1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 天から貰った、最高のプレゼントは、我が女房殿にて。ご主人達は恥ずかしくて、口には出さないが、間違いなくその気持ちにて。

2022-11-29 14:34:54 | 法話
知人女性が95歳で他界と、子供さんから連絡が。思えば、この女性のご主人は今年、25回忌だったかと。この女性は老衰だったそうだが、ご主人はお酒の飲み過ぎが原因で肝硬変から肝癌に。今でも鮮明に思い出す。ご主人の母親、姉、弟から、酷い仕打ちを受けたこの女性を、死後に包み込んだご主人の粋な計らいを。

【追伸】
小学校の先生をしていたご主人の母親は、息子の嫁さんが家政科卒業という事が気に入らず、散々長年に渡り嫌味を。が、ご主人は一切仲立ちをせず、毎日、深酒、午前0時を回ってからの帰宅。それが原因で肝臓癌を患い、70歳で他界を。葬式の時、ご主人の母親と義理の姉、弟から「あんたは本来、他人。土地家屋の権利証と預金を全部持ってこい」と。が、いつ名義を切り換えたのか、土地家屋、預金通帳の名義が全て、奥さんの名前に変更。更にご主人は、司法書士を通して、公正証書を作成し、全財産を奥さんに。それ以後、ご主人の家族とは全くの疎遠に。この奥さんが「住職さん。夫は1度も、夫の家族との間に立ってはくれませんでしたが、立ったら余計に私が虐められると、そう思っていたのかもしれません。また、恐らく主人は自分の死後、自分の家族から私が、財産全てを奪われるを予想して、前もって対処してくれてたんだと。今思えば、結婚前にはそんなに飲んでいなかったお酒を、結婚後は浴びる様に。1番辛かったは、夫だったのかもしれませんね」と。

ご主人の葬式の数年後、ご主人の母親が『子供達から捨てられて老人ホームに』というが風の便りで、この奥さんの耳に。可哀想に思った奥さんは、毎日老人ホームへ。が、通っていた数年間というは、この義母からずっと罵声を。それでも通って来るこの奥さんに、老人ホームの理事長さんが「こんなに毎日来られるのなら、ここで働いたらどうですか」と。義母が他界した後、この奥さんが拙僧に「義母は、私に優しい言葉を一言もくれませんでしたが、この老人ホームの仕事を与えてくれました。義母の死後も数年、そのホームで仕事が出来た事に、義母には感謝を」と。『あの女性が、亡くなられたのか』と拙僧、感慨深い思いに。