私の高校は女子校で
3年間 同じクラスで 担任も同じだった
3年間 私は1組だった
担任は(大嫌いな化学)の教師で、年寄りで小心だった
3組の担任は 熱血国語教師で クラスをまとめ
不登校の1人を 毎朝 家迄迎えに行った
その頃 私は
書かれた小説を古い順から読んでいて
田山花袋「蒲団」徳田秋声「黴」二葉亭四迷「浮雲」
⇑ 面白くないと思っていたら、
A.A.ミルン作/石井桃子訳
「クマのプーさん」と「プー横町にたった家」
を手に入れ
感動した
感動した私は その2冊を抱え
職員室へ行き、その3組の国語教師に
「これを 読んでください」と渡した
その本を返す時、彼は言った
「面白かった でも、なぜ俺に読ませたかったの」
なぜ? と絶句した
読んでほしい動機など なかった
彼にとっては(なぜ俺に読ませたかったの)が妥当だが
渡した理由は
今でも 分からない
彼なら 面白がるだろう
彼なら 分かるだろう
彼なら 喜ぶだろう
ただそう思って 職員室に乱入したのだと思う
が、高校生の私は
うつむくばかりだった
読んでほしいという気持ちは
どこから 沸き上がるのだろうか
読んで 伝わってほしいと
なぜ 願うのだろう
読んでほしい あなたがいることは、
最高に、ハッピーだ)
R3.5.20