旅に出る前のことを思い出す。
大学の帰り、「今年の夏休みはコレで稚内まで行ってくる!」と友人に打ち明けたことがある。
これ以上ないくらいに優し~い友人なのだが、その時に関してはものすごく冷めた目で自転車を見ていた(笑)。
彼のあんな顔は初めて見た。
別の日。
学校終わりに自転車置き場で愛車を探すが、どこに置いたのか忘れてしまった。
しばらく探してみても、同じようなボロいママチャリで溢れかえっていて一向に見つからない。
ようやく見つけた自分の愛車は、やはり周囲の自転車に溶け込んでいるせいなのか、やけに頼りなく見えた。
何の個性もカッコ良さも無い、ごく普通のママチャリ。
他の学生が乱暴に扱っている「ただの通学用の道具」と全く同じなのだ。
「ホントにこれで稚内まで行けるのか…?」と、僕はその場で恐怖した。
しかし、ついにやり遂げたのだ。
8月21日 午前9時34分、
稚内・宗谷岬にゴール―。
ついに来たか…。
……北緯45度31分14秒。
自宅からの累計距離:386.23キロメートル。
皆さん!海の向こうにサハリンが見えます!
4日目にしてついに辿り着いた、日本の北の果て。
岬の突端に立ってしばらくサハリンを眺めますが、これといった実感がありません。
感動して涙が出るのかと思いきや「ああ~、着いたなぁ~」ぐらいの気持ちです。
とりあえず記念撮影してもらう。
8月21日現在、最北端の気温は22.5度ですよぉ~!
ロシアまでわずか43キロ。よく来たもんだww 駐車場はカッコいいバイク乗りたちで賑やかでした。
「最北端の宿」と「最北端の食堂」
やはり観光名所なので、周囲にはお土産屋さん等が連なっています。
少し歩いたところには「日本最北のガソリンスタンド」
給油すると記念カードが貰えるそうですよ。自転車乗りには全く関係ありませんね(笑)。
なお、ガソリンスタンドの手前にある駐車場にて…まさかの光景が…。
!!!
…キミたちはどこから来たのかな!?
ごく普通の駐車場ですよ!?
あまりに堂々と居るもんだから、「ここらへんで飼われている方々か?」なんて思ってしまいました(^_^;)
道路を挟んだ向こう側の丘から下りて来たのでしょうか?
お土産屋さん「柏屋」にて記念品選びです♪
まずは「最北端到達証明書」。コレは自分の足で到達したからこそ意味がある。日付が入っているので一生の記念品になること間違いナシ。
そして小さな記念ステッカーを購入。これは札幌に帰ってから勲章としてチャリ君に貼ってあげようと思っています♪
おまけ。
「柏屋」さんの裏には、「日本最北端の珍スポット」と言っても過言ではない場所がひっそり存在しています…。
・流氷館
なぜか店の裏に小さな冷凍室。分厚いドアの中に入ると、冷凍保存されたホンモノの流氷が、動物たちの剥製とともに置かれています。
静寂に包まれた薄暗~い部屋、ビミョーなパネル展示、しかも独特の臭い…。シュールな事この上ない(笑)。
お土産屋さんのお客さんも、ここまではあまり足を延ばさないようです…。
冷凍室の前にも、味のある剥製の数々。コレが珍スポットと言われる所以ですね♪
冷凍室の中はマイナス12度ほどでした。
汗かいて自転車を漕いできたので涼んでいこう♪と思って入ったものの、さすがに寒い。そしてくさい(笑)。
…さっさと撤収(^_^;)
「日本最北端の地」のモニュメントには観光客が途切れずにやってくるので、近くにいたら100%写真を頼まれます(笑)。
落ち着かないので、少し離れた場所に座って実感を噛みしめていました。
ボーッと観光客の方を見ていると…。なにやら見たことのあるプレートを背負った青年が!
『自転車 日本一周中 大学3年』
……あぁ~!!
初日に「道の駅つるぬま」で会った人じゃん!!
あの時は挨拶をしただけで会話はしませんでしたが、彼もちょうど最北端にゴールか…?
…ココで再び会うとは奇跡に近いですよねw
これは同年代の旅人と交流できるチャンス!
思い切って話しかけてみました。
「3日前に会いましたよね!?」と切り出すと
「あぁ~…??あ~!!」と何とも言えない反応(笑)。でも一応覚えているらしいです(*^_^*)
真っ黒に日焼けした彼、東京からここまでチャリで来たらしい!
「日本一周」といっても分割で少しずつ行っているらしく、去年は東京~四国を制覇、今年は東京~宗谷岬にチャレンジしたとのこと。
一周にはまだまだ遠く、「学生の間に制覇したいんだけどね~…」と言っていました。
スゴイ目標だ。
なお、「道の駅つるぬま」~宗谷岬間は海風を恐れて、僕と異なり内陸ルートを走って来たらしい。どうりで会わなかったわけだ。
その後、近くに居た2人組のチャリダーとも交流。
なんと彼らも大学3年生。京都から2人でやって来たという!
あらゆる場所からやってきた同年代の旅人4人が、ここ日本最北の地に集結ですね♪
皆ちゃんとしたチャリ。僕のママチャリを見てそれぞれ苦笑しています(笑)。
しかも「そんなリュックひとつで来たの!?」なんて呆れられてしまいました(^_^;)
でも、なんだかそれが心地いい。
これが僕の旅スタイルだから。
東京の日焼け青年は「とりあえず新千歳空港まで戻って飛行機で帰る」と言っていました。
京都の二人は、なんと京都まで再びチャリで戻るという!
彼らの旅はまだまだ終わらないようです。
僕の旅はもう終盤に近い。
あとは稚内の街まで戻って、自転車の郵送手続きをして特急列車で帰るだけです。
4人で宗谷岬周辺をふらふらしながら、お互いの旅について語り合う。
ずっと目指してきた最北端の地では、素敵な時間が待っていました。
相棒のママチャリ君がいたからこそ、僕は今こうして北の果てに立っている。
そして。
キミは今、日本でいちばん北にいるママチャリだ!!!
次回、ついに最終回。
家に帰るまでが「札幌→稚内 ママチャリ激走400キロ」だ!
しかし…最後の最後に「壁」が立ちはだかる…。
まさかの自転車郵送不可!?
チャリ君と永遠の別れの危機!!
続く。
普段使いのママチャリでの宗谷岬までの道のりを走破という企画を達成したホルマリンさんの体力と根性に拍手です。
この思い出はいくつになっても忘れられない貴重な体験になりましたね。
そして、道中にあった人との再びの再開。なんともドラマチック。そして、目的を達成しあったお互いの喜び。
青春ですね~おじさんはちょっと羨ましいです。
そして、やはりいましたか鹿(笑)
たくましいヤツらですね。
ますね。普通の人だったら(失礼汗^^;)考えもしない
ですから。辞書に載る無謀の言葉をコテンパに打ちのめし
たと。ほんと~に若いってすばらしい!~♪と改めて感じ
入っていますよ。岬に立つママチャリがなんとも誇らし気
でして。否その価値は十二分にありますね。(^^)
ありがとうございます。不安でいっぱいでしたが何とかゴールです。
周囲の人に自慢できる事柄がやっと一つ生まれました(笑)。
今回の旅では「他の旅人と交流する」というのを楽しみにしていたので、最後の最後で本当に良い思い出が出来ました。
そして、まさかこの場所でエゾシカを見られるとは思いませんでした。
再開した大学生の旅人も、宗谷岬に着くまでにずいぶん見たと言っていましたね…。
確かに「普通の人」ならまずチャレンジはしないでしょうね…友人に話しても必ず「頭おかしい」と言われますから(^_^;)
でも、自分が満足できればそれで良いですよね♪ブログ記事としてインパクトもありますし(笑)。
今回の旅では、自分でも体力の多さに驚きました。
学生の間にこんな壮大なチャレンジを達成することが出来て、本当によかったと思っています。
有意義な夏休みでした…。