続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

7年後の振り返り

2024-05-04 22:25:18 | D&D4版 キャンペーン回想

もう世間でD&Dといえば5版であり、4thなど過去の遺物となりました。4thキャンペーン時期の遊びにくさに困り果て、キャンペーン終了翌日にルールブックを即売払に行ったのも笑い話です。

ただ、このD&D4thに対して、なぜこれほど強烈な抵抗感を覚えるのか、2017年記事の振り返りでも原因に到達出来ていません。認知が歪んでいたからね。
さらに7年経過して、現在の私は当時からかなり回復しています。


今なら理解できることですが、TRPGは自分にとってはホビーではありません。自分は医者から解離性障害の診断を受けるくらいには壊れメンタルで、この正常に機能しない人格を補助する客観視点の複数思考を内部に何人か作っています。TRPGを遊ぶ時には最初にキャラクター作成を行うが、あんな感じで自分内に役割を持つ思考パターンを作ります。もちろん作っただけでは機能しないので、何処かで実際に動かし行動モデルを作って自分へフィードバックします。大げさに書いているが、要はおフザケの種類を増やして、自分を直撃しそうな対人衝突を軽減したり躱せるようにトレーニングするわけだ。

そして、それまでTRPGを通して社会的な姿勢を擬態するスキルを学んでいたわけ。コミュ障にもほどがある、そんな限定された環境で非生産的な遊びで社会スキルなど身に付くわけがない、との説もあるだろう。
むしろそれが当然だが、自分の養育環境はどうも一般的ではなかったらしく、生来の気質も加わり、成人した頃にはすっかり人格破綻者だったので、後から娯楽を通して真人間に近づけるならやって損はありません。実際それで大分マシになってます。だってこの趣味がなかったら自分はとっくに塀の中、それどころか処分済でもう居なくなってる率が高いです。秋葉原無差別殺傷事件の犯人と生い立ちが非常に似ています。だから私だって何時やるかわからない人間だったし、実際に親族からも「おまえ、今までよく犯罪起こさずにいてくれたな」と感謝されてます。でも、これから起こすかもしれないやん、安心するのまだ早くね?

それはさておき私の場合、TRPGてのは自分の正気を保つ命綱なわけで、他のホビーゲーマーとは深刻度合いが違います。ここでしっかりキャラ育成しておかないと、何かのはずみに本体がホムセンで刃物を買い込み武器を拵えて、いつ人混みへ突撃するのかわかりません。自分に暴力を悔いる発想がない人間の自覚があります。相手が誰であろうが、どれだけ死傷者が出ようが一切気にしない性分です。そういう人達に育てられたので、自分も同タイプに育ちました。あの人達は常に「自分は悪くねえ」と言いながら人をぶん殴っていましたが、私はいつも悪役として殴られていたので、悪役にふさわしい行動をするべきでしょう。先に罰を受けたのでこれから罪を犯さないと割に合わない。また話が逸れた。


D&D4thのキャンペーンシナリオ中、私は鬱病ど真ん中であらゆる機能が低下していました。鬱は心の風邪とも言われ、珍しくもなくなりましたが、症状を軽視されがちです。メンタルがダウンしただけで、身体に不調をきたしているわけではない、は認識不足で精神が病むと身体も腐ります。周囲の情報を感じ取る神経が参っているので、適切な体調管理ができません。体力がどんどん落ちて抵抗力が下がります。不摂生がたたり次々と病状が発生悪化を繰り返します。私もこの期間にいくつも持病を発症し、健康診断の検査数値は目も当てられない酷い記録を毎年更新していました。

だから自分で自分を信用できなくなります。

自分がおかしくなっている自覚があるので、他人と意見が食い違った場合に、まず疑うのは自分です。

D&D4thキャンペーンシナリオ中、楽しい場面がほとんどありませんでした。苦痛を感じるほどネガティブな経験ではないが、ポジティブになれるプラス要因の供給がほぼ皆無。メンタル維持のために習慣的なTRPG体験が必須だけれども、そのTRPG中はずっと息を止めて我慢しているのに近い感覚です。でも周囲は楽しそうにしているので、楽しくない自分は何かおかしく間違っているはずだから、と頑張って楽しいフリを続けました。


D&Dは版ごとにシステム処理が大きく違い、特にそれまで遊んでいたD&D3.5版と4thでは、全く別ルールと言って良いでしょう。特に前衛クラスの運用方法が激変しています。かなり悪い方向に。ぶっちゃけ3.5版の前衛クラスの役割を「攻撃役」「防御役」と2~3分割してしまった4thでは、前衛物理クラスがとんでもなく弱体化しており、同じ働きは見込めませんでした。

結果として、私が使ったクラス「レンジャー」は一日一回の大攻撃を撃ったら、あとは小パンチでちまちま凌ぐしかありません。その間に他の術師キャラ達が状態異常範囲攻撃の応酬を繰り広げるのですが、これの処理が激重でした。1ターン6秒の処理に約1時間かかります。夕方7時前に始まった戦闘が、10時になっても終わらない事態がザラでした。その間、私は約1時間待機して、小パンチ打ち、また1時間待機の繰り返しです。そして、これを楽しいと思わない自分を責めていました。自分は頭がおかしいから皆が楽しいモノを楽しめないんだ。だから早く治せ。

んなわけないだろ。1時間やることない退屈を楽しめる人間なんて存在しません。退屈が苦痛となるからこそ、何も出来ない「禁固」て刑罰が存在するのです。つまり私にとってD&D4thキャンペーンシナリオは一種の刑罰効果がありました。人格の保全セラピーを目的にTRPGに参加して、逆に蝕まれて帰宅する期間が約8年続きました。後半になるとD&Dには期待せず、単純に人とコミュニケーションを持つ機会維持のために参加してました。

当時の自分はコミュニケーション鎖国状態で、他人と話す機会がゼロでした。好き好んで鎖国化したわけじゃないけど、あるトラブルから周囲の人間関係がすべて破壊されてしまったので、それ以前の人間関係のツテを頼って古巣のゲームサークルへ出戻りして、コミュニケーション確保しました。

ここまでが、使用クラスの性能低下と、自分の生活環境が悪かった話。
後の問題が参加シナリオ内容、そして参加メンバーとの相性です。

キャンペーン初期にはシナリオ「雷鳴山の迷宮」を使用しました。これに関しては個人の好みの問題ですけど、私はこのシナリオがまったく楽しくありませんでした。でかいダンジョンに潜ってモンスターと戦うだけのシナリオなので、21世紀になってまで、どうして休日にわざわざ手動のウィザードリィをしてるんだろう?と思ってました。そんなの携帯ゲーム機のダンジョンRPGやってるほうが処理早いし正確だしテンポ良く進むし、何一つ勝る要素が無いだろう、とも思っていました。皆が楽しそうだから仕方なく混じってるけど、単調なぶっ殺し作業の繰り返しに飽き飽きしてました。物語性が皆無だよね、誰がやっても同じ内容だよね、退屈だから先にダイス数値あげとくんで、待ち時間中はDSでメタルマックスしてて良いスか。そんな腐った態度で友人関係壊したくないので、黙って参加してましたけど。

でも、あまりに何時までも果てしなく続く遭遇&皆殺し作業にうんざりしてきた時に、一人くらい生かして返しても良いのではと発言しました。PCパーティーはここまで出てきたNPCを全員殺してきたので、シナリオ内の人間関係が皆無でした。誰も彼も故人になっちまうので人物相関図に線を引けません。じゃあ見逃すか、と死なずに済んだNPCはハーフリングの「レンディル」でした。彼は後のシナリオ内で商人として登場します。私が助けなかったら死体の1つになってました。
ただし、これは非アクティブな私が稀に動いたレアケースの結果であり、その後も一行は皆殺し行脚を続行し、NPCを存命させても物語が変化しない無駄行為だと私が学習したので、雷鳴山は名無しモンスターを駆逐して終了しました。自宅でウィザードリィのほうが楽しかったんじゃないでしょうか?私はウィザードリィも単調で面倒なゲームだと思うので遊びませんけど。

次に迎えたシナリオは「シルバークロークス戦記・巨人族の逆襲」です。こいつが個人的に大問題シナリオ。敵が強くて歯が立たない。敵の巨人族は「プライモーディアル」という荒れ狂う自然の権化であり、全員デカくて重くてタフで頑丈。つまり1発2発殴ったところでぜんぜん倒れない。ただでさえ硬くて攻撃がヒットしないのに、HPもやけに多いから、どうしても戦闘が長引き時間がかかります。この硬くて頑丈な敵とD&D4thシステムの相性が最悪です。
D&D4thのアタッカーには
・大攻撃:1日1回
・中攻撃:1遭遇1回
・小攻撃:回数制限なし
の3種類の攻撃方法があり、大・中パンチを使い切った後はしょぼい小攻撃を続けるしかありません。ただし巨人族は硬くて防御が高いため、常に大パンチが命中するとも限りません。むしろ数値的に外れる確率が高いので、一瞬だけ命中が上がる修正を足して、当てられる瞬間に目一杯の火力を叩き込まないといけません。でないとずっと微々たるダメージの小パンチを繰り返し、時間切れまで待つだけです。もう無理。この戦闘はつらいだけで楽しくありません。
何か打開策は無いのか。ありません。
強力なアイテムは入手できません。高価だし、入手手段もない。
レベル上げて物理で殴れば。レベルを上げるために目の前の巨人を倒しましょう。
これは修行です。心を無にするのです。無になれば苦しみは消え去るでしょう。
TRPGは娯楽でホビーなんですけど。

ここで苦しいのは私だけですか?私だけのようです。他メンバーは全員楽しそうに笑っています。
ああ、やっぱり自分はおかしいんだ。楽しいと感じるべき場面に楽しさを感じない、メンタルの摩耗を早急に治すべきなんだ。楽しめなくてごめんなさい。

他PCはどうして楽しいんだろう?
理由を考えました。NPC殺せるから?他PCには宿敵NPCがいて、たまに襲ってくるのだけど、他所の家庭事情なので率先して潰しに行く気にもなれず、ドラウなので普通に殴っても変な魔法で防がれそうなので、やはり関わりたくありませんでした。
パーティーが世界を救うシナリオ展開にも強い違和感がありました。だってこのチーム全員、連続大量殺人犯だよ。今まで虐殺と略奪しかしてないのに、どういう展開で役目に選ばれたの?ぜんぜん納得いかないし、物語として破綻してますよ。

この頃、ゲームマスターから「キミはパーティー内の人間関係を疎かにし過ぎだ」と指摘されています。当然ですよね、チーム内に個人的な誼を結びたい人物が一人もいませんでした。全員が自覚なき快楽犯罪者で一人も好感を持てません。なかでも特にウィザードPCがすげー凶悪・残忍・獰猛。闇ドワーフの武器屋に押し入り、因縁つけてぶち殺し売り物を持ち去る。ただの強盗殺人なんだけど、そういうロールプレイを好んでやる。出会ったNPCには居丈高な態度で罵倒し、反抗的ならば襲いかかり殺害、穏当な態度ならさらにカサにきて罵り挑発し、やっぱり最後は殺害。味方ポジションに居るけれど好意的に見るには厳しいDQNキャラ。このPCのせいで拗れた交渉が無くもない。
そういうクレイジー行動による面白キチガイ系ギャグなのかなと思っていたのだが、後の食事時にそこを笑いネタに取り上げたところ、ガチ切れされました。もうマジで唇震わせながら本気で怒ってるの。いや、怒らせる目的じゃなかったんで、すいませんでした。あれギャグやネタじゃなく素だったのね。なんかいろいろごめんなさい。

あと、今にして思うとこのキャラのPLさん、ややパワハラ気質があって、私にアタリがきつかった。言葉でぶん殴っても良い相手だと考えられていたフシがある。当時の私は精神が摩耗していたので、悪意や嫌味に鈍感でよほど直接的な物言いされないと気づかない状態だったが、それでもカチンとくるような発言をいくつか受けている。
「は?ふざけんな」
「一人で勝手にやれや」
わかりました。一人で勝手にやります。
当時はあれが正しくて、言われる自分が悪いと考えていました。そんなわけないだろ。今は違います。あのPLさんがチンピラ過ぎたのです。

このPLさん、私とあまり相性が良くないうえ、無意識に舐めてるところがあるので、後のキャンペーンでも私のPCへ殴る罵るを繰り返しました。私のPCに対してだけ執拗に苛烈な罵倒を繰り返した場面がこれまでにも3度あり、ロールプレイにしても不愉快でした。私の行動で負けや失敗が起きた落ち度場面ではないのに、罵りチャンスがきたのでこれ幸いとばかりに目いっぱい罵倒してきました。本人的に面白ギャグのつもりだったらしいけれど、女性にセクハラ、男性にパワハラと不快行動ばかりが目についたんで、はっきり拒絶しました。そういうのいらないです。もう関わりたくありません。
現在は、そのPLさんも私生活が忙しいようでゲームに参加しなくなっていますが、このまま戻ってこないと助かります。

それはさておき、シナリオ後半にさしかかり、そのPCが私に言いました。
「ホロブン(私のPC)はわりと(言動が穏便で)まともだよね」
そりゃあ弱い者イジメ好きな貴方とは違いますけど、コイツの周囲に喧嘩売りまくるチンピラロールプレイの後始末を、私が殺して片付けるのが虚しくなってしまい、そこからシナリオ参加意欲が消えました。

以降、私はキャラへの愛着も消え、そもそもドワーフなんかに興味ないのに今後も続くドワーフ・レンジャー使用の放棄を考え始めました。TRPGは習慣として続けたいが、D&D4thでレンジャーを続けても満足感を得られない気がしていました。
その頃から私のPCの解釈と運用が、自己否定方向へ逸れていきます。具体的にはこの辺で書きました。自分を自分でなくすために、自己のアイデンティティを削ぎ落とす発想が常軌を逸しています。
自分向けではない(not for me)卓だけど、皆の役に立ちたいから
自らの顔を剥ぎ
容姿の特徴を捨て
会話を放棄し
無機質な最高性能を目指してキャラビルドの組み直しです。これは実情的に「キャラクター記号の解剖と組立」という人格個性を潰して役割に固定する、おぞましい過程なんだけど、当時は自覚がありませんでした。作り直した結果には満足してますけど、キャンペーンシナリオ参加姿勢としては褒められたものではないでしょう。チーム内メンバーへ明確に背を向けた意思表示をしています。それも裏切る・敵対するといった行動ではなく、おまえらは会話するに値しないという態度です。
結果的に「精神異常者」のキャラクターRPを8年続ける機会を得られたので、実入りが皆無とは言えません。なかなかにレアよね。

こうして振り返ると、D&D4thにはシステム的に前衛クラスの能力が分割・減少したデメリットと、キャンペーンシナリオ全体が物語性に欠け単調で退屈だった点、加えてパーティー内メンバーとの相性が悪く、最後まで愛着のわかない奴らに囲まれていた、三重苦状態が8年続いたので、すっかり忌避感が定着してしまったのも無理ないと思います。

後のオンラインセッションで、4thルールを遊んだシナリオもあったけれど、そちらも戦況は惨憺たる内容で、戦闘が苦しかったことしか覚えていません。あとやっぱり物語性は皆無で、ルールに制限があり物資や戦術の工夫を取り入れる余地がなく、毎回手持ちの武器を振り回して突撃するだけの繰り返しだったので、私にとってD&D4thは口頭・手動で行うウィザードリィにも劣る、自由度の無い窮屈ゲームシステムの評価が確定しました。
D&DのNPCは遅かれ早かれ殺して経験値とドロップ品に変えるから会話時間がもったいないんだ。情報を聞いたって武器を構えて突撃以外に選択肢ないから無意味です。

D&D4thのルールシステムは、おそらくカードゲーム素養のあるPL向きなんだよ。全ての行動がパワー・カードで管理できるからさ。場面に応じてカードを切っていく遊び方だけど、おそらくシステム設計者が当時に流行ってたTGCに寄せすぎた。魔術師PLの発想で構成されているので、前衛クラスの巡航火力維持という発想が無く、術師による互いのカードで戦況のひっくり返し合いを想定しているフシがある。だから戦闘は長ければ長いほど、カードの差し引きによる見せ場が増えるし、一方で敵を瞬殺してしまう高火力は、魔術の駆け引きが起こる前に戦闘が終わるので忌避される傾向です。単体の敵を囲んで袋叩きにする場合でも「ソロ」敵ルールが適用されて、敵HPが爆増するのでやはり戦闘が長期化します。両手武器がダブルでクリティカルヒットしたのに、敵が平然としてるんだぜ。包囲してる側なのに、戦闘が終わるまで生きていられるのか不安になりました。加えて、後々のエラッタ修正でアタッカーの火力がどんどん低下していくんだよ。ゲームデザイナーの「マジックユーザー以外は客にあらず、物理がやりたきゃ家庭用ゲーム機で無双ゲーしてろ」という思想を感じます。

その後D&D5版にシステムが変わっても、しばらく「しょせんD&Dごとき化石ゲームにウィザードリィ以外の何ができるんだよ」と馬鹿にしていました。今でも毎度毎度、ヒューマン・エルフ・ドワーフ・小人に戦士・魔術師・僧侶・盗賊と、50年経っても同じ面子で進歩がないと半分くらい馬鹿にしてますけど。同じ行為を違うルールでやるだけで目新しい要素何もないからね。
それでも5版はシナリオ中の会話が後に影響する展開があるので、4thのNPCぶっ殺し作業繰り返しよりも、ずいぶん楽しくなりました。


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