暮らしの差し色

慢性腎臓病の夫と二人、静かな生活です

入寮しますか?

2020-12-10 20:45:08 | 日記

高校3年のとき、受験する大学に国立大学も視野に入れて、国、数、英、社、理と選択科目を国立受験に合わせて取った。

文科系のコースに2年、3年と在籍していたので、生物系に進学したいと思ったとき、理科系のクラスに行かないと当時の数Ⅲという科目は受講できなかった。

難しい数学は2年から理科系を受講してこなければできないので、受験できる大学には制約があった。

浪人することは考えていなかった。どうしても、現役で大学進学したかった。

国立は1期校は中国地方の農学部に、2期校は北関東の大学の農学部に願書を出した。

私立大は、N女子大の理科と、J女子大の英文に願書を提出した。

私の住んでいた家は神奈川県横浜市にあった。

2月の16日に、都内のN女子大、18日に都内のJ女子大の入試があり、20日だったと思う、同じ日に合格発表があった。

私立大の入試が終わると、私は高熱を出し、合格発表に行けなかった。

母が仕事を休んで、私の代わりに、2か所発表を見に行ってくれた。

まだかまだかと家で待っているのに、母は、1番目にN女子大の発表を見たのに、電話をくれず、2か所目を見てから、電話を掛けてくれた。

結果は、どちらも合格だった。

合格したら、緊張の糸が切れた。

これから、国立大学の入試のために、まだ受験勉強を続けるテンションを保てなくなった。

N女子大で合格した学科は、実学の農学ではなく、理学系の生物、生化学を学べるところだった。

受験科目と合格可能性から、国立大は理学部は受験できないので、農学部を志願した。

受験勉強をしていた間は、地方の国立大学に行って、寮生活をして、親元を離れる生活に夢を持って、入試に邁進していたのだった。

緊張が緩んだとき、自宅から大学に通うほうがいいような気がしてきた。

地方に行くことに、心細さを抱くようになった。

甘ちゃんだからだ。

遠方の大学に行ったら、度々実家に帰るために、交通費も高額になり、生活費も仕送りしてもらわなければならない。

自宅から通える私立大学と私のために使う金額は変わらなくなってしまうのではないかとそんなことも思った。

私立大学を決めるとき、学費の少ないところを条件に捜した。

滑り止めにするとしても、行くことになるかもしれない私立大学であるから、それを重視した。


受験勉強の時、国立大学の合格だけを目指して頑張ってきた。

心細さもなく、願書を書くのも、受験の旅館を予約するのも自分でやり、入学した場合の学生寮の入寮の申し込みもした。


結局、N女子大に行きたいと両親に話した。

許してくれた。

4月、都内のN女子大に入学した。

 


数日後、中国地方の国立大学の学生寮から、自宅に電話がかかってきた。



寮「大学入学はしましたか?」

私「はい」

寮「入寮しますか?」

私「? 東京の大学に入学したのですが」

寮「そうでしたか」

私は、その大学に入学しなければ、同時に入寮もないことになるのかと思っていた。

受験の旅館は連絡してキャンセルしたが、学生寮も直接キャンセルしなければいけなかったらしい。

謝って、キャンセルして頂いた。

もう一つの北関東の大学の学生寮にも連絡を入れた。

N女子大に進学したことが、良かったのか、親元離れて、遠くの大学に行ったほうが、良かったのか、今もわからないが、それが18歳の選択だった。


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