2009年5月10日(日)
5月8日にカナダから帰国した大阪の高校生と教員が感染していたことが解った「新型インフルエンザ」の問題で、新たに同じ高校の生徒一人も感染していたことが解ったという。
この生徒周辺の乗客にも感染した可能性があるが、既に日本各地に分散してしまっている。
当該のNW25便に搭乗していた乗客は北海道から沖縄まで全国におよんでいる。
NW25便(5/8到着便)に搭乗した乗客の分布;既に全国に展開か?

(asahi.com 5月10日付け より)
昨日の記事にも書いたが、航空機内という閉鎖された空間に感染者が複数存在していた訳であるから、感染者の周囲に居た十数人のみを隔離対象とすることには(現実には難しい問題はたくさんあるのも確かだが)問題がある。
映画「感染列島」でも、そのあたりの難しい問題を捉えながら、ある意味では冷酷な対応が必要であることを示していた。
(この映画はフィクションであるにしても、疫学的対応の描写においてはノン・フィクションと言える)
航空機内では、感染者自身もトイレに行くことも当然あるので、機内を移動するし、客室乗務員(CA)は飲食物サービスなどを通じて感染者と至近距離で接し、そのまま他の乗客にも接する訳であるから、全ての乗客に感染が拡大している可能性があり、全乗客の感染状況を確認する必要がある。
『機内で感染者が出た場合、3席以内に座っている乗客が停留措置の対象者となる。』
という現在の基準では、感染拡大を阻止できないのではないか?
特に今回のような学校のグループの場合は、座席を移動することは良くあるこてでもあり、今回も座席移動していた周辺の人々は隔離対象から漏れたと言う。
そういう点においては、今回の水際作戦は、成功したとは言えない。
ある意味では「アウトブレイク」に陥ってしまった可能性がある。
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4人目の感染確認=男子高生、
新型インフル-厚労省 時事通信 2009年5月10日(日)07:30
国内初の感染者が確認された新型インフルエンザについて、厚生労働省は10日、感染者3人と同じ米国発の航空機で帰国した男子高校生1人の感染を確認したと発表した。国内での感染者は計4人となった。
厚労省によると、この生徒はカナダでの交流事業を終え、米国デトロイトから8日夕、成田空港に到着。同じグループの男子生徒2人=いずれも(16)=と男性教師(46)の感染が確認され、体調不良が認められた他の生徒7人について、千葉県衛生研究所などが遺伝子検査をしたところ、1人が陽性となり、国立感染症研究所が確定検査をしていた。
新たに感染が判明したのは3人と同じ大阪府立高校の生徒という。
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NW便同乗者163人
26都道府県に 調査急ぐ自治体 朝日新聞 2009年5月9日23時44分
カナダからノースウエスト航空25便で成田空港に帰国した大阪府内の高校教員と生徒の3人が、新型の豚インフルエンザに感染していたことを受け、同行の生徒7人について詳細検査をした結果、1人が新型に陽性反応を示したと厚生労働省が10日未明、発表した。国立感染症研究所でさらに詳しく調べて確かめる。厚労省は同じ便で入国した163人らの健康確認を急いでいる。
厚労省と府教委によると、新型に陽性反応を示したのは、3人と同じ大阪府寝屋川市の府立高校に通う2年生。9日に感染が確認された3人と一緒にカナダに語学研修に出かけ、同じ便で教員や生徒ら計36人で帰国。濃厚に接触しているとして、検疫法にもとづき10日間の足止めに入っていたが、うち7人の生徒が同日午後、体調不良を訴えて千葉県内の3病院に搬送された。いずれも簡易検査ではインフルエンザA型に陰性だったが、千葉県衛生研究所で遺伝子検査をしたところ、1人の生徒で、Aソ連型とともに新型インフルエンザウイルスへの陽性反応が出た。同日午後3時現在で、38度の発熱とせきの症状を訴えていた。ほかの6人は感染可能性が否定された。
厚労省によると、感染者と同じ便に乗っていた乗客・乗員409人のうち、入国した163人の自宅、滞在先は26都道府県に広がっている。管轄する保健所に都道府県を通じて健康状態質問票が送られ、担当者が電話で健康状態の確認を急いでいる。今後も10日間は保健所が健康観察を続ける。
また、機外に出た後で診察を受け感染が確認された生徒1人が、機内で座席を移動していたことがわかり、同省が生徒の近くの席にいて二次感染が懸念される接触者を調べたところ、入国したのは12人とわかった。9日中に全員と連絡が取れ、健康に問題がなかったという。
感染が判明した3人と同行していた教員や生徒らと、機内で近くに座っていた乗客・乗員のうち、感染の可能性が否定できない49人は10日間、空港近くのホテルにとどまってもらう。個室に入り、自由に室外に出られず、家族とも面会できない。時間をもてあました生徒からは不満の声もあがり始めている。
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