人とタイヤとキーパーコーティング!

タイヤ「安全」と車「キレイ」の領域で 岐阜で専門店展開 ありがたいことです!

全国300人の営業マンを50人にしたミシュランタイヤの日本戦略!

2015年01月25日 | タイヤビジネス
覆面調査員が食べ歩いて美味しい店を紹介するミシュランガイドを
発行しているのは日本ミシュランタイヤ社です。
三ツ星レストランに選ばれたということは調理人さんの世界では
とても栄誉のあることのようです。


そもそもこうしたレストランのガイドを始めたのは115年前の事で
タイヤの製造を始めたミシュラン氏は 
車を購入された人が いろいろとドライブをして
タイヤをすり減らしてくださると 
タイヤの売上げが伸びるということから
各地のレストランを紹介すればドライブに目的ができて
車の走行距離が伸びるという考えからだったそうです。
タイヤを売るための戦略であったのがミシュランガイドブックの始まりなのだそうです。

商売を活発にするためあの手ここ手のアイデアを考えだされたのです。

                                                
当社を担当してくださる営業マンさんが代わられる事になり
これから担当してくださる人と二人揃ってあいさつに来店くださいました。
新任者はベテランの金澤さんです。 
岐阜のご出身で前職はゼネラルマネージャーとして 
ミシュランタイヤの日本での営業の中心に居られた人ですが
定年に近づいてご家族のいらっしゃる岐阜での勤務を望まれたようです。
外資系の会社は個人の都合を考えなく 
辞令ひとつで北は北海道 南は九州まで何度も異動を繰り返されたそうです。
グローバルスタンダードという基準で効率主義・デジタル判断という世界です。

人情とかアナログとかローカルなスモールタイヤ商売の私たちからは
異次元の世界で働いて居られのです。

これからいろいろと面白い話が聞けそうです。


ここ10年でミシュラン社は日本市場に対する見かたを大きく変更しました。
一言で言うとシェアー競争から撤退し効率化を進め 
利益重視の方針に舵を大きく切りました。
日本工場を閉鎖し 営業所・倉庫も集約を進めて
300人いた営業マンを50人まで絞込みました。

それに伴なって一人の営業マンの守備範囲を広げ
乗用車タイヤとトラックタイヤを一人の営業に絞って任せる体制にしてきました。
世界中でビジネスを展開するグローバル企業として
日本市場の重要度より 中国など新興国の市場に優先度の軸足を移しているのです。
成熟化が進み市場の伸びが期待できない日本に力を注ぐより
もっと儲かる国へという作戦です。

この判断は私も賛成します。
シェア競争に入り込んでも利益を生みません
全世界ではミシュラン社はブリジストン社とトップを形成するライバルです。
意地とか見栄とかを優先するとブリジストン社のお膝元でも
シェアー争いをするのも競争のひとつです、
かつてミシュラン社も工場を建てるなどしてそうしていたのですが
日本という世界から見ればローカルな市場に拘泥することを避けて
大きく方針を利益重視に変えたのです。

方針が変われば 我々に対する力の入れようもなくなるのですから
それに呼応するように当社もミシュランタイヤの取り扱いは少なくなりました。

弱小タイヤ小売業にとって
大きなメーカーさんに依存することは危険なことなのです。
方針ひとつで全てがひっくり返りますから。


といっても関係は切れてしまうわけではありません。
付き合い方を変えるのと
お客様の要望は関係ありません、
ミシュランが良いというお客様も大勢いらっしゃいます。

大量に仕入れて安く売るという事をやめて
受注発注の商売にするだけのことで
そういうやり方でも問題ありません。
ボリュームマージンがなくなって利幅が少なくなるだけです。
儲からないからやらないというのは専門店のスタンスではありません。
自分たちに実力がないから儲からないのであって
それをお客様に転化して値段を上げるということはしていません、
どうしてもミシュランが良いという人には
当店のマージンゼロでも良いのです。

少ない営業マンになると 
大口の大量に買ってくれる量販店さんやカーメーカーさんが
ミシュランさんの商売相手になるのです。
小口の私たちのような店は 
はっきり行ってどうでも良いとまではいいませんが
対応できないのが実情でしょう。


しかしお客様にとってはそんなことは関係ありません、
「量販店ではこういう値段が出たが
お前のところで同じ値段なら買うよ。」となるなら
利益がなくても喜んで対応させていただきます。

後出しジャンケンは絶対負けません 出来ないとは言わないからです。




商人にとって損は 損ではありません「損して得取る」ものです。
こういうスモールタイヤ商売をリードするのは
誰もが出来る決断ではありません 
損を許容するのは社員・スタッフさんでは難しい領域ですから
当社のタイヤコントローラーとして私が強力に采配を振ります。


グローバルマーケットの理屈通りに行かないのがローカルマーケットです。
このローカルなマーケットで 
ゴキブリのようにしぶとく
ネズミのように小回りが聞き
ハイエナのようにズルイ 
生き方がスモールタイヤ商売の真骨頂です。

お客様に期待されなくても 
役に立てることと喜ばれることを考え続けて
実行するのは面白いのです。


お客様「あれ お前タイヤ屋やなかったか いつの間にか洗車屋になった?」
私   「いえいえ昔からタイヤ屋のオヤジ一筋でんがな! 洗車は関係おまへん」
お客様「??????????」

個人は何時までもタイヤ屋のオヤジ感覚
公人としては専門店運営のプロ
商人としての生き方は 個人と公人の二つの仮面を持ちます。
都合の良いほうへ都合の良いほうへ
自らを変化させるカメレオン  
これも生き延びる自然界の智恵かもしれません




コメント
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