新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

銀座は嫌い

2008年10月22日 07時23分22秒 | 身辺雑記

 仕事場からの帰り道、昨日もまた銀座に廻った。

 カメラにゴミが入ったので、メーカーのサービスセンターへ持ち込んだ。ゴミを取り除いてもらうためだ。

 作業時間が必要だった。1時間ほどの時間つぶしに、その辺をブラついた。

 日和がとてもよかった。あっちへブラり、こっちへヨロり。彷徨い歩いた。

 私の前を男が二人、しきりに話をしながら歩いていた。背後から見る頭の形から、70歳前後の年齢と見た。後頭部まで禿げ上がっている。残っている毛髪も、すでに白い。それでも、私よりは若いかもしれない。

 二人ともスーツを着用している。「いい加減な遊び」ではない様子。夕刻なので、何かのパーテイにでも出席するのだろうか。

 前の方から、20歳前後の女性が足早やにやってきた。袴姿だった。春先の「卒業式」や「謝恩会」のころによく見るあの姿恰好だった。

 どうやら急いでいるらしく、その袴をたくし上げている。膝小僧が見えそうだ。

 そこまで袴をたくし上げている様子は、やはり異様だ。急いでいる本人は、異様さに気付いていない。

 異様さの中に、エロチシズムも感じられた。スカートなら膝上30センチでも驚かないが、袴とは言え和装なのだ。洋装の膝頭とは受け止め方が違う。

 二人の老人が、歩みを遅らせながら、若い女性をじっと見た。異様さにビックリしたのだろうか。私の2~3メートル先なので、老人たちの気配はよく分かった。

 二人は歩調を緩めた。

 二人の傍らを女性が通り抜けた。

 一人の老人はそのまま歩いて行った。もう一人の老人は振り返りながら、視線が女性を追った。

 私はその老人を見ていたので、いきなり視線同士がぶつかった。

 その老人は私を見て、にやりと笑った。私も誘われて、にやりとしたかもしれない。

 ほんの一瞬だったが、どう考えても、嫌らしい老人二人の図柄だった。

 谷崎潤一郎の「鍵」を思い出した。

 私は銀座が嫌いだ。早々にして引き上げた。

 少しばかり品のない記事だったかもしれませんね。

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コメント (22)
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