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■■■■■■■■■■■■■■■■晩秋の地政学■■■■■■■■■■■■■■■■
「生涯の影ある秋の天地かな」長谷川かな女
●晩秋の趣である。東北では、ちらほら初雪の積雪情報がある。冬は駆け
足で近ずきつつある。コロナウィルスの再発が危惧される。
いま米国では大統領選挙がたけなわ。結果は、郵便票などを集計しないと、
確かなことは解らないという。と同時に、いささか劣勢のトランプ陣営が
指摘する、特定州の投票集計ミスである。
デジタル最先端の国と思いきや、国勢選挙の集計にさまざまな盲点が潜む
とは、考えても見なかった現実がある。意外や意外である。
●因みに米国の国土面積は日本の25倍、人口は約2,5倍、何しろ途轍もな
く広く東西南北にまたがる。例えば西海岸のカルホニア州は、日本全土の
1,1倍あるし、テキサス州に至っては、日本の約2倍の広さである。
東のニューヨークから、西海岸のサンフランシスコまで、飛行機で6時間半
かかる。丁度、大阪からタイのバンコクと同じフライト時間なのだ。
しかも、ほぼ小国に等しい面積の州が、50もある。考えただけでも、驚く
ほどのどでかい国である。このように考えると、米国の大統領選挙の集計
模様の難しさが、なんとなく判ってくる。
同時にモノを見る視野の違い、感覚の差を意識せざるを得ないだろうし、
また外交やビジネスなどでのお付き合いに際しても、視野の違いから来る
ギャップ(気おくれ)を気にせざるを得ない事がよくわかる。
去る約80年まえの事、さまざまな事情があったとはいえ、この小国日本
が25倍もある米国を相手に真正面から戦を挑み、4年間の長きにわたり
戦い続けたという事は、野放図というか、いい加減というか、無茶という
か、いまにして想えば、今後決してあってはならない事ではあるが、極小
と極大の戦い、凄い事のようにも思えてならない。
■「地政学の核心」
●最近あらゆる分野で「地政学」が叫ばれて久しい。特に国際社会の不確
実性への視座としての地政学的なリスクが、叫ばれるケースが増えてきた。
地政学の必要性を提唱したのは、外務省出身の行動派作家の佐藤優さんだ。
国際社会では常識にも拘わらず、戦後の日本人だけが知らない地政学につ
いて、常に警鐘を鳴らし続けて来た。経済の相克も、領土の争いも、全て
地政学的見地でみると、その争点の核心が見えて来るという。
特に最近特に目にするのが、「地政学的リスク」という言葉である。特定
の地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりが地理的な位置関
係によって特別のリスク(テロなど)を呼ぶことを言う。例えば 北朝鮮とか、
中東シリアなどがある。
その地政学には 歴史、政治、地理、経済、軍事、文化、文明、宗教、哲学
など、広範な知識と研究の裏ずけが求められるという。
話を戻すと、太平洋戦争の愚も、日本の地政学的見地から見た戦略の不備
の結果と言えるだろうし、日本人が見る米国の大統領選挙の理解も地政学
的に見れば、所感もまた違ってくるはずだ。
例えば、80年前の日本の軍部に地政学的な見方があれば、太平洋戦争と
いう負け戦を事前に予測して、戦争とは別の方策を見出せたはずだ。
●試みに 手元にある地政学を主題にした最近の経済誌の項目タイトルを
羅列してみた。
「日本人が知らない地政学」(東洋経済、2018年3月3日号)
「タイに浸透する中国の一帯一路」
・中国が日本企業の牙城を崩す。高速鉄道が試金石に。
・中国マネー引き込む高速鉄道の計画
・タイ政府も今後は中国企業重視に傾く。
・中国の一帯一路の内幕
・あいまい戦略が奏功、じわりと陣地広げる。
・北朝鮮をきっかけに米中戦争は起きうる(ハーバード大学グレアム教授)
・中国海軍、太平洋への野望。
・南シナ海で既成事実化、外洋艦隊への転換図る。
・解放軍でも,習体制が強化される。
・南シナ海でのつかの間の平穏。〉「トランプ政権の国際戦略とは」
・軍事力重視で外交軽視、世界観やビジョンは不明。
・外交安全保障は元軍高官が仕切る。
・核の使用も辞さず、国務省はマヒ状態。
●「混乱は大真空地帯にあり」(宮家邦彦氏)
・力関係の相互作用を見極めるのが地政学。
・米国による北朝鮮への先制攻撃はありうるか。
・情勢は北朝鮮ペース、王朝時代に逆戻り。
・ロシアが抱えるコンプレックス。
・地政学は戦略的な仮説を創る手段だ。
・米国の力が弱くなり、減圧される中東地域。
・米中の覇権争い、一帯一路には懐疑的。
●「地政学の本質は,地理を見極めること」(作家、佐藤優氏)
・イデオロギーのパラダイム転換。
・ロシアが地政学に注目した理由。
・マルクス主義に地政学を取り入れたロシア
・山だから問題解決が難しい。
●「お勧めしたい地政学の本」
・「現代の地政学」 晶文社刊 佐藤優著 1500円
・「地政学の逆襲」覇権の世界地図、 朝日新聞出版刊
ロバートDカプラン著 桜井裕子訳 2800円
・「東洋経済」2018年11月3日号「地政学、世界史」710円
■「日本の地政学」
●結論から言えば地政学は、視野を大きく巨視的に見る事、しかも物理的
に見るのではなく心象的に理解して紐解くと本質がよく見えて、結論も変
わって来るという事の様だ。
言われてみれば、戦後というよりもスマホ時代、デジタル時代を経験して
日本人も確かに視野が広がってきたと思うふしがある。今後、物事を巨視
的に地政学的に見る能力が高まれば、まだまだ世界的に飛躍できる機会は
増えると確信したい。
●「2050年、中国とインドが世界の覇権を握る」ゴールドマンサックス
⚫️最後に世界的な経済学者、国立シンカポール公共政策大学院・院長の
キショール・マブマニ教授の貴重な提言ご紹介したい。
「地政学から見た日本の前途への提言」
「日本は地政学上、抜本的な誤りを続げてきた。今もまだ続けている。
実は、日本は基本的な誤りを一つだけ直せばいい。それさえうまくいけば
地政学的な日本の前途は極めて明るい。日本は19世紀来の判断を21世紀ま
で捨てきれずにいる。
福沢諭吉の明察に従うと正しい選択、即ち今こそ欧米追随を捨てて、再び
アジアに回帰すべきである。
実は西暦1年から1820年まで、世界の2大経済大国は、ずーと中国と印度だ
った。あのゴールドマンサックスの予測でも、2050年には、中国と印度が
再び世界の2大経済大国に帰り咲くと予測している。」
実に蘊蓄に富んだ貴重な提言ではある。果たして今後の日本の外交方針は
どうなるのか。心して見守りたい。
■「霜月11月の歳時記」
●季句 秋深き隣は何をする人ぞ 芭蕉
●時候 冬ざれ 立冬 小雪 冬めく 冬浅し 小春 秋分 白露 寒露
●祭事 文化の日(3日) 勤労感謝の日(23日)
明治神宮祭(3日) 尻摘祭(10日伊豆音無神社)
新農祭(23日大阪)
●風物 冬の灯、麦撒き、柴漬、寝酒、葛湯、竹馬、
●味覚 湯豆腐、焼鳥、雑炊、牡蠣料理、蒸飯、芋粥、ちり鍋、
●花木 早梅、冬桜、冬薔薇、冬椿、山茶花、蜜柑、枯葦
●野菜 冬菜、白菜、葱、大根、人参、鏑、茎菜、
●挨拶 晩秋の候、 向寒の砌、 暮秋の候、
■「日本 内外の行事」(霜月)
1日 顔見世
3日 文化の日
3日 米国大統領選挙
5日 津波防災の日
7日 立冬
8日 栃木県知事任期満了
9日 ベルリンの壁崩壊から31年
9日 第26回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP26)英国グラスゴー
11日 岡山県知事任期満了
11日 ASEASN首脳会議、東アジアサミット(ベトナム)
12日 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議マレーシア
14日 大嘗祭(新天皇が五穀豊穣と国民の安寧を祈る)
15日 七五三
21日 G20首脳会議、リヤド
22日 小雪
23日 勤労感謝の日
30日 秋篠宮55歳誕生日
月内 紅葉狩り、暖房器具の用意、インフルエンザの予防接種
■「タイの主な行事」
18日 スリン象祭 18~19日
22日 ロイクラトン祭(灯篭流し)
24日 クワイ河橋祭(カンチャナブリ県)24~12月7日
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