、軽く茹でて薄く塩したものだということが分かりました。つまり、いつも行っている『コゴミの冷凍保存』と同じやり方です。
多分、来年でしょうか。また、赤コゴミが大量に採れたらやってみたいと思います。
・・・ところで、記録を読み直してみたところ、冷凍の赤コゴミは3袋作ったことになっていました。勿論、食べた覚えはありません。
もしかすると、この冷凍庫遺跡の奥には、まだまだ秘宝が眠っているのかもしれません。今後も、発掘調査は、続くことになりそうです。
妻が、夕食に添えてくれました(画像右側)
やっぱり、山の神様と先人の知恵に感謝です。
本日も、ご馳走様でした! 常備菜として、暫くお世話になります。
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