10月11日(木) 曇
昨日、葉室麟氏原作の「散り椿」を観賞してきた。観客はほとんどが中高年で結構多くの人が観に来ていました。まぁ原作を読んでいる自分としては読後の何とも言えない感じよりはあっさりしていたように思う。原本ではもっとストーリーが複雑なのですが映画ではかなり単純な結末だったのがちょっと残念でした。その中で黒木華演じる里見はハマり役でした。主人公の岡田准一演じる瓜生新兵衛の妻、篠の妹であり、新兵衛の同門の友人坂下源之進の妻である。政争で早くに源之進は亡くなり息子の藤吾と暮らしている。姉の想いと自らの想いをだぶらせながら瓜生新兵衛と接して行く姿がうまく表現できていたように思う。
「散る椿は残る椿があると思えばこそみごとに散っていけるのだ」 と言うセリフがこの物語の登場人物に重ねられていくところが恰好よくて切ないような気がする。まぁ愚直で誠実だけの男で、人が人を思う気持ちは素直に言葉で言い表わすことができない男の生き様みたいなところは葉室麟氏の小説の特徴でもあるのだが映像化で表現するのは結構難しいのかもしれません。