ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

新幹線開業前の函館を旅する その1

2016-02-18 18:59:43 | 北海道内の旅行・風景
2016年 1月14日(木)
北海道新幹線開業まで あと72

午後9時半 札幌駅。


1泊2日に及ぶ「宗谷本線秘境駅紀行」を終えた僕は、とりあえず新千歳空港のフードコートで夕食を食べ、快速電車で札幌駅へと戻ってきました。
とは言っても、家に帰ってひと休みする時間はありません。次に乗る列車がもうすぐやってきますからね。
このまま「2016年冬の鉄道旅 第2章」の幕開けです。

次なる目的地は函館です!

函館周辺は、いま道内で最もアツい場所と言えるでしょう。北海道史に残る新時代の幕開けを目前に控えた地域ですからね。
新幹線開業に沸く函館の熱気をこの肌で感じたい。工事中の新幹線停車駅も見ておきたい。
かねてより、開業の3月末までにもう一度函館を観光したいと考えておりました。


しかし、この旅の一番の目的は…。
新幹線と入れ替えに3月に廃止されてしまう憧れの列車に乗る事です。これから乗る列車こそがソレです。


…その列車との初めての出会いは忘れもしない2年前の8月、「札幌→稚内ママチャリ激走400キロ」の時でした。
稚内から特急列車で札幌駅に帰還し、さぁ~家に帰るぞと改札に降りようとしたその時、向かいのホームに停まっていたボロボロの客車に目が留まりました。
今どき珍しい青色の客車、ステンレス製の近代的な電車が並ぶ札幌駅のホームでは場違いともいえる雰囲気。
いったい何十年のあいだ酷使されていたのだろう、くすんだ車体の表面はサビ穴を補修した跡がいくつも見受けられ、窓ガラスも変色して黄ばんでしまっている。
列車全体からくたびれた雰囲気が漂い、さながらオバケ列車(笑)。
意外にも、車内は若者やサラリーマンで混雑していたのが印象的でした。


急行「はまなす」。

調べてみると、もはや全国のJRで唯一残る「急行」扱いの列車なのだそう。
そして機関車が客車を引っ張るという昔ながらのスタイルも「北斗星」「トワイライトエクスプレス」無き今となっては非常に珍しい。
夜行列車であるため、車内は普通座席車に加え、国鉄の特急座席を再利用した「ドリームカー」、指定席料金だけで横になって乗車できる「のびのびカーペットカー」、昔ながらの「開放B寝台車」とバラエティに富んだ編成。
札幌~青森間を定期運用で結んでおり、貴重な夜間帯での運行のために利用客が多く、繁忙期には車両増結が行われ、立ち客も出る程だといいます。
よって「北斗星」や「トワイライト」の廃止報道が出る中でしぶとく残っていましたが、ついに今年3月末をもって廃止が決定。その役目を新幹線に引き継ぐ形となりました。

…そんな「急行はまなす」の活躍を見られるのも残りわずか。
じっくりと目に焼き付けておこうじゃありませんか。

午後9時50分、いよいよ札幌駅に姿を現します。



オバケ列車、堂々入場。
帰宅ラッシュが落ち着き、人も少なくなった札幌駅ホーム。そこへ「北斗星」でおなじみの凸型ディーゼル機関車を先頭に、年季の入った客車達がズラリと連なります。本日は機関車1両・客車9両でした。

貴重な「急行」の文字。

…本当は青森まで完全乗車したかったのですが、この旅で使用している「北海道フリーパス」の使用範囲外に出てしまう事になりますので、函館までで我慢します…。
なお、普通乗車券で乗る場合には「急行券」が別途必要になりますが、フリーパスの場合は不要(自由席の場合のみ)。
札幌駅発車は午後10時、函館到着は午前2時52分、青森着は午前5時39分です。参考までに。

夜行列車ならではの旅情が…。



列車が入ってきた途端、駅構内は古き良き昭和の空気に。国鉄時代の札幌駅もこんな雰囲気だったのですかね…?
失われたあの時代の記憶が、ここにある。

車両は限界を超えています…。

この車体のくすみ具合を見よ!!1970年代に製造された車両のようですので、車齢は30~40年ほどでしょうか!?
よく壊れずにここまで…(^_^;)。えらいぞJR北海道。


国鉄時代は第一線で活躍していた「14系」と呼ばれる客車ですが、もはやこの青い姿を見られるのは貴重です…。鮮やかな「はまなす」のヘッドマークが誇らしげですね。
…それにしても、北海道民は何にでも「はまなす」という名前を付けたがる気がします(笑)。

今回利用する自由席

指定席やB寝台は別料金が発生してしまうので、一番安い自由席を利用することにしました。
あれ、意外と新しい…?と思いきや、これがオリジナルに近い状態なのだそうです。
座席は薄く、リクライニングもギコギコと浅くしか出来ない…さすが古い座席だけありますね(^_^;)。これで一夜を明かすのはなかなかツラいという話ですが、果たして…?

ややグレードの高い「ドリームカー」

こちらは特急車両から流用したゆったりめのシートのおかげで快適で、自由席より高額ですが人気の車両のようです。お客さんで混雑していたので座席の写真は無し…。かわりに車両の両端についているロビーの画像を。


漂う昭和感がこれまた素敵です…。ここで缶ビール持ち込んで宴会を開く乗客も居るそうです(笑)。
塞がれた灰皿は喫煙OKだった時代の名残ですね♪

北斗星でもお馴染みだった「B寝台車」

他の車両と異なり、金色のラインが豪華感を演出。
ちょっとだけ車内に失礼します…。


こういった昔ながらの寝台に乗れるのも、既に「はまなす」だけになってしまいました…。昨年、北斗星の「B寝台ソロ」に乗車する事ができましたが、こちらの開放型も体験してみたかったですね~。いつか寝台特急「日本海」でも復活しないかしら。


寝台を撮影していると、車掌さんが切符の検札に来ました。
利用者以外は寝台への立ち入りをご遠慮頂きたいです…」と軽く注意されてしまいました…。
あらら、ごめんなさい。
でも、ちょっと待って下さい、この寝台車でぜひ見たいものがあるんです…すぐ終わりますから。
で、急いで撮影したのがコレ。


センヌキ
「フタのカドをひつかけて 
 ビンを上へこじる」!!!


僕は数年間、コレが付いている現役の車両を見るのが夢だったんです!!
やっと出会えました…。
感動っす!


次回!トラブル多発で発車できず…!?
いきなり札幌駅で足止め&自由席での一夜はツラい!

続く。
コメント (14)
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