百人一首拾穂抄 寂蓮法師
寂蓮法師 俗名定長 中務少輔 從五位下 俊成卿猶子。實俊成弟醍醐俊海阿闍梨乃子也。 御抄云、明月記云建仁二年七月廿日午時計參上左中 ...
明月記 建仁二年七月廿日 寂蓮逝去
明月記建仁二年七月廿日。天晴る。午の時許りに參上す。左中弁の云ふ、少輔入道逝去の由、其の子天王寺の院主、内府に申すと云々。未だ聞き及ばざるかと。これを聞きて即ち退去す。已に軽服の身...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都1 都と定まりにけるより
都とさだまりにけるより後すでに数百 歳をへたり。ことなくてたやすくあらたま るべくもあらねば、これを世の人たやすからず 愁あへる様ことはりにも過たり。されどとかく いふ...
鴨長明方丈記之抄 治承の辻風2 かの地獄の業の風なりとも
聞えず。地獄の業風なりともかくこそ はとぞ覚えける家の損亡するのみな らず、これをとりつくろふ間に身をそこな ひかたはつけるものかすをしらず。此風ひ つじさるのかた...
鴨長明方丈記之抄 治承の辻風1 吹きまくる間に
吹まくる間に其中に籠れる家共 大なるもちいさきも一としてやぶれざるは なし。さながらひらにたふれたるもあり けたはしらばかり残れるも有。又門の上 を吹はなちて...
百人一首拾穂抄 藤原清輔 蔵書
藤原清輔朝臣 左京大夫顕輔子。母能登守能遠女。太皇大后宮大進。正 四位下長門守。奥儀抄、和哥初学抄、袋草子等述作の物也。 續詞花集、此人...
歌論 無名抄 清輔宏才事
清輔弘才事 勝命云清輔朝臣哥のかたの弘才はかたならぶ人 なし。いまだよもみおよばれじとおぼゆることをわざい とかまへてもとめいでゝたづぬればみなもとより...
鴨長明方丈記之抄 安元の大火3 幾十許ぞ
いくそばくぞ此たび公卿の家十六焼たり。 まして其外はかずしらず。すべて都のうち 三分が一に及べりとぞ男女死ぬるもの 数千人馬牛の類ひ邉際をしらず。 人のいとなみみな...
鴨長明方丈記之抄 安元の大火2 広ろげたる如く末広に成ぬ。
ろげたるごとくすゑひろに成ぬとをき 家は煙にむせび、ちかきあたりは一向ほの ほを地に吹つけたり空には灰を吹たて たれば火の光に映じてあまねく紅なる中 に風に絶えず...
歌論 無名抄 範兼家会優事
範兼家會優ナル事 俊恵云和哥會のありさまのげに/"\しくいふに おほえし事はつぎのところにとりてはちかくは 範兼卿の家の會のやうなることはなし。亭主...