今日は7時前に家を出る。JR琴似駅に向かうバスに乗ろうと思ったら、信じられないことにバスが停留所を発車時刻より早く出てしまったではないか。「信じられないな、クレーム入れてやる」と思って、徒歩で駅方面に向かうと、少ししてから麻生行き(これもJR琴似駅前を通る)のバスに追い越される。しまった、この時間、続けざまに2本出るんだったか…。異なる路線が集約される停留所なので致し方ないところはあるが、同じ時間に2本連続し、その次はしばらく来ないというバスの運行はかなり使えない…。
こうなってはどうしようもなく、久々にしばらく歩いてJR琴似駅へ。ちょっと時間があったので、駅前の(駅中ではなく)コンビニでジャスミン茶を購入。駅に入って一日散歩キップを購入。苫小牧への直通列車に乗る。
朝も早かったので読書半分、ウトウト半分で苫小牧へ。降りたホームの向かい側にカムイサウルスの想像図と骨格図が貼られた恐竜ラッピング列車がいた。一度は行かねばと思っているのだが、むかわ行きの列車なのかな。
駅前に出ると、かすかに小雨が降っていることもあり、廃墟感が強い。これで北海道内4位の人口(16万8千人強で、釧路よりわずかに多い)なのだから、寂しくなってくる。
それはさておき、開場時間に向けてさっさと美術館方面に行こう。途中の公園ではたこやき屋台とテントがあった。今日は何かイベントがあるのかな?
ということで、目的地に到着。
■苫小牧市美術博物館「芸術の都ウィーンとデザインの潮流」。
グスタフ・クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」:愛知県立美術館で見た時より、なんだか大きく見える。馬と騎士にだけ目がいくが、後ろの草花が細やかなのもいい。

→絵葉書はアンケートに答えてもらったもの。
オスカー・ココシュカ「鉛筆を持つ自画像」:82.cm×66.0cmのなかなか立派な画。黒地に黒い服だが、そのため顔と手にスポットライトが当たっているように見える。
オスカー・ココシュカ「眠る女(『夢みる少年たち』より)」:木版チックな版画で、カラーの色彩ではあるが素朴なところがいい。
エゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルトの肖像」:140.7cm×110.2cmの立派な作品。人物を斜め上から見下ろす構図は浮世絵に影響を受けていたと解説にあったが本当か? 白いシャツにグレーのズボンは複雑な色で、西洋絵画的な人間の骨格を理解して描いているように思える。
ペーター・ベーレンス「卓上扇風機」:真鍮製であろうか、羽の金色がいい感じ。
ペーター・ベーレンス「電気湯沸かし器」:八角形の薬缶型でこれも金ぴかのところが未来的かも。
絵画・版画・工業デザインを合わせて64点の展示で、ボリューム感はいささか欠けるところもあるが、ちょっとした小旅行がてら見に来るのは悪くない展覧会である。作品はほぼ豊田市美術館のもので(一部、愛知県立美術館、トヨタ作業技術記念館より)、表紙も入れて12ページのパンフレットも無料(そもそも展覧会が無料)である。これはトヨタ自動車北海道株式会社創業30周年記念事業ということで、大盤振る舞いなのだろう。
■苫小牧市美術博物館「中庭展示 vol.18 川上りえ Yet We Keep Seeking for a Balance 2022」。
鉄製の重りの重々しさとともに、全体はなめらかに回転しており、バランスと逆説的に軽みを感じさせるところもある。
展示室を出ると、某苫小牧ローカル紙の記者さんに、展覧会の感想を求められたのだが、頭の中で言葉がまとまらず(テーマが絵画と工業デザインという2つに分かれていること、実は見たことあったんですけど自慢になりそうなことから)、「特に話すことがないので」とお断りしてしまった。そりゃ簡単には話ができないよ。
常設展示はパスして、次があるので苫小牧駅に戻ろう。途中、その某紙の入っているビルで彫刻発見。ビル内には入れず、ガラスの外から「贈 王子不動産株式会社」という銘板は見えたが、作品名・作家名は不明。
それから教会でマリアとキリスト像を発見。1つ目は後ろに「??57.11.26 TERUO.KON」という浮彫が見える。常識的に考えると1957年に造られたものということになるのだろうが、これ65年も経過しているかね?
2つ目の像には特に何も見当たらなかった。