【この法話は、昨年の12月に投稿したものです。再投稿の希望が多い法話を、定期的に再度投稿を。臨時法話 】
外国在住の読者女性から「今年の法話で最もスッキリしたは、人気食堂店の老大将が常連客から『せめて定休日を決めてくれよ。先日来たら、開いてないんだもん』と。それに対し『開いとる時に来いや。なんでわしが、お前ら客に合わせにゃならんのや』と老大将が一蹴したと。この言葉には、しびれました。思わず『ごもっとも』と、読みながら声が出ました」と。
この女性が「夫の最初の赴任先が英国で、ロンドンの人達は電車が遅れるは日常の事。のんびり待たれている横で、遅れているを騒いで文句言ってるは、日本人観光客が多いですかね。日本は時間通りに電車が来て当たり前。宅急便が時間通りに来て当たり前。宅急便に関しては、日本の私の友人が『留守にしてても、また届けに来るよ』と言って、出掛けようとした時には、さすがに『自分が時間を指定したんでしょ。届けに来られるまで待ちなさい』と注意をしました。この友人ではないですが、宅急便の配達が遅れたと、土下座をさせて謝らせたという話も聞いています。してもらって当たり前が『当たり前』になったら、感謝の心はなくなり、不平不満しか出てきません。与えて貰い過ぎですよね、日本は。主人の仕事で外国を転々と回ってると、日本がどれだけ恵まれているかが、よくわかります。こんな話ばかりしてると、日本の悪口ばかり言ってる様に聞こえるでしょうね。この国の将来が心配になるんです」と。
この外国在住読者女性が「住職ね、テロ問題が頻繁に起こってた頃だけど、日本の友人から『外国は、危険でしょ』と心配して連絡が。対し『音楽会場の後方から突然、マシンガンがぶっ放される。街中で無差別の爆弾テロが起こる。ところが、私の知人達(その国の人)に限っては、それを気にしてないのよね。気にしてたら、生活が出来ないから。皆、その場に居合わせた事を不運に思うしかない、という感じかな。だけど、日本でも他国で類のない、サリン、が使われたじゃないの。テロは他人事じゃないわよ』と日本の友人達に」と。対し、拙僧「貴女のその見解は、英国男性に嫁ぎ、20年以上、ロンドンで生活をしている拙僧妻の妹も、常に同じ事を言ってますよね。日本は常日頃が平和だから、サリンの様な事が起こっても、時間が経てば、すっかり忘れてしまうんでしょうね。あのサリン事件を、色あせずに覚えておられるは、今でも後遺症で苦しんでおられる人達と、そのご家族、ご親族だけじゃないのかな」と。
【余談】
人は切羽詰まった時には『苦しい時の神頼み』で、かなりの遠方であろうと、有名な神社仏閣に赴き、ご祈願を。が、叶った途端に『あそこは、遠いから』とお礼参りに行こうともしない。神にでも、人にでも、願ったら、頼んだら、その願いが叶おうと、叶うまいと、お礼を言うは、当たり前の事にて。苦しい時には、苦言にも素直に耳を傾けるが、乗り越えた途端、苦言が鬱陶しいものに変わる。こんな人は、同じ過ちを何度も繰り返す。結構おりますばい、拙僧周囲にもこんな人達が、ばさらに。失敗を、苦しみを、辛さを、覚えているうちは、同じ過ちを繰り返さないが、忘れた途端にまた、同じ過ちを。人間は忘れる生き物だが、それを忘れない為の工夫を施しておく事が大事かな。
拙僧の妻と長男(息子)は、出産の時、両者共に命の危険が。その時、命を落としていたら、その日が2人の命日に。その先の長女(娘)、次男(息子)にも、当然の事ながら、会えてはいない。拙僧も当時、26歳。恐らく再婚して、全く別の家族に。言うなれば、その日が拙僧家族の起源にて。その2月22日には、33年経った今でも毎年、神仏、先祖には、御礼報謝のお経を。拙僧の書斎には『2月22』と記した紙を壁に。忘れない為に。
【次の話は昨今の話】
読者20代女性が「住職、私の 婆ちゃんが危うく、電話できた『オレオレ詐欺』に騙されるところだった。他人事だと思ってたが、とうとう身近に。側に私がいたから、難を逃れる事が出来たが、お年寄りは引っ掛かるよね、巧みだもん。何か引っ掛からない方法がないかな、住職」と。「昨今、A I の問題が、既に起こってるってね。人間を観察して学習し、その人になりきり、犯罪を犯してると。特に、有名人が出汁に使われて。人間観察で唯一、A I が真似を出来ないのは、お笑い、だってね。あの『間の取り方』は、無理なんだって。拙僧の法話読者から『住職は、お笑いが好きなんだってな。あんな低俗なもの見てるのか』と偶に言われる事があるが、低俗って、そりゃないよね。様々法話の参考になるんだよね。人を笑わせるって、技術がいるんだよ。人を怒らせるは、簡単だけど」と。
続けて拙僧「話を戻しますが、オレオレ詐欺を回避出来る方法ですが、家族を装っての詐欺なら、古に習って『山、川』とか『月、波』とか。それじゃ、簡単過ぎると思うなら、例えば、拙僧の父の命日が、平成15年7月8日である事より『1、5』その後に『7、8』と掛け合いを。つまり、家族で合言葉を決めておけば、いいのかな」「その手、頂きます」とこの女性が。
次の法話は、7月20日に投稿させて頂きます。
