みなさん、こんにちは!
今回は前回に引き続きALEX(Pierre LEMAITRE著)から
二つの物を比べて「より~な方」と言う時に使える表現をご紹介します。
現場に残された手掛かりを拾い集めていた二人の捜査官に、
Camilleが近づいていくシーンより~
One of the officers, the taller of the two, looks up.
今回の表現はこの黄色で色づけした部分です。
まずは全文を訳してみます♪
「二人の捜査員のうち、
背が高いほうが顔をあげた。」
(手掛かりを拾っていたので下を向いていたのでしょうね)
比較の表現をする時、
原則として「より~な」という時(比較級を使う時)には
the は付けません。
でもこの表現のように、二つを比べて「より~なほう」と言う時には
比較級にthe が付けられます。
この文法はTOEICテストの文法問題でもたまに狙われているのを見かけます。
テストに出る、出ない関係なしにしても
知っていたら、会話の表現に幅が広がります。
※会話では二つ比べていても物理的にはその2つの中では
そちらのほうが「一番~だ」ということで
the の後に最小級(例の英文でいうとthe tallest)が
使われることもあるそうですが、それは変化球ですので
原則はthe 比較級 of the twoです。
少し活用してみます♪
The larger of the two companies got the contract.
(二つの会社のうち大きいほうが、その契約(the contract)を勝ち取った(got))
His car was the more expensive of the two.
(彼の車は二つの(車の)うち、より高価なほうでした。)
She chose the smaller of the two rooms.
(彼女は二つの部屋のうち、小さいほうを選んだ)
Her bag was the heavier of the two.
(彼女のカバンは二つの(カバンの)うち、より重たいほうでした。)
などなど、色々応用できます。
さて、前回はブログを更新した時、少し急いでいましたので、
引用元であるALEXについて触れられませんでしたが、
この本、ALEXは、2015年度このミステリーがすごい!の海外編
(翻訳本:タイトルは【その女、アレックス】)の大賞に輝いた本です。
英語力を少しでもアップさせるために、とにかく沢山洋書を読む!と
色々な本をひたすら読む中で、殺人事件も数多く読んできたためか、
最近は無駄に血が流れるシーンが多すぎたり、
女性が酷い目にあいすぎる本はあまり読みたくないなぁと
その系統の話からは少し離れて、
新たにその魅力にハマっている児童書の読書に傾いていたのですが、
この春に、ある生徒さんから、新聞に載っていた書評を読んで、
この本(アレックス)の英語版をもし可能なら是非レッスンで取り組みたいと
リクエストがあり、それがきっかけとなり、久しぶりに読んだミステリー本です。
突然ですが、
レッスンで取り組む洋書を決める時に、
私が個人的に設けている基準が大きく分けて3つほどあります。
1つ目は、
使える表現として紹介できる文章が沢山入っていること。
そして、汚い言葉が使われている率が低いこと。
2つ目は、
非人道的なシーンが多すぎる作品ではないこと。
そして、3つ目は、
実はこれが私にとって密かに一番重要なポイントなのですが、
その本が何度読んでも楽しめる(味が出る)本であること。
ALEXは、ミステリーの大賞にも選ばれている作品ですが、
ちょ~っとちょっと、殺人のシーンやその他のシーンが濃すぎて、
2つ目のポイントがクリアできず、
そして、3番目のポイントも微妙な線でしたので、
残念ながらクラスでは使用することはできないなぁと
思いながら、それでも、1番目の使える表現、
それがとても沢山あったので、
リクエストしてくださった生徒さんと相談して
第一部だけ特別に内容を復習プリントを付けて
あとは表現だけ一緒に勉強するという形で
今少しずつ取り組んでいます。
犯罪のシーンを読んでいて、
どうしてこれが大賞に選ばれたのだろう?(><;)
私には文学を見る目がないのかな??と心配に思いながら、
プリント作りするために読み返して、
改めて見てみると、主人公ALEXや、ダブル主人公(?)のCamilleの
心情描写の部分は、とても奥深く、確かにそうよね、、と共感するところも。
翻訳部門で大賞だから、日本語だったらもっと面白く書かれているのだろうか?と
時より気になりながら、まだまだ他に沢山読みたい英語の本があるので
せっせとまた洋書読書に励みます。