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面会

 火曜日にFacebookに書いた記事。

『娘と孫娘を連れて、私の父親が入居している施設へ面会に行った。
コロナで自由に会うことができなくなって以来、数回しか顔を見ていないが、半年ぶりに会った印象は以前とそんなに変わった感じはなかった。
でも、顔を見てすぐに「お久しぶり。誰かわかる?」と社交辞令的にきいてみたところ、私の顔をじっと見て「分からんなあ」と言われたのを聞いて、ちょっと悲しくなった。半年前までは他の家族はダメでも、私の顔だけは認識できていたのに、とうとう私まで分からなくなったのか・・。
もちろん、妻、私の娘と孫のことなど全く分からず、少々すまなさそうに「全然分からん」と繰り返すのみ。仕方ない。
さすがに90才を超えるとこの世のことなど何も気にしていないみたいに妙に恬淡とした雰囲気を漂わせるから、話していてちょっと羨ましくもなった。
お土産に持って行った饅頭を2つ食べて15分くらい取り止めもないことを話した後、さよならをしたが、最後はひ孫に車椅子を押してもらって、エレベーターまで連れて行ってもらった。
「死ぬまで頑張って生きてね」
と最後に妻が父にかけた言葉がなんだか妙に胸に響いた。』



 父は、ひ孫に車椅子を押してもらったことなどすぐに忘れてしまうだろうが、私には奇跡的な出来事のように思えて、死ぬまで忘れないだろう。(認知症にならない限り)
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