■■■■■■■■■■和魂洋才の知恵■■■■■■■■■■
特に戦後の日本が、2度の夏季オリンピック開催の機会に恵まれたの
は、世界的に見て稀有な事と言える。
過去に夏季オリンピックを2度以上開催した都市(国)は, 世界で僅か
5都市しかない。その全てが 伝統的な大都市ばかりである。
●因みに戦後76年間、戦争をしなかった国は、世界193国の中で8ケ国
しかない。アジアでは日本とブータンだけである。
2度のオリンピックの開催、そして戦争と無縁の国、まさに世界に誇る
「スポーツと平和の国」と言っていい。
●「戦後 夏季オリンピックを2度以上開催中での世界都市」
・東京 (1964年)(2021年)
・アテネ (1896年) (2004年)
・パリ (1900年) (1948年) (2912年)
・ロンドン (1908年) (1948年)(2012年)
・ロスアンゼルス(1932年) (1984年)
●「戦後世界で戦争をしなかった名誉ある8ヶ国」
(国名) (地域) (総人口)千人
・日本 アジア 127,202
・ブータン アジア 754
・フィンランド 北欧 5,523
‣スェ-デン 北欧 9,972
・ノールウェー 北欧 5,338
・デンマーク 北欧 5,752
●私は前回の東京オリンピックの事を、今も如実に覚えている。
1964年というと、戦後19年、日本はようやく敗戦から立ち上がり、
戦後の復興を経てカメラやトランジスタラジオなど独創的な商品
で世界市場への進出を果たしかけた時だった。
私事で恐縮だが、当時31歳の若いサラリーマンだった私は、月に
2回ほど仕事で片道約6時間半の東京主張をこなしていた。折しも
1964年東京オリンピック開催に合わせて 東京新幹線が開通した。
特急「こだま」は最高速度210キロ、4時間半で大阪東京を結んだ。
まさに夢の超特急だった。お陰で日帰り出張も可能になった。あの
当時のサラリーマンはよく働いたものだ。土曜日はどの会社も半ド
ンが常だったが、終日勤務が多かったように記憶する。
●さて余談はさておき、この前のオリンピックの成功で日本のスポ
ーツの風潮は大きく変わった。私の年代は小学、中学の頃が戦争中
だったため、スポーツとは全く無縁で育った。いわゆる典型的な
「スポーツ出遅れ世代、スポーツ劣等世代」と言っていい。
だから予想だにしなかった1964年東京オリンピックの開催と、その
華麗な成果は、私どもスポーツ出遅れ世代にスポーツの素晴らしさ
を衝撃的に教えてくれた。
瞬く間に、この世代が「見るスポーツ」に傾斜する事になる.
●俗にスポーツには「するスポーツ」と「見るスポーツ」がある。
戦後の日本では、戦後生まれの団塊の世代(現在約76歳)を境に、
殆どの人々が、何らかの形で「するスポーツ」を実体験するように
なった。
国も企業も家庭も豊かになり、人々の健康志向のために手段として、
国がスポーツを推奨したことが、スポーツの振興に寄与したと言わ
れる。こうして開花したのがスポーツビジネスである。
●「見るスポーツ」では、サッカーやプロ野球の様に魅力あるチーム
が全国に展開する典型的なスポーツビジネスの形態が造成された。
そして観戦して応援する楽しみや、ファンの交流など、幅広いフアン
層を形成していった。自由に観戦できるテレビネットワークの出現も
おおきい。加えてサッカーや野球など海外の超ド級の大物選手の来日
で、スポーツの市場は限りなく拡大した。
●「世界における主なスポーツ競技の市場占拠率」
出典:AT Kearney「Winning in the Business of Sports」
●経済が発展するにつれ新しい市場が形成されると、消費者が生活者
に代わり、企業の目線もユーザー志向に大きく変わって行った。
そして生活者ニーズを先取りして、夢を育む商品開発が先行した。
流行もトレンドに変わり、生活者と企業が提携し、それにメディアが
相乗して、夢ある付加価値商品を市場に送り出して行った。
それをメジャースポーツが大きく牽引した。世界のサッカーやテニス
のトッププレィヤーのロゴをつけたスポーツウエアが、爆発的に売れ
た。それに関連して米国から導入された新しいマーケティング戦略が
ナイキ、アディダス、プーマなどスポーツブランドを、瞬く間に市場
の勇者に仕立て上げ、一世を風靡した。
一
●一方「するスポーツ」では、野球はもとよりサッカー、ラグビー、
ゴルフなど アマチュアの少年育成分野から 中、高、大学、そして
社会人まで、プロの領域では 日本は世界の中でも先進の部類に位置
すると言われる。
中でも、少青年期の精神的な育成を意図した学生スポーツの振興は、
社会教育の一環として極めて大きな役割を果たしてきた。
政府は2013年の東京オリンピック開催決定を契機に2015年スポーツ庁
を創設、日本再興戦略の中で2025年までにスポーツ市場規模を15兆円
に拡大する事を決めた。
そして名目GDP600兆円を目指す鍵として ,スポーツが持つ経済的な
価値に着目し スポーツを成長産業に大きく転換させる政策を本格的に
始動させた。それでも欧米先進国に比べ、まだ遅れているというが、
今後の開花が待たれる。
目前に東京オリンピックを控え、コロナパンデミックが目に余る。
来る3月から始まる日本でのワクチン投与に期待をかけたい。
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