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「DL2号機事件」 確率への偏執狂なこだわり

2017年11月14日 | もう一冊読んでみた
DL2号機事件/泡坂妻夫  2017.11.14

ミステリ国の人々』(有栖川有栖)紹介の古典、その10は、泡坂妻夫作 『DL2号機事件』 です。

『ミステリ国の人々』の紹介文。

 『DL2号機事件』の何に私が驚いたのかというと、まずは作中で亜が披露する奇妙な論理だ。犯人はこのように考えたからあのような行動をとったのです、という説明は「筋は通っているが、そんなことがあり得るか?」「そんなことはありそうもないが、筋は通る」という不思議な領域に読者を導く。
 私、この領域を狙ったミステリが大好物なんです。
 それは、われわれの中に存在するある心理を誇張し、うまく謎解きに嵌め込んだ時に生じる驚きだ。不自然さと抱き合わせになるが、面白さがそれを呑み込めたら、理性・悟性が痙攣するのを感じられる。
 探偵役の亜愛一郎のどこか童話的で浮世離れした造形も、「現実=現実」的な貧しいリアリズムヘのアンチテーゼとして好もしかった。今の時代にこんな探偵を出してくるか、と感激したわけだ。


     『 DL2号機事件/泡坂妻夫 』

DL2号機事件』 を単行本で見つけることが出来ませんでした。
そこで、次の本に収められた一編として読みました。

        『このミス』が選ぶ!
   オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤


本書の「はじめに」には、次のように記されています。

 本シリーズに収録される十の短編は、「オールタイム・ベスト国内短編ミステリーベストテン」(『このミステリーがすごい!2015年版』掲載)のランキングで選出されたものです。
 「オールタイム・ベスト国内短編ミステリベストテン」は、日本語で発表されたあらゆる短編を対象に、最も面白い短編ミステリーを決めるべく実施されました。


選ばれたベストテンのうち、本書には、次の5編が収められています。

 第1位 戻り川心中(連城三紀彦)
 第5位 押絵と旅する男(江戸川乱歩)
 第6位 妖婦の宿(高木彬光)
 第7位 桔梗の宿(連城三紀彦)連城三紀彦
 第8位 DL2号機事件(泡坂妻夫)

序ででしたから、連城氏の作品(光文社文庫で読書済み)以外の作品も読みました。
いずれの作品も面白かったです。


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