goo

「成瀬は信じた道をいく」

 結局、「成瀬は天下を取りにいく」の続編、「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。
 前作を読んだ後、なんだか竜頭蛇尾に終わった気がして成瀬あかりという強烈なキャラを生かしきれていないんじゃないかとモヤモヤが残ったのだが、今作を読んでそれが霧散した。面白かった!!
 読み終わった直後に感じたのは、私はもっと成瀬が知りたかったんだろうな、ということ。前作では途中から成瀬の姿が朧げになってしまっていたのが不満の要因だったと分かった。今作は全編、成瀬で溢れていて、成瀬の何たるかがかなり分かって嬉しかった。
 膳所高校から京大に余裕で合格し、大津観光大使となり、スーパーのレジ係のバイトを始め、時間がある時には腕章を付けて地域のパトロールをする、などなどなかなか大変な毎日を過ごしているにも関わらず、何の無理もせずにごく自然にこなしていく成瀬、本人は全く意識していなくとも、「信じた道をいく」という力強さで周りにいる人々を惹きつけていく成瀬、いつも誰に対してもタメ口で緊張したことがないという成瀬には爽快感さえ覚える。実にカッコいい!(表紙のイラストがなかなかチャーミングでこれが成瀬?と思わせるのもいい)



 前作ではイマイチ成瀬を表現できなかった感のあった作者が全力で成瀬をプロデュースしている今作は作者の成長を見るようで興味深かった。いつまでこのシリーズが続くのか分からないけれど、次作を楽しみに待とうと思う。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする