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◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

6月14日(金)

2013-06-14 07:57:36 | Weblog
●小口泰與
郭公や畔の十字のすっきりと★★★★
田を区切る畔が「十字」となっていることに目をつけたのがよい。きちんと区切られた田が郭公の鳴き声とともに涼しそうだ。(高橋正子)

洋弓の坊主頭の日焼けかな★★★
渓流の瀞に耀う杜鵑花★★★

●下地鉄
サーファーの卯波に握る拳かな★★★★
大きくうねる卯波にサーファーが力を込める握りこぶし。サーファーが力強く、輝くときである。(高橋正子)
青芝に微笑む人の病衣かな★★★
合わす手に香りも白き百合の花★★★

●桑本栄太郎
虹色のつぶや雨問う額の花★★★
あおられし枝の躍るや夏台風★★★
雲の峰とは言えずとも青空に★★★

●小川和子
毬に雨滴り止まず濃紫陽花★★★
ルピナスの多彩に咲きて夏来る★★★
広々と夏蝶寄せるルピナスよ★★★

●小西 宏
紫陽花に細やかな雨降りしきる★★★
長雨に植田水面の静やかに★★★
雨止んで紫陽花ならぶ明るい道★★★

●藤田洋子
青柿の小粒つぶらに空広し★★★★
緑の葉に、まだ紛れるような小さな青柿。その背景に、空はすずやかに広がっている。「青柿」に「空広し」を配したのがよい。(高橋正子)

青柿の一つ二つと見え始む★★★
紫陽花を切る音軽く朝の晴★★★
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6月13日(木)

2013-06-13 07:55:57 | Weblog
●小口泰與
蜘蛛の囲や縁台将棋歩でつまり★★★
黄ばらの中にも紅を含みけり★★★
満々と田水満たせし通し鴨★★★

●下地鉄
父の日の待ちかねし孫の帰省かな★★★
渡りきて若き夫婦の簾店★★★
薫風やテイッシュの穂の揺れ止まず★★★

●河野啓一
空梅雨に雨待ち望む森の木々★★★
剪られても日々咲き続け忘れ草★★★
夏蝶のひらひら垣根を行き来する★★★

●小西 宏
野に李(すもも)拾い両手に香り立つ★★★★
落ちたばかりの野の李。両手に拾うと李のよい香りがする。ふと出会った野の恵み。(高橋正子)

緑葉を撫で流れゆく皐月雨★★★
差し出せば蛍に灯る掌(たなごころ)★★★

●桑本栄太郎
<朝の祇園界隈>
空梅雨の花見小路やカメラの列★★★
雲水の祇園小路や梅雨の朝★★★
空梅雨や一力茶屋の赤き塀★★★

●高橋秀之
植田風駅の列車に吹き込める★★★★
植田の中の駅に列車が停車しドアが開くと、植田から涼しい緑の風が吹き入る。植田の風を肌を吹き降り立ったような気分。(高橋正子)

山間の植田に光中仙道★★★

中央線車窓に流れる夏の川★★★
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6月12日(水)

2013-06-12 07:14:21 | Weblog
●小口泰與
柿の花湖に沈みしかな★★★★
湖を作るために沈んだがある。そこには、人々の生活があった。柿の花も咲いていただろう。今、柿の花を見て、沈んだの人たちの生活を思う。(高橋正子)

ビー玉の弾き合う音新樹光★★★
むらさきの花を着飾る若葉山★★★

●桑本栄太郎
雨待てる虹色つぶや額の花★★★
走りゆく車内は青葉の闇となる★★★
天と地の詰まる生駒の青嶺かな★★★

●藤田洋子
梅雨晴れの影を広げて丘の木々★★★★
梅雨が晴れて、うれしいのは人々だけだはない。丘の木々もその影を自由に広げて、梅雨晴れの太陽を浴びている。快く、のびのびする風景だ。(高橋正子)

山風に楠のふくらむ梅雨晴間★★★
梅雨晴れの胸を満たしし空の色★★★

●多田有花
梅雨台風逸れ真っ青な空残る★★★★
台風3号が早も接近するかと思ったが、逸れて無事を得た。残されたのは真っ青な梅雨晴れの空。(高橋正子)

笹百合を愛でつつ登る頂へ★★★
岩尾根に立ち見晴るかす植田かな★★★

●高橋秀之
馬籠宿石碑に夏の日が当たる★★★
万緑に包まれ恵那山くっきりと★★★
葛切りを土産に三箱友と旅★★★

●河野啓一
紫陽花のリトマス試験紙丘の道★★★
七変化咲かんとしてや雨を待つ★★★
とりどりの色並べたる紫陽花花壇★★★
コメント (3)
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6月11日(火)

2013-06-11 07:13:24 | Weblog
●川名ますみ
新じゃがのビシソワーズのお陽様色★★★
新じゃがとバターの匂いビシソワーズ★★★
額の花国道沿いに揺れ続く★★★

●小口泰與
あじさいや川のほとりの露天風呂★★★
どんよりと撓む水面や蓮の花★★★
夏川や山の大気を存分に★★★

●桑本栄太郎
自転車に遮断機下りる青田かな★★★★
青田に臨んで線路が通り、電車が走る。自転車で走ると、遮断機が下りて、しばしは青田を眺め、楽しむことになる。突然道を塞ぐ遮断機だが、それも、また良きかな。(高橋正子)

廃屋の白き更地や枇杷実る★★★
車窓より仰ぐ青嶺や天王山★★★

●河野啓一
胡瓜苗葉も実も花も風に揺れ★★★
台風の逸れて箕面の山澄める★★★
七変化浮かぬ顔して雨を待つ★★★

●高橋秀之
万緑を間近に控え妻籠宿★★★
本陣の隣旅籠に燕の子★★★
夏風を頬に歩みて大妻籠★★★
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6月10日(月)

2013-06-10 07:12:18 | Weblog
●小口泰與
雨を得て和紙のようなり白あやめ★★★
風立つや瀞に渦まくえごの花★★★
そよぎては香り広ごるえごの花★★★

●河野啓一
黒潮の豊かに寄せて青岬★★★★
「黒潮」と「青岬」の取り合わせが絵画的で印象深い。黒潮寄せる、緑滴る岬。涼しさと強さをもった景色だ。(高橋正子)

緑陰に句帳離せぬ車椅子★★★
夏の雲窓開け放したるクールビズ★★★

●古田敬二
ヨシキリを遠くに聞いて鍬を振る★★★★
敬二さんの畑仕事は、周囲を楽しみながらの農作業である。鍬を振れば、ヨシキリが遠くで鳴いてくれる。よき野の友である。(高橋正子)

紫陽花にその色残し陽が沈む★★★
初胡瓜やさしき棘が我を刺す★★★


●桑本栄太郎
万緑を歩み辿れば池のふち★★★
人の世の世事は厭わず枇杷熟るる★★★
来てみればすでに波打つ青田かな★★★

●小西 宏
陽の丘に唐黍の苗縦一列★★★
紫陽花の庭に余りて咲き溢(こぼ)る★★★
ベランダの如露に緑のプチトマト★★★
コメント (2)
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