「半落ち」で物議をかもした、横山秀夫氏著の警察小説です。
表題を含む六作の連作。実にハードボイルドです。
警察を扱っているのですが、何故かピカレスクロマンの匂いを感じました。
F県警刑事課強行犯係は三班から成る。
極めて検挙率が高く「常勝軍団」と呼ばれている。
一斑の班長朽木は剃刀のように切れ、絶対に笑わない男。
二班の班長楠見は公安上がりの冷酷非情な謀略家。
三班の班長村瀬は天才的な捜査カンの持ち主。
互いに反目こそすれ、協力しあうことはない。足の引っ張り合いは常のこと。
彼らにとって正義とは、誰よりも早く犯人(ほんぼし)を挙げるという、戦いに勝ち抜くこと。
「まる害(被害者)は理不尽に人生を断ち切られた」
「今この瞬間ものうのうと過ごしている犯人(ほし)を挙げるのに、手段を選んではいられない」
激突する男達の意地と矜り、息詰まる攻防。
隙弱みを見せれば蹴落とされる、人間臭さなぞ無用の長物、敗者は消え去るのみ。
いったい追い詰められているのは犯人なのか、それとも刑事なのか?
私は読んでいて口の中が乾くし、腋の下に妙な汗をかいていました。
目が充血しているのは、あながち秋の花粉のせいだけではないかも・・・
ほんますごいストーリーやったです!
最新の画像[もっと見る]
-
赤川次郎著【鼠、十手(じって)を預かる】 2年前
-
浅田次郎著【兵諫(ビンジェン)】 3年前
-
西澤保彦著【探偵が腕貫を外すとき(腕貫探偵巡回中)】 4年前
-
太田忠司著【虹とノストラダムス】 4年前
-
西澤保彦著【夢は枯れ野をかけめぐる】 4年前
-
宮部みゆき著【昨日がなければ明日もない】 4年前
-
近藤史恵著【夜の向こうの蛹(さなぎ)たち】 4年前
-
東野圭吾著【魔力の胎動・Laplace' muvement】 4年前
-
西澤保彦著【仔羊たちの聖夜(イヴ)】 4年前
-
山本一力著【芝浜】 4年前