今年のインターハイに関しては、昨年少しご紹介したことがあるのですが、当初は下記のポスター通りに北関東で開催される予定でした。それが、ポスターの丸の中に記載された21府県での開催に変わった原因が東京オリンピックでした。
五輪の閉会式の翌日から開催するスケジュールだったのですが、北関東とはいえ選手や関係者の宿泊施設は五輪に占領されてしまい、その上練習施設もままならない状況に陥った為に、苦慮の末に全国21府県で開催されることになった経緯があります。分散開催という異例の内容になったことから、クラウドファンディングで不足する資金を捻出するなどの涙ぐましい取り組みが行われました。そんな難産だった今年の高校総体が中止決定されてしまいました。五輪は延期されてもちゅつ上のチャンスが残りますが、高校生の大会はこれが最後という選手も数多くいます。高校で競技に別れを告げる選手が大半ですから、この決定はあまりにも切ないですね。選手本人の気持ちが分かるものではありませんが、部外者でも無念なのですから察して余りあるところです。
高校総体中止「夢奪うものではない」会長が呼び掛け
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-24260530-nksports-spo
※以下、引用です。
今夏、東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の史上初となる中止が決まった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主催する全国高等学校体育連盟(全国高体連)が26日午後2時からウェブ会議方式の臨時理事会を開いて協議。全理事の総意で中止が議決された。これを発表した後、同6時43分ごろから岡田正治会長がオンラインで会見した。
冒頭、岡田会長が議決した第1号議案「本年8月に全国21府県で30競技の実施を計画していた、令和2年度(2020年)全国高等学校総合体育大会の全競技および総合開会式を中止とする」を発表。第2号議案として全国高等学校定時制通信制大会(7~9月、5府県)の全競技の中止も決めた。
続けて、全国120万人の高校生へ向けて「高校スポーツ最大の祭典、夢の舞台を中止とした判断の向こうには、大きな悲しみがあることは痛いほど承知しております。ただ、皆さんの夢を奪うものではなく安全・安心や命を守るためでした。インターハイをはじめとする部活動、運動の目的は、心身の健全な育成にある。この状況下で開催することは、その目的から大きく外れることになる。臨時休校中でも自宅でトレーニングに励んでいた高校生。今年は舞台を用意することはできませんでしたが、皆さんの人生は今年で終わりではありません。ぜひ、スポーツに生涯、関わっていってください。自分を、他人を守る対策を取っていただくよう、お願いいたします」と呼び掛けた。
当初は、延期前の東京オリンピック(五輪)閉幕翌日となる今年8月10日から24日までの日程で開催されるはずだったが、新型コロナの終息が見えず、全国に緊急事態宣言が拡大した中で中止論が強まっていた。
1963年に新潟県で第1回大会が開かれて以降、初の中止。30競技で約3万8000人の選手や指導者が参加予定だったが、高校3年生にとっては集大成の日本一を目指す最後の舞台が新型コロナによって奪われた。
選手、関係者の安全と命を守る為には仕方のないことなのかも知れませんが、何か割り切れないものが残ります。しかし、高校生のこれからを考えれば、危険を押しても開催すること、いや何らかの選択の余地がなかったかという感情論だけでなく、将来を見据えて我慢することの方を選ぶのが正解なんだと思います。
力を試す機会を失った選手の皆さん、この辛い経験すらもこれからの人生の糧として、目指す目標に向かって取り組んでほしいと願っています。
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そして、インターハイの中止決定が、夏の甲子園に及ぼす影響も大きなものがありそうです。高野連がどのような選択を下すかは注目を集めるでしょう。
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インターハイ中止で夏の甲子園はどうなる? 日本高野連「決定に至る様々な検討内容を参考にさせていただきたい」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-04260157-sph-base
※以下、引用です。
今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)が史上初の中止となったことを受け、全国高体連に非加盟の日本高野連・小倉好正事務局長(61)が26日、書面による代表取材に応じた。
「地方大会を含む第102回選手権大会(8月10~25日)の主催者であります都道府県高等学校野球連盟、朝日新聞社、当連盟の間で、現在の様々な状況・情報を共有しながら、大会開催について慎重に協議を行っています。全国高等学校体育連盟のこの度の決定そのものが、第102回選手権大会の開催に直接影響してくるかどうかは分かりませんが、今後、我々が協議を重ねていくうえで、全国高等学校体育連盟の今回の決定に至る様々な検討内容を参考にさせていただきたいと思います」と回答した。
日頃から日本高野連は全国高体連に訪問、電話やメールなどで情報交換をしている。最近では、3月中旬に全国高体連事務局を訪問し、互いの全国大会などについて情報交換を行ったという。「可能であれば、全国高等学校体育連盟のこの度の決定に至るまでの様々な検討内容に関して、当連盟にご提供いただけるものがあれば、お願いしたいと考えています」とコメントした。
日本高野連は夏の甲子園開催に向け、感染拡大防止策を含めた要項を作成中。5月20日に運営委員会を開き、開催可否などについて話し合う見込みだ。
今、目指すべきことは感染拡大を抑えて、1日でも早く以前のように屈託なくスポーツに取り組める時を迎えることです。その為には感染者を減らすことしかありません。何度も同じことを言いますが、用心しましょう。不要不急の外出を控えて、感染しないことに全力を尽くしましょう。
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とにかくご用心ください。
と言っても、今年夏の甲子園に及ぼす影響が今回のメインです。
「2020年夏の甲子園(だけ)は絶対に開催される」と私は一昨日まで信じていましたが、昨日のインターハイ中止決定で「外堀が埋められた」と考えています。当たって欲しくはないですが、来月20日の運営委員会で、七十五年ぶりの「春夏ともに甲子園大会無し」が決定するでしょう(涙)。今更言っても遅いですが、今年春の甲子園を中止にしたことで高校野球反対派に突け入るスキ(不謹慎ですがあえてこう表現します)を与えてしまったように思えてなりません。最終的には、日本高野連が高体連に吸収される展開もあるかもしれません(高体連に吸収されることのメリットとデメリットは、今回の範囲を越えるので省略します)。
もし、よろしければ、実は「なぜ、誰もここに注目しないのだろう」と思ってることですが、おそらく今後、「生徒たちにとり、最悪の形で」方針が発表されていくであろう、文化部の全国大会にも思いを馳せて頂けるとありがたいです。
私は高校時代、演劇部にて、様々なことを学び、途中、あまり真面目にやらない時期ありましたが、(思春期ですから)アンデルセンの言葉を借りると「宝石のような日々」はたしかにありました。この中で公演にでられることが、最大の目標でした。
演劇や、吹奏楽など、室内のホールや劇場で開催するものなので、正直、もう無理でしょう。
恩師が、現在、あのセンバツ優勝経験のある、系列校の演劇部にまだ関わっておられるので、切ないです。
インターハイも、選手の気持ち思うと、本当にやりきれないです。
最後に、私の私見ですが、
「ここまできて、高校野球だけ特別扱いはない、あり得ない」
そう思ってます。
いろんな人の置かれている状況思うと、本当にやりきれないです。
選抜絶対開催の方向に進んでいた頃の高野連は「高校野球だけは他の競技とは違う」と意気軒昂でした。しかし、周囲の圧力に屈して中止を決定しました。ここで、「高校野球も高校の部活の一つ」になったことで、良し悪しは別として特別扱いはなくなったと思います。
今回のインターハイは昨年の時点で「開催は困難」というどん底の状況下にありました。東京五輪の影響で北関東での開催を断念し、日本全国での分散開催という道を選択して、やっと開催にこぎつけたのです。言ってみれば「インターハイだけは他の大会とは違う」という別の意味での特別扱いを目立たせたのですが、その最終兵器とも言える禁じ手すらコロナの拡大に屈しました。
この事態を受けても、高野連が「高校野球だけは特別」と言い切って開催に向かうだけの精神力があるかどうかですが、現状を見れば悲観論しかありません。プロ野球のスケジュールもグダグダなので、民間施設の甲子園を高校野球最優先に使用することができるなら可能性はゼロではありませんが、いざとなれば甲子園を捨てる覚悟で開催施設を選ぶことまで考えるなら多少は高野連も見直されるでしょう。
文化部の中でも個人的な活動が中心の、例えば美術部や書道部などなら、個人で作品をひたすら仕上げて出品することも可能でしょう。ただ、表装等をプロに委ねるなら難しいかも知れませんが。
文化部でも集団で行う活動はしばらく難しいでしょうね。更にここまで通常の授業ができていないこともあって、恐らく夏休みも冬休みもなくなる可能性が高まっていますから、部活動全般が危機的状況です。
高校野球が甲子園を捨て、開催時期も夏に拘らないという決断をすることができて、更に批判や圧力に屈しないだけの気概を見せれば、何らかの形で全国大会を開くことはできるでしょう。それでも、多くの犠牲を払う覚悟は必要ですが。
スポーツが世界から奪った勇気や元気を取り戻す起爆剤となることは、今でも諦めてはいませんが、コロナ禍に伴う経済危機が顕在化してくると、それすら不謹慎と批判されることになります。
何事も諦めたくはありませんが厳しいですね。とにかく、ウイルスに感染しないことが最優先です。気をつけましょう。