続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

映画3本観る 連続児童殺人サイコキラー系作品

2016-04-05 03:30:34 | 映画の感想
DVD借りてきて映画を連続して観ました。

3本観て、どれもが連続児童殺人を題材にしたサスペンス映画なのですが、3本とも事件以外へ話が逸れていくため、サイコキラー対警察の執念、という構図を見られず気分がスッキリしません。連続殺人事件の捜査はこんなにつらい的な、足の引っ張り合い、表向きの解決、思い込みだけで対立、など別に事件を児童殺害というとりわけ陰惨なネタに使わなくても良いのではと、トータル7時間くらいずっと疑問でした。ギャングやマフィアの抗争で良いよね、これ。

「チャイルド44」
「マーシュランド」
「オオカミは嘘をつく」
以上3点。

サイコキラーを追いつめるハンター的期待で観ると失敗でした。しかし映画単体としては良作で、
「マーシュランド」
は映像が綺麗、緊張感の続く雰囲気、観客に伏線を伝える手堅く簡潔な描写、情報は全て見せた上での含みを持たせたラストなど、評判の良さも納得の出来。
「オオカミは嘘をつく」
は完全に作り手にしてやられたトリック作品。正直ラストのオチは読めてました。読めてましたけど、それは私がこの映画の仕掛けを見破ったのではなく、多くの「この手」の映画を観てパターンから類推して、それが当たったというだけの話です。だからオチだけ読めても途中経過は全部予想外。話がどこまで転がっていき、どうやって畳むのかまったく想像付きませんでした。決して行き当たりばったりや唐突な展開では無いのです。前フリは劇中にしっかり描かれていて、でも普通そっちには転がさない方向で話が進みます。この「結果は判明しているが、経過がまったく予想できない」という経験は初めてかもしれません。いや、最後の場面での真相だって「ほら、期待通りのラストに繋がったぞ、予想が当たって良かったな」と作り手がこちらの想像に、あえて合わせてくれたのでは、という疑いすらあります。
というのも、話の脱線や、監禁拷問という題材の派手さに見落とされやすいと思われる、状況変化による人物の心情描写が物凄く上手い。話が転がるほどに人物間での主導権も次々変わるのです。とても自然にわかり易く。
題材が連続児童殺害事件に報復監禁拷問と血なまぐさいテーマですが、本編はつい笑ってしまうコミカル場面も頻出します。いわゆるギャップ芸、画面見ながら、何度も「そっちかよ」「そうじゃねえよ」「おまえかよ」とツッコミ入れてしまうこと多数。
たいへん面白い映画でした。