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「ダントツ」経営に突っ走るブリジストン社の戦略!

2015年01月29日 | タイヤビジネス
前回 タイヤ価格の値上げを主導したブリジストン社と他タイヤメーカーは
その値上げ理由に天然ゴム価格の高騰・円高をあげました。
昨年は製品値上げではありませんが 消費増税が行なわれて
ユーザーマインドは毎年タイヤ価格が上昇している風聞にさらされました。

一方で販売の最前線で感じるのは 製品値上げがあっても
販売価格は逆に低下する感じが強まっているのはどうしたわけでしょうか。
格安のアジアンタイヤメーカーの進出ばかりではありません、
デフレという聞こえが良い解釈ではなにもわかりません。
大手メーカーの戦略にその答えを尋ねてみます。

                                                 

天然ゴム価格はタイヤメーカーが値上げした時を最高値に
それから安くなる一方です。 
くわえて為替はアベノミクス効果で
円安にトレンドが180度変わって 
各タイヤメーカーさんは史上最高益を計上しています。
まさにドンピシャのタイミングでの製品値上げであったわけです。




グローバルな競争という舞台で 自動車メーカーの海外生産が増えるにつれ
国産タイヤメーカー各社も海外生産が増えてますます成長を追い求め強大化しています。
その一方でミシュラン社・ピレリ社といった輸入メーカーは
日本市場では円安という逆風にさらされ始めました。
営業マンのリストラや工場閉鎖といった荒療治をして
日本マーケットでの戦略を変えているのは 前回ブログの書いた通りです。
グローバル企業のマクロな視点で効率主義ならではの変わり身の早さですが
ミクロなローカル視点では個人の人生も大きな変化にさらされた人も
大勢居られます、外資ならではのしがらみの少なさのなせる技ともいえます。


国内タイヤメーカーの日本市場に対する方針もだいぶ変わってきました。
まず販売拠点として各県・各地方に置いていた販社の一本化を
ほとんどのメーカーが行ないました。
ブリジストンタイヤジャパン社とかヨコハマタイヤジャパン社とかトーヨータイヤジャパン社など
ネーミングにジャパンが入っています。
これによって販売効率化に着手したのです。
営業所の統廃合を行い セールスを遠隔地に配置換えしたり
物流を営業所を通さず直送体制を強化したり
効率化の推進に邁進しています。

販社とメーカーは別会社ですが一心同体ですから
メーカーが計上した最高益を原資?に 
製品値下げということをせず 
シェアー拡大に安値条件という餌を出す戦法に出ています。
「大量に買ってくれたら安値で提供します。」
過去は棲み分けというような感じで
最大手のブリジストン社は安値といっても他社より高く
他のメーカーはブリジストン社の値段より少し安いといった
棲み分けのような暗黙の了解が市場にあったのですが
今は最大手のブリジストン社がなりふりかまわず
シェアー拡大に乗り出した結果 
他社より好条件がでる案件も多々出回っています。


これが下界から見るブリジストン社の「ダントツ経営」という一面です。
有り余る利益で国内マーケットでのシェアーアップと言う「ダントツ」。
海外では海外生産で圧倒的調達力と販売力で「ダントツ」。
製品では高性能で「ダントツ」。
あらゆる面で「ダントツ」を目指すのがブリジストン社の戦略です。
世界中で「ダントツ」の掛け声が響き渡っています。

その成果を織り込んだのかブリジストン社の株価も史上最高値水準で
さらに高値を追うような勢いです。




日本では限られたパイの取り合いがますます強まる中
最大手ブリジストン社が攻勢を仕掛けるなかで
他メーカーがどうでるか見極めて行かねばなりません。
末端の毛細血管のようなスモールタイヤ商売は
変化に応じて柔軟に対応するしかありませんね。
弱者は弱者の生き方をするために
マーケットの変化を見ていかねばなりません。

もし崩れるとすると行き過ぎたマーケットシェアーになり
独占状態になる時です 「ダントツ」が行き過ぎることが
最高潮の極みです、「陽が極まれば陰転する」のが世の常ですが
心得のある経営者なら行き過ぎと思えば
シェアーから利益へと号令が変わるかも知れません。

そういったことを念頭において
右手で握手 左手でジャブの関係を続けて
付き合いをするのが
弱者の私たちの付き合い方の基本です。
本社の方針で販売会社の現場はあっというまに方向転換しますから
メーカーの社長さんの発言はチェックする必要があるのです。



上記はスモールタイヤ商売として
小さなタイヤショップを運営する私の私見ですから
物事を一面からしか見ていない部分もありますので
ご容赦ください。



孫子曰く「相手を知り己を知れば百戦危うからず」です。
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