JR北海道の鉄道事情が大きく変化しようとしています。
まずは何と言っても北海道新幹線の開業ですね。これにより津軽海峡線(青函トンネル)を走行する在来線はすべて廃止され、新幹線車両と貨物列車の走行のみに限定されます。
これにより、北海道~本州間を結んでいた往年の寝台特急がいくつも廃止に追いやられたのは皆さんもご存知の通り。
さらにもう一つ。国鉄民営化より長らく続いていた赤字状況を改善する目的で、JR北海道は利用者の少ない路線の駅や便数を廃止する「合理化策」を発表。これにより、2016年3月のダイヤ改正と同時にローカル線の普通列車本数は15%減、俗に「秘境駅」と呼ばれる過疎駅の9駅が廃止されてしまいます。
これは政府からの安全対策資金1200億円の支援が決定したことにより始まった施策であり、来年度以降も本数の減便や駅の廃止が進められることは十分に考えられます。JR北海道の計画によると、今後3年間で道内の無人駅を対象に廃止を実施していく可能性があるとのこと。
…つまり、北海道の秘境駅が危ない!!
ここ十数年で立派な地位を確立した「秘境駅訪問」というカルチャーですが、実をいうと僕もライトな秘境駅ファンでありまして、かれこれ6~7年前(当時高校生)に札沼線・豊ヶ岡駅や室蘭本線・小幌駅を訪問したことがあります。
当時から憧れであったのが宗谷本線のハイレベルな秘境駅たち。荒涼とした廃村や牧草地にたたずむ年季の入った駅舎。中には潰れかけの「小屋」としか呼べないようなモノもあります。そんな秘境駅の写真をホームページで眺めては憧れの感情を抱いていたんですね。
さすが広大な北海道、鈍行列車だけでは1日で辿り着けないというあまりの遠さのおかげでダラダラと訪問できずにいたのですが、今回の合理化策を聞いてようやく焦り始めました。
僕の行きたい秘境駅たちは今回の廃止駅には該当していないのですが、あの素敵な駅たちがいつまで存在しているか分からない。ただでさえ列車本数が少ないのに、減便によって訪問は更に困難になるだろう。
…今のうちに行くしかない。
待ってろ!宗谷本線!
2016年 1月13日(水) 札幌駅

北海道新幹線開業まで あと73日
…さて、今回の旅では「北海道フリーパス」という乗車券を利用します。

連続する7日間で道内の普通列車、急行列車、特急列車自由席、JR北海道バスが乗り放題。特急指定席も6回まで利用することが出来ます。料金は26230円。
使用期限1週間というのは多少長いのですが、実は宗谷本線のほかにもいくつか行きたいところがございまして。
3日間の交通費だけで既にモトが取れるので、これは相当お得な乗車券だと思いますよ!
これでダイヤ改正前の北海道内をいっぺんに見てくる予定です!(^-^)
7時48分発 特急スーパー宗谷1号


すべての旅はこの列車から始まる。さっそく指定席券を取っているので優雅に乗り込みます(笑)。
…いや~、ホルマリンらしからぬ贅沢な鉄道旅ですね…(^_^;)

今年の北海道は雪が少ないと思っていましたが、札幌を出ると真っ白でした。
列車も雪を巻き上げながら豪快に進みます。
ただただ快適な旅ですので、あまり書くことがありません(^_^;)
しかし、雪の影響なのか列車に遅れが出てきましたよ…。
純白の塩狩峠を越える

峠を越えるとさらに雪がひどく…。

複線の駅で久々に列車とすれ違ったと思ったら、あちらからやってきたのは雪で真っ白になったラッセル車。ありゃりゃりゃ、こんな天気で秘境駅に降りるのは不安だぞ…。
ここで交換列車の遅れにより、しばらく停車。既にダイヤより15分ほど遅れています。
…参ったな……。次の列車の乗り換え時間が1分しか無いというのに…。
まぁ単線(線路が1本しかない)の路線だし、こっちの列車が着くまで交換待ちで動けないでしょ…などど考えながらも落ち着けません(^_^;)。

天塩川、凍ってるじゃん…(汗)。
12時15分ごろ、幌延駅に到着。
ここで反対方向の普通列車に乗り換える予定なのですが…。
急いで列車を降りると、向こう側のホームにちっぽけな1両編成が!!いた、あれだ!
待ってぇー!乗りまーす!
ダッシュで跨線橋を駆け上がり反対のホームに辿り着くも、列車のドアは閉まっており今にも発車しようという状況。
車両に近づき自分の存在をアピールすると、運転士さん小窓を開けて「乗ります?」と怪訝そうな顔。
…このあたりの幌延~音威子府間は地元の人もあまり利用しないような過疎区間。まさか特急列車からの乗り換え客がいるとは予想外だったのでしょう(笑)。
あははは、すばらしい(*^_^*)。
名寄行き普通列車(約15分遅れ)

乗客は僕を含めてわずか4人。しかも一人は巨大な旅行カバン、使い古したボロボロの時刻表を片手に持っていたので明らかに旅行者。地元の利用者は後ろに座っているおばあさんと、素朴な女の子だけか。
列車は相変わらずの大雪の中、ちっぽけな過疎駅をいくつも飛ばして進みます。この辺の駅は利用者が少ないので普通列車すらも滅多に止まらないのです。
よって訪問できる駅も必然的に限られてくる。
12時36分。
列車が止まった最初の駅で、ついに下車しました。

…真っ白だな!寒い!!
案の定、降りたのは僕ひとり。向かいの特急列車から駆け込んできて、すぐに次の駅で降りる僕は相当な好き者に思われたことでしょう(^_^;)。

あまりの雪の多さに不安になった僕をひとり残し、雪まみれの列車は警笛を鳴らしてさっさと発車していきました。
…次の列車は2時間後ですよ…。どうするホルマリン、この寒さに耐えられるか(^_^;)

宗谷本線 雄信内駅(北海道天塩郡幌延町字興部)

札幌を出発して早5時間。ようやく最初の秘境駅ですね。実は個人的に道内で最も降りてみたかった駅でした。長年の夢がついに叶って感無量です(^-^)。
降り続く雪が音を吸い込んでいるのか、びっくりするほどの静寂です。本当に何も聞こえません。

線路の先を見ても林が延々と続いているだけで、ひとけは全くありません。
さてさて、僕がこの駅を訪れたかった一番の理由、それは周辺のロケーションももちろんですが、駅には欠かせないあるものを見たかったからなんですね。
静寂の中に、それはドッシリと存在していました。

あまりにも古い駅舎が。
続く。
まずは何と言っても北海道新幹線の開業ですね。これにより津軽海峡線(青函トンネル)を走行する在来線はすべて廃止され、新幹線車両と貨物列車の走行のみに限定されます。
これにより、北海道~本州間を結んでいた往年の寝台特急がいくつも廃止に追いやられたのは皆さんもご存知の通り。
さらにもう一つ。国鉄民営化より長らく続いていた赤字状況を改善する目的で、JR北海道は利用者の少ない路線の駅や便数を廃止する「合理化策」を発表。これにより、2016年3月のダイヤ改正と同時にローカル線の普通列車本数は15%減、俗に「秘境駅」と呼ばれる過疎駅の9駅が廃止されてしまいます。
これは政府からの安全対策資金1200億円の支援が決定したことにより始まった施策であり、来年度以降も本数の減便や駅の廃止が進められることは十分に考えられます。JR北海道の計画によると、今後3年間で道内の無人駅を対象に廃止を実施していく可能性があるとのこと。
…つまり、北海道の秘境駅が危ない!!
ここ十数年で立派な地位を確立した「秘境駅訪問」というカルチャーですが、実をいうと僕もライトな秘境駅ファンでありまして、かれこれ6~7年前(当時高校生)に札沼線・豊ヶ岡駅や室蘭本線・小幌駅を訪問したことがあります。
当時から憧れであったのが宗谷本線のハイレベルな秘境駅たち。荒涼とした廃村や牧草地にたたずむ年季の入った駅舎。中には潰れかけの「小屋」としか呼べないようなモノもあります。そんな秘境駅の写真をホームページで眺めては憧れの感情を抱いていたんですね。
さすが広大な北海道、鈍行列車だけでは1日で辿り着けないというあまりの遠さのおかげでダラダラと訪問できずにいたのですが、今回の合理化策を聞いてようやく焦り始めました。
僕の行きたい秘境駅たちは今回の廃止駅には該当していないのですが、あの素敵な駅たちがいつまで存在しているか分からない。ただでさえ列車本数が少ないのに、減便によって訪問は更に困難になるだろう。
…今のうちに行くしかない。
待ってろ!宗谷本線!
2016年 1月13日(水) 札幌駅

北海道新幹線開業まで あと73日
…さて、今回の旅では「北海道フリーパス」という乗車券を利用します。

連続する7日間で道内の普通列車、急行列車、特急列車自由席、JR北海道バスが乗り放題。特急指定席も6回まで利用することが出来ます。料金は26230円。
使用期限1週間というのは多少長いのですが、実は宗谷本線のほかにもいくつか行きたいところがございまして。
3日間の交通費だけで既にモトが取れるので、これは相当お得な乗車券だと思いますよ!
これでダイヤ改正前の北海道内をいっぺんに見てくる予定です!(^-^)
7時48分発 特急スーパー宗谷1号


すべての旅はこの列車から始まる。さっそく指定席券を取っているので優雅に乗り込みます(笑)。
…いや~、ホルマリンらしからぬ贅沢な鉄道旅ですね…(^_^;)

今年の北海道は雪が少ないと思っていましたが、札幌を出ると真っ白でした。
列車も雪を巻き上げながら豪快に進みます。
ただただ快適な旅ですので、あまり書くことがありません(^_^;)
しかし、雪の影響なのか列車に遅れが出てきましたよ…。
純白の塩狩峠を越える

峠を越えるとさらに雪がひどく…。

複線の駅で久々に列車とすれ違ったと思ったら、あちらからやってきたのは雪で真っ白になったラッセル車。ありゃりゃりゃ、こんな天気で秘境駅に降りるのは不安だぞ…。
ここで交換列車の遅れにより、しばらく停車。既にダイヤより15分ほど遅れています。
…参ったな……。次の列車の乗り換え時間が1分しか無いというのに…。
まぁ単線(線路が1本しかない)の路線だし、こっちの列車が着くまで交換待ちで動けないでしょ…などど考えながらも落ち着けません(^_^;)。

天塩川、凍ってるじゃん…(汗)。
12時15分ごろ、幌延駅に到着。
ここで反対方向の普通列車に乗り換える予定なのですが…。
急いで列車を降りると、向こう側のホームにちっぽけな1両編成が!!いた、あれだ!
待ってぇー!乗りまーす!
ダッシュで跨線橋を駆け上がり反対のホームに辿り着くも、列車のドアは閉まっており今にも発車しようという状況。
車両に近づき自分の存在をアピールすると、運転士さん小窓を開けて「乗ります?」と怪訝そうな顔。
…このあたりの幌延~音威子府間は地元の人もあまり利用しないような過疎区間。まさか特急列車からの乗り換え客がいるとは予想外だったのでしょう(笑)。
あははは、すばらしい(*^_^*)。
名寄行き普通列車(約15分遅れ)

乗客は僕を含めてわずか4人。しかも一人は巨大な旅行カバン、使い古したボロボロの時刻表を片手に持っていたので明らかに旅行者。地元の利用者は後ろに座っているおばあさんと、素朴な女の子だけか。
列車は相変わらずの大雪の中、ちっぽけな過疎駅をいくつも飛ばして進みます。この辺の駅は利用者が少ないので普通列車すらも滅多に止まらないのです。
よって訪問できる駅も必然的に限られてくる。
12時36分。
列車が止まった最初の駅で、ついに下車しました。

…真っ白だな!寒い!!
案の定、降りたのは僕ひとり。向かいの特急列車から駆け込んできて、すぐに次の駅で降りる僕は相当な好き者に思われたことでしょう(^_^;)。

あまりの雪の多さに不安になった僕をひとり残し、雪まみれの列車は警笛を鳴らしてさっさと発車していきました。
…次の列車は2時間後ですよ…。どうするホルマリン、この寒さに耐えられるか(^_^;)

宗谷本線 雄信内駅(北海道天塩郡幌延町字興部)

札幌を出発して早5時間。ようやく最初の秘境駅ですね。実は個人的に道内で最も降りてみたかった駅でした。長年の夢がついに叶って感無量です(^-^)。
降り続く雪が音を吸い込んでいるのか、びっくりするほどの静寂です。本当に何も聞こえません。

線路の先を見ても林が延々と続いているだけで、ひとけは全くありません。
さてさて、僕がこの駅を訪れたかった一番の理由、それは周辺のロケーションももちろんですが、駅には欠かせないあるものを見たかったからなんですね。
静寂の中に、それはドッシリと存在していました。

あまりにも古い駅舎が。
続く。