昨年末に地デジを録画するHD装置を購入してから、NHK教育をよく録画しており、土日に見ることが多い。
昨日も100分で名著という番組の2回目でニーチェの「ツァラトゥストラ」について解説した番組を再生して見たのだが、高校の倫社でよくわからなかった「神は死んだ」とか「超人」とかいう言葉の中身についてわかりやすく解説していたので紹介することにする。
まず、ツァラトゥストラというのは、ニーチェ自身を物語の主人公にして語らせている人のことらしい。以下、私の解釈なので、間違っていたらごめんなさい。
「神は死んだ」という時の「神」は絶対的な存在の神であるが、それまで人々が信仰してきた神を信じることは悪くないが、神の善悪だけで物事を判断するのではなく、自分の「生の高揚」でよい・わるいを判断しなさいということらしい。
つまり、神のいう善悪は毎日の行いの善悪だが、富める人に善が出来ていないからといって嫉妬する(ルサンチマン)だけでは、自分のパワーアップにつながらない。サッカーやバンドマンのように魂の高揚があってワクワクすることこそが人間には必要で、それを求めて止まない人が「超人」でそうでない人を「末人」と呼ぶらしい。
だから、ツァラトゥストラの物語で、綱渡り師は綱渡りで失敗したからといって、末人(安楽が良いと考えている人)が笑うのはおかしい。失敗してもチャレンジした綱渡り師を褒め称えるのが正しいとの考えらしい。
このへんまで解説されて、ちょっと前にNHKテレビでしていた岡本太郎のことを思い出した。あの、「芸術は爆発だ」と言って、それまでの美術界に波紋を投げかけ、「太陽の塔」で世界に名前を刻んだ彼こそは「超人」と呼ぶにふさわしい。岡本太郎は、芸術を太陽のように無償で人々に与え、(今でも渋谷に大作を、その他全国に150作ほど展示してあるらしい)、人々に生きていることのすばらしさを教えている。
自分は「末人」だが、毎日の生活でワクワク感を少しでも取り入れることを通じて、「超人」の入り口へ歩みたいと考える。生きていることのすばらしさ、生きていることの奇跡を感じて。