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29歳キャバクラ嬢が、ルフィ渡辺に誘われて「愛人」「詐欺の金庫番」になるまでの過程がヤバすぎる《裁判資料入手》
2/11/2023
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2/11(土) 8:03配信
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フィリピンにカネを運ぶ
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>中心的とされる渡辺容疑者には無期か死刑が求刑されるのではないか。計画的で、結果があまりに重大です。一罰百戒ではないが、同種の模倣犯が出ないように厳しい判決を裁判所も認めるでしょう」
前篇《【独自】ルフィ渡辺の手下として勤務した男が語る「朝8時の朝礼から始まるフィリピン《廃ホテル詐欺現場》恐怖の1日」がヤバすぎる》では、特殊詐欺グループ「ルフィ」のトップ・渡辺優樹容疑者(38歳)の手下としてフィリピンで「かけ子」として動いて逮捕されたX氏の証言を明かした。渡辺容疑者らは、日本で盗ったカネをどうやって回収して、フィリピンへ稼ぎを還流させていたのか?
その一端を担っていたのが渡辺容疑者の愛人で、2019年に逮捕された柴田千晶容疑者(32歳)だった。
「現代ビジネス」は、犯行当時29歳だった柴田の裁判記録などを入手した。渡辺容疑者の愛人になった柴田が、振り込め詐欺のまとめ役として動き、さらには集金役として日本でカネを集めてフィリピンに運んでいた実態がわかった。
2019年11月28日に逮捕された柴田は、振り込め詐欺により、14もの窃盗容疑で大阪地検から起訴されていた。詐欺の総額は8億4000万円を超える。大阪、奈良、京都など関西から、東京、神奈川、千葉など関東まで広範囲にわたり、受け子の集金役となっていたことがわかる。
手口は以下のようなものだった。
前篇で明かしたX氏のようなフィリピン側の「かけ子」が標的を見つけると、日本サイドの「受け子」が、その日本の民家を訪れる。
警察官だと名乗って訪問し、「印鑑が必要です」「暗証番号を紙に書いて、封筒に入れてください」などと言葉巧みに欺す。
相手のキャッシュカードを確認するフリをして、その場で「受け子」が持っている別のカードにすり替える。すぐにATMに向かって、現金を引き出す。
この引き出された現金を集金し、管理する「金庫番」が柴田だった。ときには東京から大阪まで出向き、受け子のリーダー格から1000万円以上を集金していたことが裁判資料からわかる。
「受け子」たちのリクルート、指導まで
ここで自称実業家の「コウ」こと渡辺容疑者と男女の仲になった柴田だが、いったんは帰国している。同じ年の4月2日に渡辺容疑者に誘われ、再度マニラに渡航し、現金2000万円を現地で渡している。
このとき柴田はすでに「受け子」のリクルート係を担っていた。田中という偽名を用いた柴田は、犯罪グループの必須アイテムであるメッセージアプリ「テレグラム」で、タナカ1(tanaka0146)というIDでアカウントを開設し、「受け子」らに指示を出していた。
SNSやテレグラムで、受け子応募者への説明を行ったうえ、スカウト。受け子を運用し、渡辺容疑者ら幹部と連絡をとり、幹部と現場を結ぶ中継役でもあった。大阪府警関係者が語る。
「ラウンジやガールズバーなどに勤務して人気もあり、人あしらいがうまい柴田は、渡辺にとってグループのメンバーとしては好都合だった。受け子だけでなく、かけ子や出し子のリクルートもやらせたところ、うまく勧誘できた。
柴田は受け子に対する指導、とりわけ特にキャッシュカードをすりかえる方法なども教えていた。同時に愛人である渡辺容疑者の指示で、現金の運び屋にもなった。柴田は短期間で、いくつもの業務を兼ねた重要メンバーになっていた」
2020年10月27日の大阪地裁の判決文にも、こう述べられている。
《グループへの関与やリクルート役としての稼働実績、渡辺容疑者と人的関係を基礎として(柴田であれば)受け子らが集めた高額の現金を運搬・保管する回収役を任せることができる》 《渡辺容疑者らは(柴田を)現金の回収役として計算に入れていたと推認される》
渡辺容疑者との強い絆で結ばれていることが前提となり、犯行で重要な役割を果たしたと裁判所は認定し、懲役4年6月の実刑判決を言い渡している。
求刑は7年と重かったが、一定の減刑がなされたのは被害者に800万円あまりの被害弁償をしたことが理由となっている。前出の大阪府警関係者が明かす。
「柴田は、渡辺容疑者からトータルで数千万円の利益を受け取っており、それが被害弁償の原資だとみている。
一方で、柴田はフィリピンへ少なくとも7回渡航している。毎回、日本から数千万円を持ち出しており、少なくとも3億円から5億円を手渡したことがわかっている。このカネで渡辺容疑者はフィリピンにいる『かけ子』らに給料を払ったうえ、自身のカジノなどの豪遊に使っていた」
「格闘技やってる奴は日本へ戻れ」
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このときの判決では、フィリピンの渡辺容疑者がリーダー格であるという前提でこう述べている。
《本件各犯行を敢行した本件払出盗グループは、フィリピンにも拠点を置き、多数の者が関与して、組織的かつ計画的に敢行された犯罪であり、その犯行態様は巧妙である》 《被告人(注・柴田)は、実行行為を行ってはいないものの、二次回収役として、窃取した被害金を上位者らに繋がる者に渡し、本件払出盗グループが犯罪収益を確実に回収することに貢献しており、ピンポイントだが重要な役割を果たしたといえる》
記事の前篇で証言した元グループのX氏によれば、「かけ子」のなかには若い女性も複数いたという。また、渡辺容疑者や小島智信容疑者(45歳)にフィリピン人の妻がいたということも聞いたそうだ。
フィリピンで「かけ子」をやっていたXさんは強制送還され、日本では警視庁からも厳しい取り調べを受けた。ただし、自身の犯行については、
「マニュアルとかが押収されていて、さらっという感じの調べだった」と明かす。
警視庁が関心を持っていたのは、今回の事件につながる内容だった。 「暴力団、山口組と渡辺容疑者との関係を知らないかとか、振り込め詐欺だけではなく、強盗など、手荒いことはしていないのかと取り調べを受けました」
渡辺容疑者と小島容疑者は、指定暴力団・六代目山口組傘下の組と深い関係があったことが柴田らの裁判資料などからわかっている。そして柴田がカネを運んだ先は、フィリピンの渡辺容疑者だけではなく、日本国内の氏名不詳者も含まれているのだ。
ここを捜査関係者はこう推測する。
「暴力団にカネが流れていた可能性は十分ある。フィリピンから強制送還された4人から、これから徹底的に事情を聞くポイントは、暴力団とのつながりだ」 実際、殺人までつながってしまった事件は、半ば予期されていたことともいえるが、X氏は、今になってこう振りかえる。
「覚えているのは、今村容疑者が『ボクシング、柔道、空手とか格闘技やっているヤツがいれば日本へ戻れ。仕事があるぞ』などと言っていたこと。高校時代に柔道部だったという人が手を上げていたように記憶があります。
振り返ると、強盗させようとしていたのだと思います。相手にカネがあることがわかっても、途中でかけ子が失敗して怪しまれ、ダメになることが少なくなかった。
そういう相手のリストも渡辺容疑者ら『上』に報告されています。それをもとに襲えばカネになると考えていても不思議じゃない。一連の強盗事件はそういう流れで起きたのでしょう」
元山口組顧問弁護士で、現在は『山之内幸夫チャンネル』を開設するYouTuberの山之内幸夫氏はこう語る。
「ネットを使い、フィリピンから指示を出し、日本で強盗するという実に巧妙な犯罪です。振り込め詐欺を応用して凶悪化した事件ですね。強盗殺人にまでなったので、フィリピンから強制送還された4人は、窃盗だけにはとどまらず、裁判員裁判の対象として裁かれるでしょう。
中心的とされる渡辺容疑者には無期か死刑が求刑されるのではないか。計画的で、結果があまりに重大です。一罰百戒ではないが、同種の模倣犯が出ないように厳しい判決を裁判所も認めるでしょう」
今後、携帯電話の解析などが進めば、さらに大きな被害が明らかになることだろう。
主要な役割を果たしていた柴田だが、活動期間は意外に短い。2019年3月16日、水商売の友人から「金持ちの実業家がフィリピンにいる」との触れ込みで紹介を受けて、柴田はマニラに向かった。