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天の羽衣

 私のFacebookにGUCCIのCMビデオがよく流れてくる。最初は気にも留めなかったが、何度か出会うため思わずクリックしてしまったら、次の短歌を満島ひかりが読み上げるのを聞いた。



 「竹取物語」で、かぐや姫が月に帰る時に残した歌だが、なんだか妙に心に残った。

 「天の羽衣」を着ると地球上であったことの記憶がすべてなくなるとのことだが、これってひょっとしたら人が死ぬってことのメタファーなのではないだろうか。記憶がなくなって月からの使者ともに天に上って行くというのは、まさしく「昇天」、黄泉の国からの使者とともに死の世界へと旅立つことではないか。とすれば、人は死ぬ時誰もが「天の羽衣」を着るということになる。もちろん、生き続ける者たちには「天の羽衣」は見えないのだが・・。

 己の死を悟った時、この歌を口ずさむことができたらちょっとばかりカッコいいなと思う。最後の力を振り絞ってなんとか最後まで歌って死ねたら満足な気がする。でも、私が今際の際に立ったら、鶏ガラを口の中に入れてやると妻は言うので、私はどんなに瀕死の状態でも絶対に満腔の力を込めて吐き出してやる!と答えるのを常としているので、この歌を口ずさむ暇などないのかもしれない。
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