読書の習慣は、子どもの頃に身に付くものらしい。
と言っても、私は読書好きではなかった。
過去形で言うべきでもない。読書は苦手だ。
私はこどもの頃、いつも決まった本を引っ張り出しては、そればかり見ていた。
それは、「役に立つ動物」という図鑑だった。
中には、クジラの絵が大きく描いてあって、各部位が、どのように使われているか説明がついていた。
捨てるところはないのだという。(長じて、生物農芸専攻の学科に入学し、卒論は生化学の実験だった)
児童文学の全集など、親が買ってくれていたが、大して読みもしなかった。
興味ないのだ。
昔話の絵本は見ていた。
こういう習慣は、遺伝らしく、母は読書好きで、姉がそれを継いでいて、父は本を読んでいるような姿は見たことがなく、私が本を読まない。
というわけで、今も、興味を持った本を入手しても、開いてみて、関心がなかったら、読まずに古書買い取りに出してしまう。
新聞も隅から隅までは読まないので、未亡人になったら、夕刊はとらないだろう。