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日経平均、3万円に向け助走か

2021年05月30日 | 捕らぬ狸の経済


 5月28日
 日経平均 2万9149.41円(+600.40円)
 TOPIX 1947.44(+36.42)
 出来高 13億5662万株
 長期金利(新発10年国債) 0.080%(+0.010)
 1ドル=109.88円(0.79円安)


5月24日 2万8364円  9億9383万株 2兆1504億円
5月25日 2万8553円  9億9292万株 2兆2039億円
5月26日 2万8642円  10億9663万株 2兆4138億円
5月27日 2万8549円  24億0432万株 5兆5995億円
5月28日 2万9149円  13億5662万株 3兆1088億円

■株探ニュース 2021.5.29
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今週の【早わかり株式市況】2万9000円台回復、MSCI指数のイベント明けで週末急騰

今週の相場ポイント

1.日経平均は大幅高・2週連続上昇、MSCIに絡む指数イベント明けの週末に急騰
2.週初は米景気回復期待や国内の大規模ワクチン接種開始で買い優勢の展開に
3.週半ばまで続伸歩調もMSCIの売りニーズ警戒で下落銘柄数の多さ目立つ
4.週末は指数イベントに絡む売り圧力から解放され、地合い一変し600円高
5.週間ベースでは830円あまりの大幅上昇で、一気に2万9000円台回復


週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比831円(2.94%)高の2万9149円と大幅高となり、2週連続の上昇となった。

今週は週後半のMSCI指数見直しに伴う日本株への売り圧力が約5000億円規模と指摘されていたこともあり、様子見ムードの強い地合いだったが、日経平均はジリ高基調を継続した。
そして指数イベント明けの週末28日は吹っ切れたように急上昇を演じた。


週明けの24日(月)は米国景気の回復期待を背景に買いが優勢となり、日経平均は前週後半から3営業日続伸となった。
国内で新型コロナウイルス感染拡大への警戒感が強まるなかも、新型コロナワクチンの大規模接種が始まったことは経済活動正常化への期待につながった。
もっとも上値は重く小幅の上昇にとどまった。

25日(火)は日経平均が上値指向を続け4営業日続伸となったが、190円弱の上昇をみせたにもかかわらず、東証1部の値下がり銘柄数が1400を超え値上がり数を大幅に上回った。

これは26日(水)も同様で、5連騰となった日経平均を横目に値下がり銘柄数が全体の6割を占める状況に。
翌日のMSCIの指数見直しに伴う巨額の売り需要を警戒し、実質的には弱気優勢の地合いが続いた。

27日(木)は大引け時点で顕在化するMSCIの売り圧力を意識して一段と買い手控えられ、日経平均は6日ぶり反落。
下げ幅は一時280円あまりに広がったが、前場後半を境に持ち直し結局93円安と下げ渋った。

そして週末28日(金)はこれまでの鬱憤を晴らすかのように日経平均は急騰。
MSCIの指数見直しに絡む売り圧力から解放されたことや、前日の米国株市場で景気敏感株中心に物色意欲が復活したことを受け、投資家心理が大きく強気に傾いた。
先物を絡め日経平均は上げ足を加速、後場も高値圏で売り物を吸収し600円高で着地し、10日以来約3週間ぶりに終値で2万9000円台を回復した。


来週のポイント

今週末の急騰で日経平均は25日移動平均線を一気に上抜いただけに、来週は強含みの展開が期待される。
急接近している75日移動平均線も上抜けることができるか注目される。


重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される4月鉱工業生産や6月1日朝に発表される1~3月期法人企業統計調査が注目される。

海外では31日に発表される中国5月製造業PMIや6月1日発表の米国5月ISM製造業景況指数、3日発表の米国5月ISM非製造業景況指数、4日発表の米国5月雇用統計に注視が必要だろう。


日々の動き(5月24日~5月28日)

5月24日(月) 3日続伸、ワクチンの大規模接種開始を評価
         日経平均 28364.61(+46.78)  売買高9億9383万株 売買代金2兆1504億円

5月25日(火) 4日続伸、米株高に追随し半導体関連などが買われる
         日経平均 28553.98(+189.37)  売買高9億9296万株 売買代金2兆2039億円

5月26日(水) 5日続伸、国内のワクチン普及期待で上値追い継続
         日経平均 28642.19(+88.21)  売買高10億9663万株 売買代金2兆4138億円


5月27日(木) 6日ぶり反落、MSCI絡みの売り圧力を警戒
         日経平均 28549.01(-93.18)  売買高24億0432万株 売買代金5兆5995億円


5月28日(金) 急反発、指数イベント終了で2万9000円台を回復
         日経平均 29149.41(+600.40)  売買高13億5662万株 売買代金3兆1088億円


セクター・トレンド

(1)全33業種中、27業種が上昇
(2)JAL、ANAHDなど空運が値上がり率トップ
(3)トヨタなど自動車、コマツなど機械、ソニーGなど電機といった輸出株が買われた
(4)住友鉱など非鉄、郵船など海運といった景気敏感株の一角も高い
(5)JR東日本など陸運、リクルートなどサービス、三井不など不動産といった内需株も上昇
(6)マネックスGなど証券、第一生命HDなど保険、新生銀など銀行といった金融株も堅調
(7)王子HD 、日本紙などパルプ・紙が値下がり率トップ


【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) デジタルトランスフォーメーション
2(2) 半導体 SOX指数出直り風向きは順風に
3(3) 半導体製造装置
4(9) 旅行
5(6) サイバーセキュリティ ─ バーチャルウォーズ勃発、
    「サイバーセキュリティー夏の陣」厳選7銘柄
※カッコは前週の順位

  株探ニュース(minkabu PRESS)



■モーニングスター 2021.5.29
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株式週間展望=日経平均、3万円に向け助走/需給好転で安定感

需給の好転を背景に相場が持ち直しつつある。
28日はカラ売りの買い戻し主導とみられる展開の中で、日経平均株価が25日移動平均線を奪回。
2月の高値を起点とした調整トレンドにピリオドが打たれた可能性がある。
ただ、依然として懐疑的な雰囲気が残り、いわゆる「買わざるリスク」が全面的に意識される段階には至っていない。
来週(5月31日~6月4日)以降は3万円へ向けた助走期間になりそうだ。


    <指数イベント通過、インフレ警戒も薄らぐ>

巨額の資金流出を伴うMSCI標準指数の定期銘柄入れ替えが、27日引け後に実施された。
28日は指数イベント通過によって、マーケットにアク抜け感が広がった。
日経平均は一時前日比645円高まで上昇し、2万9000円台を回復。
5日線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を達成した。


東証1部の売買代金は、MSCI絡みで約5兆6000億円に膨らんだ27日に続き、28日も3兆1088億円と比較的大きくなった。
一方、日経平均先物の出来高は4万枚台と決して多くはない商状だ。
カラ売り比率の高さを踏まえると、主体は現物株の買い戻しと推測される。

とはいえ、年金や投信などによる機械的な国内株売りの一巡により、マーケットは安定してきた。
こうした中で、決算を再評価する動きも強まっている。
大和証券は27日付で日本の主要企業の2021年度、22年度の経常利益の伸び率の予想を上方修正し、金融を除きそれぞれ18.2%増、14.8%増(前回比ではそれぞれ5.3ポイント、6.1ポイント増額)とした。

米国ではバイデン政権が歳出額を6兆ドル(約660兆円)とする22会計年度の予算案を打ち出す観測(本稿を執筆している日本時間28日午後3時時点では報道ベース)を受けて、落ち着いていた米長期金利がやや上昇した。
インフレへの懸念は根強い。
ただ、中国政府による商品相場の抑え込みや、米金融当局者らの一連の発言の効果もあり、株式市場における物価高への警戒はピークを越えた様相だ。


    <長期視点は「コロナ後経済」、短期は株高反動も>

引き続き、日米欧での新型コロナウイルスワクチン接種の進展の先にある、経済活動の正常化という長期的な見通しを前提に、相場はその時々の物色動向に応じたアップダウンが見込まれる。
日経平均に関しては、ひとまず13日の取引時間中の安値2万7385円が当面の底になると考えられる。

 来週の日経平均の予想レンジは2万8300~2万9300円。

今週の上昇の反動も想定され、25日線より上の水準をキープできれば買い方にとって問題はなさそうだ。フラット化した75日線を上抜ければムードはなお良くなる。


経済指標は国内で5月31日に4月鉱工業生産、6月1日に1~3月期法人企業統計が発表される。

海外は5月31日に中国5月製造業PMI、6月1日に5月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況指数、3日に米5月ADP雇用統計と同ISM非製造業景況指数、4日に米5月雇用統計が出る。


    <来週の勝負株、東京計器とMacbee>

来週の勝負株は、割安感の残る東京計器。
主力の船舶計器や航空計器は、脱炭素へ向けた船舶や航空機の航路省エネ化における重要なパーツ。
また、防衛省向け売上が多いことから、防衛費の脱「GDP(国内総生産)の1%枠」の議論も追い風だ。
このほか、オンライン化の定着でデータ解析に基づくマーケティングの成長性が見込まれるMacbee Planetにも注目したい。 (市場動向取材班)

  提供:モーニングスター社


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