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2023年7月25日(火)
鳥海山外輪山から
チョウカイフスマと奥に鳥海湖
前日は良いお天気の中、花、景色、動物を楽しむことができ、山頂に登ることもできた。 山小屋でゆっくりする時間も取れ、満足な気持ちだった。 が、山小屋で眠るのはやはりちょっと不得意だ。 特に今回は初めての寝袋とマット。 まぁ、インナーシーツに入って眠るのも少し窮屈な感じがあり、それとほぼ同じなので、慣れかなぁ、とも思うのだが。。。
夜が更けてくると外の風の音がどんどん大きくなっていった。 もしやこれは大変な天気になっているのかも? 夜中に一度トイレに行った。 トイレは宿泊とは別棟なので外に出なくてはならない。 戸を開けるとひどい風。 だが空は澄み渡りあふれんばかりの星、星、星。 写真を撮りたい気持ちになったが、眠れていないし、風も強く寒いので眺めるだけにしておいた。 せっかくの山小屋泊なのにもったいなかったなぁ。。。けど、ご来光は期待できるかも。
その後少しは眠れたようで3時半ごろ起きた。 ご来光を拝むには外輪山、七高山に登ると眺めが良いと言われたのでそうしようと思っていた。 が、起きて外を見るとまだ暴風とひどいガス。 外輪山に登るトレイルは昨日見たところ険しそう。 初めて登るには危険な状況だと判断し、ご来光は辞めておいた。 登ってもおそらく満足には見えなかっただろう。
少し具合が悪かったりもしたのでもう一度寝袋に入り、5時ごろまでゴロゴロしていた。 私はご来光を外輪山で見て、山の上で朝食を食べ下山するつもりでいたので朝食は頼まなかった。 他の皆さんが朝食に行っている間にパンなどを食べ、出発の準備を整え、ガスと風の様子を伺っていた。
あまりに風とガスがひどければ外輪山を歩くのは危険かも。 前日の千蛇谷の中を歩いたほうが道もわかっているし、安全だろう。 どうしようか。。。 6:30頃まで様子を見ていると風もガスも少し弱まってきて、同じく状況待ちをしていたグループがひとつ、ふたつ、と出発して行ったので、私は外輪山に向かうことにした。
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この位なら行けるだろう。
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外輪山へは左の方、茶色に草がない場所を登ってゆく。
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岩だらけの中、残雪の脇を通り、また岩の道を登ってゆく。
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上の方はこんな感じ。
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外輪山の稜線に出るとやはり風は強かったが、七高山到着。
景色も見えないのですぐに先へ進む。
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景色は拝めないが、足元の花は充分に見られる。
山頂付近から外輪山はイワギキョウが沢山見られる。
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イワブクロとイワベンケイ
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ウサギギク
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ヨツバシオガマ
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コバイケイソウ。 背後の黄色はウマノアシガタ?
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ヨツバシオガマ ハクサンボウフウ?
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イワギキョウ
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花を見ながら歩いていたら行者岳は見落としてしまったようで、
ここは伏拝岳。 この手前岩の上に石仏が鎮座していた。
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コバイケイソウなど
相変わらず風も強く、ガスも晴れない。
風は時折突風になることも。 半面トレイルの場所によってはほぼ無風のところもありホッとする。
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ミヤマダイモンジソウ
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文殊岳
外輪山でとうとう最後のピークに来てしまった。
本当なら稜線から昨日歩いた千蛇谷を見下ろすことができたはずだが、
まぁ、仕方がない。 歩けているだけでも幸運だ。
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しかも、ここに来るまでに白いイワブクロも見ることができ、驚いた。
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さぁ、後は七五三掛に下ってゆくが、急な斜面のようだったので気をつけて。
と、思っているとガスが薄くなり谷の残雪が見えてきた。
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「おぉ~! 晴れて来る!?」と思っている間に周囲の展望が開けてきた。
こちらは鳥海湖方面。
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下ってゆく斜面は岩の段差が大きなところもあり注意が必要。
奥には右に稲倉岳、そしてまっすぐ御浜小屋に向かうトレイルと左に曲がって鳥海湖に向かうトレイルが見える。
天気が良くなれば鳥海湖へ向かうトレイルを行ってみたい!
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ガスはその後すっかり晴れた! 麓の日本海も良く見える!
これまで寒さと濡れ防止にレインウェアを着ていたが、ようやくこの辺で脱いだ。
下から上がってきた人に「山頂は雨だったのですか?」と聞かれたが、
麓は早朝から天気が良かったようだ。
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これなら鳥海湖の方に行ってみよう!
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トレイルを左に曲がり鳥海湖の方へ。
振り返って歩いてきたトレイルと外輪山。
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このトレイルにもハクサンイチゲが咲いていた。
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先ほどまでとは打って変わって青空!
斜面には小さなお花が沢山咲いている。
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進んでゆく先、中央一番奥のピークが笙ヶ岳(しょうがだけ)かな?
手前の岩っぽいのが鍋森?
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鳥海湖を間近に望むトレイルに出た!
右のピークが扇子森?
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正面奥の稜線に御浜小屋が見える。(小さな白い点)
湖畔を歩いていると残雪から流れる水?がザーザーと音を立てて聞こえる。
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振り返るとこんな感じ。
左奥が鳥海山山頂。 雲が取れたりかかったり。
山頂直下から右のピークが連なる外輪山を歩いてここまで下ってきた。
鳥海湖の水は浅瀬では底が見えるほど澄んでいた。
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鳥海湖畔からは長坂道への分岐まで登る。
これがちょっと大変。 すっかり暑くなり汗をかいた。
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長坂道に出れば御浜小屋へ。
御浜小屋で冷たい飲み物を購入し、鳥海湖側に座って飲もうかと思ったが、
売店側の日影がとても涼しく心地よかったので、そちらで休憩した。
朝の寒さは既に想像できないほど暑くなっていた。
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御浜小屋からはどんどん下山。
賽の河原から振り返る。
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進む方向には日本海。
日影が無いのが辛い程暑い!
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秋田・山形県境がここにあった!
鉾立まであと1km!
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展望台近くから山頂を振り返る。
登って行った人たちはガスの中でガッカリしていたが、
今頃「登って良かった!」と思っているだろう。
私も大変楽しい2日間だった。
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帰りに「鳥海山大物忌神社 吹浦口ノ宮」に参拝した。
無事下山の報告と、お山で楽しく過ごさせていただいたお礼を告げて、
今回の鳥海山山行は終了。
さっさと計画すればもっと早く行けたはず。 今回「どうしても今年中に!」という気持ちでようやく鳥海山に登ることができた。 「どうしても!」という意欲は大事だと思うし、「行けるときにチャンスを逃さず」という事も大切。 鳥海山もスッキリ晴れる日が少ないと聞いているので、今回こちらに訪ねても登れるかどうかは運次第ということもあった。(それはどこもそうだが) が、来てみないことには成し遂げられないことも確か。 そんなことが良く分かった山行でもあった。
今回も充分に楽しく充実した山行だったが、またいずれ訪れたい気持ちでいっぱいだ。 山麓の観光なども含め、まだまだ興味は尽きない。