毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
「黄色い家」
川上未映子「黄色い家」を読んだ。
どういうきっかけでこの本を読み始めたのか忘れてしまったが、なかなか辛い話で一気に読み進めることができず、読了するのに時間がかかってしまった。
時間がかかったのは、社会の下層に蠢く人たちがどうやって日々を生きているのか、普段の私が考えたこともない社会が描かれているため、よくこんな風に生きていられるなと高飛車なことを思ったり、今までこういう感じの人たちに接することなく生きてこられたのはよかったと思ったり、やっぱりこんな生き方は辛いよなとページを繰る気が萎えたりしたからだ。
ブレーキングダウンを見ていると、なんだか異世界をのぞいたような気がするものだが、それに近いものをこの小説を読みながら感じた。もちろん、20歳前後の女の子・花の回想として話が進んでいくのだから、暴力的な場面はないのだが、登場人物が皆世の中のいわゆる「ふつー」からは外れた人ばかりなので、アウトローの世界に近い感じがしたのかもしれない。
とは言え、やはり少女と呼ぶべき年頃の主人公が世の流れに押しつぶされそうになりながらも何とか踏ん張っていく姿には、「何て健気な子んだろう」という言葉しか浮かんでこない。確かに一人で頑張り過ぎてうざったい気もするが、自分が共に暮らすようになった人たちの生活を一身に引き受けて、その重圧に必死で耐えながら何とか這いつくばって生きていく花は健気だ。そんなに肩肘張らなくても、と思わないでもなかったが、次第しだいに追い詰められていくその姿は、作者・川上未映子の筆致の精緻さによるものだろうが、読んでいてハラハラせずにはいられなかった。「もう頑張らなくていいよ」と声をかけたくなるような主人公の小説は久しぶりに読んだ気がする。(そんな眼差しを注ぐことのできるようになった私自身にも驚いたが・・)
600ページに及ぶ長編小説だが、冗長さは全くなく、なかなかの傑作だと思った。今まで川上未映子の小説は読んだことはなかったので、他のものも読んでみたくなった。
どういうきっかけでこの本を読み始めたのか忘れてしまったが、なかなか辛い話で一気に読み進めることができず、読了するのに時間がかかってしまった。
時間がかかったのは、社会の下層に蠢く人たちがどうやって日々を生きているのか、普段の私が考えたこともない社会が描かれているため、よくこんな風に生きていられるなと高飛車なことを思ったり、今までこういう感じの人たちに接することなく生きてこられたのはよかったと思ったり、やっぱりこんな生き方は辛いよなとページを繰る気が萎えたりしたからだ。
ブレーキングダウンを見ていると、なんだか異世界をのぞいたような気がするものだが、それに近いものをこの小説を読みながら感じた。もちろん、20歳前後の女の子・花の回想として話が進んでいくのだから、暴力的な場面はないのだが、登場人物が皆世の中のいわゆる「ふつー」からは外れた人ばかりなので、アウトローの世界に近い感じがしたのかもしれない。
とは言え、やはり少女と呼ぶべき年頃の主人公が世の流れに押しつぶされそうになりながらも何とか踏ん張っていく姿には、「何て健気な子んだろう」という言葉しか浮かんでこない。確かに一人で頑張り過ぎてうざったい気もするが、自分が共に暮らすようになった人たちの生活を一身に引き受けて、その重圧に必死で耐えながら何とか這いつくばって生きていく花は健気だ。そんなに肩肘張らなくても、と思わないでもなかったが、次第しだいに追い詰められていくその姿は、作者・川上未映子の筆致の精緻さによるものだろうが、読んでいてハラハラせずにはいられなかった。「もう頑張らなくていいよ」と声をかけたくなるような主人公の小説は久しぶりに読んだ気がする。(そんな眼差しを注ぐことのできるようになった私自身にも驚いたが・・)
600ページに及ぶ長編小説だが、冗長さは全くなく、なかなかの傑作だと思った。今まで川上未映子の小説は読んだことはなかったので、他のものも読んでみたくなった。
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