宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「安倍首相の言葉 内田樹さんが読み解く」「神奈川新聞」18日(上)、19日(下)を掲載を読む

2015年05月20日 | 戦争法案

 「神奈川新聞」18日(上)、19日(下)付は、内田 樹神戸女学院大名誉教授の安倍首相の「安全保障法制関連法案」の記者会見についての「安倍首相の言葉 内田樹さんが読み解く」を連載しました。

 内田氏は、18日付の「連載」(上)では、「安倍首相の声明は、聞く人、読む人を欺くための作文です。これほど不誠実な政治的文書が公的なものとして通用するということは、それ自体が日本国民と日本の政治文化にとって屈辱的なことだと思います」

 「安倍首相の言葉は詭弁の典型です。キーワードのすべてが聞き手の誤読を当てにして選択されている」と指摘しています。

 その例として、19日付では、「数値用いた詐術」です。

 「日本が武力を行使するのは日本国民を守るため、これは日本と米国の共通認識です。もし、日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能する。そのことを世界に発信することによって、抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考える」(「安倍首相」)

 この首相発言について、内田氏は、「戦後70年の間、外国の軍隊の侵略によって国土の侵犯や国民の殺傷といった事態は起きていません。 では、抑止力はさらに高まると言うときの『さらに』とは何を基準にしているのでしょうか。 『さらに』というには比較の対象がなければ意味をなさない語です。 では、安保法制制定以前のどのとうな数値、どのような指標を基準にして首相は『高い低い』を判断しているのか。 それはまったく明らかにされていません」

 「唯一、『国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、スクランブルの回数は10年前と比べて7倍に増えている』と述べているだけですが、これもデータの恣意的使用という他ない。 確かに2004年の年間141回に比べて14年は約7倍に増えていますが、1980年代は900回を超えた年は3回、800回以上の年は5回ありました。 一体、いつの時期のどの数値と比べての増減であるかを明らかにしないで、あたかも前代未聞の危険が切迫しているかのように印象づけようとするのは『修辞』というよりすでに『詐術』に近い」

 「抑止力が『さらに高まる』のはいつの時代のどの数値と比較してのことなのか。 首相が抑止力の増減について示した指標数値はスクランブル発進数です。 だとすれば、84年の944回から2004年の141回に至る劇的な発進数の減少も、『抑止力がさらに高まった』ことの効果として解釈しなければなりません。 安保法制以外の理由でも抑止力が高まったのなら、その理由を究明するのは国防上の重要な課題でしょう」

 「けれども、首相はそれに何の関心も示さない。 抑止力を高めるには安保法制しかないと信じ切っている。 仮に今後安保法制整備後もスクランブル発進数が減少しなかった場合、首相はどうつじつまを合わせる気でしょう。 首相が自ら抑止力の唯一の数値的指標として選んだ数値に反映されなければ、安保法制は安全保障上無意味だったということになる。 その事実を受け入れる覚悟はあるのでしょうか」

 安倍内閣の暴走政治は、憲法を、第9条を根底から破壊する「戦争法案」国会提出、強行採決を企てるところまで進んでいます。

 内田樹氏は、「ここまで知的に不誠実な政治家が国を支配していることに恐怖を感じない国民の鈍感さに、私は恐怖を感じます」と結んでいます。

 私も「恐怖を感じない鈍感な国民の一人」にならないように、全力で努力を尽くしたいと思います。