城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

マスクをつけることがニューノーマルに 21.9.6

2021-09-06 19:24:38 | 面白い本はないか
 いきなりの質問です。貴方は初めての人と対面した時、相手のどこを見ますか?あまり意識したことがないかもしれませんので、答えにくいかもしれません。おじさんは、まず顔を見て、その次に体を見て、最後に足下を見ていると思う。おじさんには顔もですが、足下の靴が大変気にかかる。今や仕事関連で誰かと会うことはありませんが、山を登っているときに色々な人と出会う。そうするとどんな靴を履いているかは、その人がどんな山の経歴を持っているかに幾分関係している。昔の革製の年代物の靴を履いていれば、間違いなくベテランでしょうし、ぴかぴかの靴であれば登山を始めたばかりの初心者ということになる。昔の話だが靴ということで言えば、あるファッション誌でセンスがいいかどうかはどんな靴を履いているかにかかると書いてあったことを記憶している。そうであれば年齢に関係なく、良い靴を履きたいものである。

 お地蔵さんと城台山

 コロナの蔓延により、初対面の相手から受ける印象は様変わりしてしまった。おじさんなんかにはマスクをしている多くの女性は以前より魅力的に見えてしまう(女性から男を見た場合の印象はもちろんわからない)。顔の上半分しか見えないので、髪の毛、眉毛、目の印象が一段と強くなる。この先マスクが常態化すれば、どのようなことが起こる可能性があるのだろうか。このことについて書いた本が、正高信男著「マスクをするサル」(新潮新書)で、とても面白い。著者は、京都大学霊長類研究所教授を退官したばかりこのいわゆるサル学が専門で、かなり前に「ケータイを持ったサル」という本を書いている(確か本棚にあったはずだが、見つからない。もちろん内容はすっかり忘れた。)。以下は同書を紹介しながら、おじさんの妄想を膨らましてみる。

 右端 城ヶ峰

◯フェイスツーフェイスのコミュニケーション
 このコミュニケーション方法は、実は人類に特化した相互作用の形式だそうで、チンパンジー、サルなどは面と向き合うことは決してない(日本人は相手の目を見て話すことは苦手である)。彼らにとって視線を交わすことは、喧嘩を売ることになる。彼らは、時折相手を斜めからチラ見し、視線の先にあるのは圧倒的に口とその周辺部、すなわち口唇部である。その口唇部の形が相手の感情を読む際の情報となる。怒りのときは口唇部はすぼまれて、前方に突出する。恐怖であれば口唇部は水平方向に後方へ収縮し、前歯が露出する。親和的であれば、口唇部は閉ざされたままで、周囲の筋肉が弛緩し、唇が微妙に動く。
 このコミュニケーション方法は人類においても継承されているが、人類だけが泣いたり、笑ったりする。このように口唇部は相手に重要な情報(特に言葉を使うことができないと考えると良い)を伝える役割を果たしているのだが、マスクをつけるとこうした情報は伝わらない。ただし、社会不安障害をかかえている人は、こうしたデメリットを逆に有難いと思う。

◯人類が最初に身につけるようになったのは?
 それは陰部を覆う布。しかし、その布は恥ずかしいから着けるようになったのではない。あくまでも実用的なもので、女性の場合生理を隠蔽する目的であった。日常生活の不都合をなくすために考案されたもので、恥ずかしいから隠そうなどという感情は毛ほどもなかった。それがいつのまにか隠すことが当たり前となり、男性にはその隠されたところを見たいという欲望が出てくるのである。
 これを敷衍すると、マスクを着けることが不自然と感じなくなった時、下半身の下着と同じものになるかもしれない。マスクなしに人目にさらされることに、今度は恥じらいを感じ始めるのではないか?

◯昔の日本は裸文化
 日本は、西洋に比べて伝統的に男女とも裸、あるいは裸の一部をさらすことへの抵抗感が希薄な文化的背景を有する。男女混浴、男女とも立ち小便(著者自身1961年に大阪で目撃したと書いている。おじさんも昔見たことがあるような気がする。これとは違うが、山では女性は「お花摘み」と称してオープンエアー。男は「雉うち」と称するが誰もそんなことは言わない。)をしていた。日本の腰巻きに対し西洋式の下着は布で陰部を隠す。隠されると見たくなる、見たいと思われていると考えると恥ずかしくなる。
 日本の女性はかつて裸をさらすことに抵抗を示さない一方で、口元の表情をあらわにすることを周囲、とりわけ異性に対して躊躇する傾向が高い。かつてよく見られた、女性が笑う際に口元を手で覆う仕草をするとか、古くは昔の時代劇でよく見かけたお歯黒の習俗は、歯を美しく見せる一方で、歯を見えにくくする、顔面部下半分の表情をあいまいにする=怒りや恐怖の感情を隠蔽する役割があった。

◯性の抑圧がないことの不幸
 狩猟採集時代には人類は食物の獲得等のため移動する生活で一夫一婦制ではなく、乱婚(本ではイヌイットの例が出てくる)であった。その後定住し、共同体を作るようになると一夫一婦制が主流となり、性が抑圧(乱婚の禁止)されるようになった。その抑圧された性が、現代になって性の解放という時代となって、いわば性の動物化が進んだ(性の解放が進んで子どもがたくさん生まれるようになったかといえば逆である)。
 著者に言わせると、今の少子化対策はどぶに金を棄てるようなものだと言う。性解放のトレンドを反転させるすなわち「性の抑圧」について考えないといけないと主張する。

 最後のところは、つっこみどころ満載という感じである。思い当たるのは、イスラム国の女性の服装規律である。要は家族、親戚以外に女性は身体をさらしてはいけないというものである。性の抑圧というより女性の権利の抑圧という面が強い。日本ではそもそも結婚する人が減っているし、同棲という形も一般的でない。妄想でしかないが、少しイスラム風になれば著者が言うように子どもの数が増えるのだろうか。

 今日の城ヶ峰 城台山の下りで月一のI夫妻、K女史に会った

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秋のバラ剪定 21.9.4

2021-09-04 19:16:50 | バラ、クレマチス等
 バラを育てている皆さん、今バラは花が咲いていますか。あるいは、葉はいっぱいついていますか?バラにとって少し厳しい夏(今年の夏は雨が多く、黒点病の影響が出ています)が終わり、環境が良くなってきました。おじさんの所のバラは、何本かのバラの花が咲いていますし、つぼみを持っている株もたくさんあります。しかし、夏のバラは花も小さく、日持ちもしません。


 セシルローズ 実際はとても小さな花です

 イングリッシュローズ セプタードアイル

 フレンチローズ クロード・モネ このバラは夏にも強いですね

 イングリッシュローズ ジーンレックス

 ハイブリッド・ティー ソニア

 しかし、今が秋にバラを楽しむための剪定の時期です。剪定は通常8月下旬から始まるのですが、温暖化の影響で少し遅めに剪定した方が良いと思っています。もちろん剪定しなくても、花は咲きます。げんにブッシュ系のイングリッシュローズなんかは剪定しないと本には書いてあります。今つぼみが着いていると9月中には咲きますが、次に咲くのは11月以降と遅くなってしまいます(寒くなるにつれて成長が遅くなります。最近11月でも気温が高いので、咲く時期はその分早くなります。)。そこで、現在のバラの丈の上部1/3から1/4を切ります。ただし、黒点病などによって葉が上の方しか残っていないことも多く、この場合葉を少し残して切るか、関係なく切るかいつも迷います。切り方が少ないと早く咲きます。そして、この剪定後に必ず追肥(バラ肥料鉢10号60g、地植え150g)します。できれば薬剤散布もした方が良いです。

 フレンチローズ鉢植え 剪定前

 同          剪定後


 地植えのバラ 剪定前 向かって右側のバラは葉が上の方だけしか残っていません、左側のバラは比較的葉が残っています

 地植えのバラ 剪定後 葉が付いていないのもおよそ上部1/4以上は切っています

 秋の花は春の花と比べると小さく、花の数も多くありません。しかし、香りは良く、花持ちも良いのが特徴です。
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秋風吹く冠山 21.9.1

2021-09-01 17:20:48 | 山登り
 毎日登る城台山でも秋の訪れを城跡で吹いている心地よい風で感じ始めた。1000mを超えるような山ではさらに秋を感じるような風と景色に出会うことができるであろうと参加したのが岐阜と福井県境にそびえる冠山(1256.6m)。当初は金草岳を計画したのだが、午後の天気があまり良くない予報だったので、冠山が選ばれた。2016年の秋に2週(そのうち一回は高校の同級生たちと、このグループは「あかねハイキンググループ」と自称し、年2回程度低山を登っていた。やめて久しいが懐かしい思い出となっている)続けて登って以来だから、5年振りとなる。

 昔から、私たち岐阜県民は岐阜の「マッターホルン」と呼んでいた。県境にあるのだからこの僭称は福井側から文句が出るかもしれないが、福井側からの姿を見たことがないので許していただきたい(半ば冗談でもある)。冠山峠の手前の道路から見るのが一番良いので、運転のEさんに停めていただいて写真をぱちり。路側のススキの先にやや暗い雲もたちこめていたが、冠山はやはり端正な姿をしていた。

 岐阜のマッターホルン 岐阜県側は岩壁となっている

 冠山峠には先行者はいなかった。

 峠 8:25
ゆっくりと歩き出す。ときどき冠山の頭の部分が顔を出す。

 8:32
そして登山道脇に見つけたのはツルリンドウ。いたるところで咲いている。

 8:43
冠平が見えてきた。

 8:47
9時35分冠平に着いた。

 どなたかが置いていったカッパ君? 今はやりだそうだ

 冠平から山頂を望む

 休憩後、山頂に向けて出発。ガレ場付近で夏秋の花を見つける。イワショウブ、カライトソウ、リンドウ、アキノキリンソウなど。

 イワショウブ

 カライトソウ

 リンドウ1

 リンドウ2

 山頂に到着 10:03
山頂からの展望はあるものの、ぼんやりしていてなかなか同定は難しい。奥揖斐の山々は標高がほとんど1000mから1300mくらいなので特徴のある蕎麦粒山などを除くと意外と難しい。

 若丸、能郷白山方面

 早いお昼は冠平で食べることにした。凍らせたブドウの差し入れごちそうさまでした。

 帰りの登山道 紅葉時だときっと素敵だろうな

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