昨日に続き越川禮子先生の「江戸しぐさ」を紹介します。
江戸っ子は、秩序よく生きる源を生活の中に伝えてきたんですね。
「う~ん、納得です」
江戸っ子の条件では、江戸っ子というのは具体的にどういう人を指すのでしょう。
まず「相手を仏の化身として考えられる人」。
仏の前では人間、みな平等であることです。誰をも仏の化身と見て、平等につきあえるかどうか
が、江戸っ子の第一条件でした。
第二条件は「時泥棒をしない」ことです。ほかのものなら何か借りても後から返せばいいわけです
が、時間だけは返せません。そこで「時泥棒は弁済不能の十両の罪」といわれていました。
江戸は町方の約80%が何らかの商いに従事ていましたので、多用な人が多く、時間をとても大切
にしていたのです。
第三の条件は、初対面の人に「年齢」「出身地」「身分」を聞かないという「三説の教え」です。
事前に情報が入ると、色眼鏡でその人を見てしまいます。その人の素顔、本当の人間というのが洞
察できません。
名前や肩書きにこだわってしまいますと、お客様を洞察する力がなくなる、というよりも、普段か
ら人を見る目を養っているからこそ、肩書きなど見なくてもちゃんと見抜けるとういうのが江戸っ
子なのです。
江戸っ子の条件の最後は「遊び心」があるということです。遊び心とは知恵比べ、技比べです。
たとえば人を評価するのに見た目だけで判断はしません。生まれつきのものでなく,機転が利くと
か人に親切だとか、生まれてから自分の努力で技を磨いた人を評価します。
ソフトを重視するのが、江戸っ子の特徴です。
江戸しぐさは罰則規定のある法律でもなければ、誰もが守らなくてはいけない教えでもありませ
ん。
「仏の化身」だの「十両の罪」だのつまずいてしまうような言葉が出てきましたが、すべてユーモ
アのある比喩です。
最近はたとえ話が通じないことが多いので、つい野暮な注釈をいたしました。
「江戸しぐさ」より
続く
江戸っ子は、秩序よく生きる源を生活の中に伝えてきたんですね。
「う~ん、納得です」
江戸っ子の条件では、江戸っ子というのは具体的にどういう人を指すのでしょう。
まず「相手を仏の化身として考えられる人」。
仏の前では人間、みな平等であることです。誰をも仏の化身と見て、平等につきあえるかどうか
が、江戸っ子の第一条件でした。
第二条件は「時泥棒をしない」ことです。ほかのものなら何か借りても後から返せばいいわけです
が、時間だけは返せません。そこで「時泥棒は弁済不能の十両の罪」といわれていました。
江戸は町方の約80%が何らかの商いに従事ていましたので、多用な人が多く、時間をとても大切
にしていたのです。
第三の条件は、初対面の人に「年齢」「出身地」「身分」を聞かないという「三説の教え」です。
事前に情報が入ると、色眼鏡でその人を見てしまいます。その人の素顔、本当の人間というのが洞
察できません。
名前や肩書きにこだわってしまいますと、お客様を洞察する力がなくなる、というよりも、普段か
ら人を見る目を養っているからこそ、肩書きなど見なくてもちゃんと見抜けるとういうのが江戸っ
子なのです。
江戸っ子の条件の最後は「遊び心」があるということです。遊び心とは知恵比べ、技比べです。
たとえば人を評価するのに見た目だけで判断はしません。生まれつきのものでなく,機転が利くと
か人に親切だとか、生まれてから自分の努力で技を磨いた人を評価します。
ソフトを重視するのが、江戸っ子の特徴です。
江戸しぐさは罰則規定のある法律でもなければ、誰もが守らなくてはいけない教えでもありませ
ん。
「仏の化身」だの「十両の罪」だのつまずいてしまうような言葉が出てきましたが、すべてユーモ
アのある比喩です。
最近はたとえ話が通じないことが多いので、つい野暮な注釈をいたしました。
「江戸しぐさ」より
続く