手軽の意味

2011-12-03 16:23:30 | Bicycle
自転車を『手軽な乗り物』と言うことがあるが、本当にそうなのか…と考えた。

『チョイ乗りに丁度良い』とか『価格が手ごろ』とかの意味で言うんだろうな。
その他にも『免許が不要』とか『誰でも扱いやすい』とかの意味もありそう。
子どもでも乗れるし、細い道でも自由自在。

うん、そう。
でも…なんか違う。

それで、国語辞典で『手軽』と引いてみる。
て‐がる【手軽】[形動][文][ナリ]手数がかからず、簡単なさま。「―な食事」「―に扱えるカメラ」(大辞泉)

さらに和英辞典で引き直す。
light low handy easy readily …日本語にぴったりとくるニュアンスがないと見える…いくつもの英単語が出てくる。

どれも当っているようで、当っていないようで…。

結局、自転車って何なんだろう?
と、思っていたら、ふと『simple』という言葉が浮かんだ。

構造が簡単で動力源も自転車本体には付いていない。
剥き出しのフレームに必要な駆動部・制動部・保安部品が付属されているだけ。

そうか、これだ!
構造が簡単で扱いやすい…そう言う意味で『手軽』。
急に腑に落ちる。

昨今の自転車の問題には日本語で言う『手軽さ』が付き纏う。
そこにはやはり、自転車は歩行者の延長線に上で捉えられてきた日本の実情が見え隠れする。

警察庁の『通達』から1ヶ月ちょっと経ち、警察・行政・学校・報道なども動き始めている。
にも拘わらず、街行く自転車は逆走・無灯火・ながら運転が横行している事態は変化なし。

そう簡単に変わらないことは分かっている。
これからの粘り強い啓発活動が大事だ。

言葉と言うのは意思を伝える大切な道具…。
言葉に付いたイメージはそう簡単には変わらない。

自転車に染み付いた『手軽さ』のイメージを剥がすには、かなりの時間と労力を要す。

日本の自転車の手軽さが『simple』という意味合いだと皆が感じるようになった時。
それが本当の意味で自転車が車両として認識された時。

なんかそんなことを思う。

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