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■■■■■■■■■■「捨てる文化」■■■■■■■■■
■「忘却の整理学」
●ある日,一計を立て自室(書斎)と 小さな倉庫の大整理を行う事にし
た。私が敬愛する外山滋比古さんの「忘却の整理学」筑摩書房)を読
んで,つとに啓発されたからだ。
著書には「現代人は,物の持ちすぎ」人の欲望には際限がないとある。
しかも一度手にした物は,手放さないという習性がある。ものが増え
て当然の帰結だという。
● ここで必要なのは「見切る図太さ」。まず 余計なものを剥がす。
いわゆるそれが,正統の「断、捨、離」だという。
それをする事によってシンプルな暮らしに変わる。禅的にいえば、
「持たない暮らし」が、一挙に実現するという。
改めて、実践的な「断捨離」に触れるとすると、―――
・断=入ってくるもの、要らない物を、断固絶つ。
・捨=家や部屋にずっとある,要らない物を、思い切って捨てる。
・離=物への執着から離れる。
まず「不要な」モノを断つ。
そして捨てる事で,モノへの執着から解放されて身軽で 快適な人生を
手に入れようという考え方が生まれてくるという。
この「断、捨、離」は、ヨガの教えの、---
・「断行(だんぎょう)」
・「捨行(しゃぎょう)」
・「離行(りぎょう)」
という3つの教えを応用したもので,単なる整理や片ずけとは,一線を
画す雄大な思想である。
いま盛んなLIFE SIFT人生百年戦略でも、人生全ての見直しを含めて
断捨離が推奨される。
●かの老子は「知足」(足ることを知るものは富めり)と既に自分は
十分持っていると、認識する者こそ豊かであると諭す。
そして「持たざる者の幸福こそが,老荘の根本精神だ」と説いている。
なんとも、奥深い無為自然の哲学的思想なのである。
身辺を綺麗に整理整頓する事によって,奥深い哲学思想に少しでも近
ずける事が出来るとすれば、なんと素晴らしい事か。
確かに整然と美しく整頓された生活環境は,住まう人の心に安寧をも
たらしてくれる。百歳時代を迎えてシニアの余後は思いのほか長い、
だからこそ 高等遊民らしくお洒落で快適な人生を過ごしていただき
たい。
■「どうする断捨離」
●どうする、断捨離1)「机周辺」
まず机周辺。雑誌,新聞,本などが山積みされている。新聞は読んだ
後に必要な部分をスクラップし,その都度捨てる。
毎月経費の領収書類はファイルに保存し, 1年後にシュレッダーに
かけて捨てる。
年金や社会保険,税金,医療,健康診断,証券や貯蓄,団体や管理組合等
の書類は,個別ファイルを作り所定の場所に保存する。
●どうする、断捨離2)「クローゼット」(衣装)
衣装ダンスには、着ない古い背広などが、ところ狭しと集積する。
何はさておき、着ないものは捨てる。思い切って捨てる。
日本には春と秋に「衣替え」という習慣があるので、その機会に
徹底して、断捨離を行う。
●どうする、断捨離3)「自分自身」
いま日本の4人に1人が高齢者、その4人に1人がお一人様である。
いま高齢者のおひとり様が、増え続けている。
巣ごもりが続くいい機会なので、自分自身の「親族連絡表」とか
「もしものお役く立ノート」を作り、いざに備えておくのも、
高等遊民として素晴らしい試みだと思うがどうだろう。
●要するに、暮らしの知恵としての「シニアの断捨離」は、
・1)まず整理する。
・2)思い切って捨てる。
・3)お洒落に飾る。清潔にする。
という事に尽きる。
●「断捨離のキーワード」
・生活の知恵。暮らしの知恵。
・清潔。リニューアル、
・始末する。身辺整理。整理整頓。
・賞味期限を見る。
・メルカルという手もある。
●「シニアの断捨離」
身近にありながら以外に活用されていないのが,地域の行政サービス
だ。特に高齢者の断捨離には,次のような行政機関の活用が望まれる。
・寝具の洗浄乾燥。
・ゴミの個別収集サービス。
・火災予防器具の給付。
・訪問理美容。
・安否確認サービス。
・徘徊高齢者の探索など。
最近一人暮らし高齢者世帯向けの支援サービスに、格別注力する
地方行政機関が増えている。ぜひ住まいの行政機関に確認いただ
きたいと思う。
■「パレートの法則」
市場経済の大事な法則に「20:80の法則」別名「パレートの法則」
がある。これは、人間社会のあらゆる数値が20:80の結果で成り立
っている事を表している。すなわち世の中では,価値や富が平等に配
分されている事例は少なく,少数が多数に影響を与えるというもので
ある。その法則に従うと私どもの生活の場では、あらゆる物の
「20%がストック」(基本物)
「80%がフロー」 (付属物)
に区分され,仕分けられているという事になる。
この原理によると,まず80%のフローの(付属物)から整理すると、
比較的楽に断捨離が進むと言われる所以である。
■「女性誌の断捨離」
●最近の女性誌にも時代の流れを反映して「捨てる」の記事が 主流
を占める。その記事に曰く。
・手持ちの服を半分に減らせば、あなたのお洒落度は3割上がる。
・自分を美しく見せてくれる服だけ残し、あとは捨てる。
・衣替えで,服と人生を見直す。
・服も恋人も、捨てたら決して振り返らない。
・元を取ろうなどと考えず、授業料と思い,ずばり諦める。
女性誌の言う「断捨離」指南は,ずばり女性への 人生指南そのもの
である。そして無駄なものをいさぎよく捨て去る女性こそ,かっこよ
く美しい女性である事が語りつくされている。
俗論ながら,だからこそ世の男性の方々にもカッコよく頑張って欲し
いと思う。いま余りにも豊饒過ぎる世の中にあって 全ての断捨離の
話は,たれにとっても有効な話ではあるまいか。
■「断捨離と運気」
🔵断捨離と整理整頓はイコールする。店内のかたずけをして綺麗に
したら,とたんに顧客が増え,売り上げが伸びたという。よく聞く話だ。
運気としか言いようがない。こんな素晴らしい事を やらない手はない。
人生の運気は、待つだけではやってこない。こちらから「きっかけ」
を作り、どんどん積極的に仕掛けていく事で手にする事が出来る。
「思考の生理学」の著者,外山滋比古教授は、人は、年齢に関係なく
知的活動(未知への挑戦)を止めると退化(老化)すると言う。
本日の課題の断捨離は,いらない物(古いモノやコト)を捨てて,新し
い物(時代のモノやコト)を取り込む事で,革新的な進化に繋がると
理解したい。
🔵日本の高齢者(参考資料)
(出典:ニッセイ基礎研究所)
●何時しか「断捨離の奥義」に,行き着いたようである。
皆さんの断捨離のご成功と,ご発展をお祈りしたい。
(参考文献)
「知的生産の技術」梅棹忠夫著 岩波書店
「忘却の整理学」外山滋比古著 筑摩書房
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■「タイ式の断捨離」
●日本の場合だと,民間であれ官公庁であれ,幹部の人事移動に際して
は,担当部門の「業務引継ぎ書」を作成し,担当部長が代わる事で業務
が中断しないようにするのが常識である。
ところがタイでは引継ぎをしない。タイ政府の場合は,総領事や各省
庁の所長が代わると,部門のオフィスレイアウトや, ホームページが
全く新しく変わる。そして継続中の話は,新規一転一から 新所長の考
えで出直す事になる。
考え様では前任より若い後任者が,新しい知恵を持ち込む事によって、
前任者の業務方式を根底より払拭するという効果は,確かにあるかも
しれない。
●因みにタイ政府,特に商務省や観光庁の本庁は,6割以上が女性であ
る。特に局長や部長クラスの要職の大半は女性が占める。まさしく
先進の女性上位社会である。
「業務引継ぎなし,新規一転 1からチャレンジ」以外にもこれが効果
的なタイ式の断捨離だったのかと,改めて敬服している次第。
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