長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

【第三の時効】を読みました

2010-10-11 14:30:55 | 本と雑誌

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「半落ち」で物議をかもした、横山秀夫氏著の警察小説です。
表題を含む六作の連作。実にハードボイルドです。
警察を扱っているのですが、何故かピカレスクロマンの匂いを感じました。
F県警刑事課強行犯係は三班から成る。
極めて検挙率が高く「常勝軍団」と呼ばれている。
一斑の班長朽木は剃刀のように切れ、絶対に笑わない男。
二班の班長楠見は公安上がりの冷酷非情な謀略家。
三班の班長村瀬は天才的な捜査カンの持ち主。
互いに反目こそすれ、協力しあうことはない。足の引っ張り合いは常のこと。
彼らにとって正義とは、誰よりも早く犯人(ほんぼし)を挙げるという、戦いに勝ち抜くこと。
「まる害(被害者)は理不尽に人生を断ち切られた」
「今この瞬間ものうのうと過ごしている犯人(ほし)を挙げるのに、手段を選んではいられない」
激突する男達の意地と矜り、息詰まる攻防。
隙弱みを見せれば蹴落とされる、人間臭さなぞ無用の長物、敗者は消え去るのみ。
いったい追い詰められているのは犯人なのか、それとも刑事なのか?
私は読んでいて口の中が乾くし、腋の下に妙な汗をかいていました。
目が充血しているのは、あながち秋の花粉のせいだけではないかも・・・
ほんますごいストーリーやったです!


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