本日の主役、長井鞠子さんは70歳。
会議の主人公は、当然首相や外務大臣等大臣クラス。
しかし、実は影の主人公は会議通訳者。40年にわたり日本の外交を影で支えてきた!?
その長井さんは、 同時通訳=格闘技 と例える。(だから普通20分が限界)
そして、その情熱あふれる通訳で、相手に「舌を巻かせる」
同時通訳をする者にとって、英語力×日本語力 が必要
月に1回京都銀閣寺まで通い、和歌を詠む。 ここで、日本語らしい表現を身につけるとか。
増大する→ふえる→何かもっとわかりやすい言葉はないか???際限がない
事前にもらった資料を全て読んで、会議で出そうな言葉をノートに書き出す「単語帳づくり」
専門用語ばかりでなく、鍵になりそうな言葉はふさわしい訳語を見つけていく。
準備と努力は、裏切らない。(80%でいいやっていうのは私はイヤです。)
40年分の単語帳が残っている。もちろん2020年のオリンピック招致のものも。
長井さんは東北仙台生まれ。3姉妹の末っ子で、ものおじしない性格。
母の三枝子さんは大正生まれだが、英語が達者。その影響で、若くしてアメリカへ留学。
通訳の会社に就職するが、「今日の通訳さっぱりわからない。」と陰口を言われたことで、
負けん気に火がつく。
結婚して、2人の子供ができても、睡眠時間を削って努力。
35歳の時、ついに通訳の最高峰であるサミットの通訳に抜擢。以後、歴代首相の通訳を担当。
しかし、40代に入ってまもなく、離婚。
悔しくて、悲しい日々。単語帳づくりを初めて怠った。すると訳が浮かばず、しどろもどろに。
「あなたはもうこなくていい」とまで言われて、失意のどん底に。
そこに母からの温かい手紙。そこには、足をぬらしても元気に遊ぶ少女の写真が!
そのまっすぐな女の子があなたよ。頑張りなさい、まりこ!
これで、くじけてたまるか!!!と思った。
以来、次の仕事への準備を欠かしたことがない。
浪江町の「ふるさと再生」をどう訳すか?通常ふるさとはhome town
でももっと良い言葉は?
言葉に込められた思いを大事に訳したい。。。そうだ!
当日この言葉はbeautiful Namie as our home
プロフェッショナルとは、常に 来る仕事に向き合って準備を怠らない人。
ああ、今日も本当にいい話だったなあとつくづく思う。