◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

6月4日(火)

2013-06-04 08:05:18 | Weblog
●小口泰與
【原句】香水の香を残しけり昇降機★★★
【正子添削】香水の香の残りたる昇降機
アカシヤの花や牧場の牛の声★★★
水打ちて飛び石の熱冷ましけり★★★

●佃 康水
青枇杷の産毛山雨を弾きけり★★★★
青枇杷の産毛が弾くのが「山雨」であるのがよい。野性味をおびた青枇杷が生き生きとしている。(高橋正子)

葉裏まで濃き赤紫蘇や雨に伸ぶ★★★ 
植田からちろちろ溢る余り水★★★

●桑本栄太郎
京都へと向かう車窓や青葉山★★★
バス停の待つ間も風に金糸梅★★★
御田植えの赤き裳裾の神事かな★★★

●河野啓一
花の名を問われ見上げし泰山木★★★
ミシシッピー流るや花は泰山木★★★
雲海のかなたに広き奥丹波★★★
コメント (1)
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●一般・新会員①●

2013-06-04 06:46:23 | Weblog
●増田泰造
泰山木の花咲きましたと写真載る★★★★
事実の報告だが、他人の喜びをさらりと共有して句にしたところが良い。(高橋正子)

草笛を夕日に向いて子らは吹く★★★★
「草笛」「夕日」「子ら」といった素材がいい。「夕日に向いて」には、懐かしさがある。(高橋正子)

麦秋の美瑛の丘に夕日落つ★★★
いつしかに児は眠りおり風車★★★
地下を出る人に炎天まとひつく★★★
最上川母も摘みしか紅の花★★★
さくらんぼ山形訛りの電話聞く★★★

●藤井 擴
雷や地震原発長寿命★★★
五月雨や川の始めの丸木橋★★★
マンションの網戸いつも柵の内★★★
これらの3句は、川柳に近い句ですね。俳句では、自然を見る。自然を読む。自然に親しむ。そして、自分の内面に帰る。(高橋信之)

●藤井 擴
道でない渓谷くだれば梅雨に入る★★★
渓谷の道のないところは、青葉が茂り、下草などにも露が置いている。いかにも梅雨に入ったようだ。(高橋正子)

癌検診結果出る日の梅雨寒し★★★
犬だけが元気に鳴きて梅雨に入る★★★

●神山大河
気象士の開花を告げる声清ら★★★★
「声清ら」が、桜の花のイメージをよく伝えている。桜の開花にふさわしい、清らかな声であると感じた感覚がよい。(高橋正子)

[以上90名]どかっと立つや卒業生★★★★
卒業生の名前が一人ずつ呼ばれる。全員で90名。一学級ではなく、一学年であろう。いっせいに90名が起立する「どっか」という重量感。一人一人の重み。その瞬間じんと胸に来るものがある。(高橋正子)

名残り雪沢庵ぴりり沁みるかな★★★
名残り雪のころ、保存食として漬けた沢庵も時期的には終わり。名残雪の寒さも手伝って、辛めの沢庵か、「ぴりり」と沁みるに哀感がある。(高橋正子)

●増田泰造
白妙の雪に晴着や成人式★★★
雪に成人式の晴れやかな晴着が映えて、初々しくとても美しい。(高橋正子)

●大西義久
花弁からこぼれる春や天満宮(原句)
梅の花散ってこぼれし天満宮★★★(正子添削)
天満宮なら花は梅。梅の花弁がこぼれて、今や春。こぼれる梅の花弁に春を感じた。(高橋正子)

山燃ゆる古都の寒明け冬花火(原句)
冬花火山に揚げたり古都寒明け★★★(正子添削)

山茶花の衣めくりし春の風(原句)
山茶花の花びら吹ける春の風★★★(正子添削)
コメント (2)
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6月3日(月)

2013-06-03 06:17:04 | Weblog
●小口泰與
伽羅蕗や子供ら帰省する事稀に★★★★
子供たちもそれぞれ家庭をもって、日常に忙しく、帰省も稀になった。みんなで囲む色どり豊かな食卓から、夫婦二人の食卓に。質素で、味わい深い伽羅蕗がそんなことを思わせる。(高橋正子)

蜜豆や湖畔に集うオープンカー★★★
山道や汗湧き出でて滝の如★★★

●河野啓一
せせらぎを渡り乱舞す蛍の火★★★
六甲の山並み青し梅雨晴れ間★★★
風そよぐ窓辺に置かれアマリリス★★★

●多田有花
紋黄揚羽梅雨の光をまとい飛ぶ★★★
不如帰高らかに鳴き森静か★★★
ビル街に流れる雲や明易し★★★

●桑本栄太郎
曲がり来る影や植田のモノレール★★★★
モノレールが植田の上を走っている。カーブするところは、モノレールの影が映りやすい。颯爽と走るモノレールと、植田とが好対照ながら、まとまった風景となっている。(高橋正子)

梅雨晴れの風に明るき湿りかな★★★
彼の人の逝きて七年枇杷熟るる★★★
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6月2日(日)

2013-06-02 06:16:11 | Weblog
●小口泰與
洗い鯉日は浅間へと急ぎけり★★★
ひやひやの秩父の在の夏氷★★★
賜わりし天然氷滝しぶき★★★

●祝恵子
植田には田水深ぶか満たされて★★★★
「田水深ぶか」がいい。豊かな水が涼しそうであるし、満ちている安心感がある。(高橋正子)

夏野菜支柱に雨滴ずうらりと★★★
金糸梅通れば増える金の花★★★

●桑本栄太郎
水弾き朝の日差しに瓜の苗★★★
片側の車線工事や夏の昼★★★
梅雨晴の雉鳩遠くに聞こえけり★★★

●多田有花
姫女苑抱かれ電車に手を振る子★★★★
姫女苑の優しさと、抱かれた幼い子のやわらかい可愛さが、童画的に詠まれている。(高橋正子)

青羊歯の盛んなるかな谷を埋め★★★
不如帰きのうも今日も曇り空★★★

●佃 康水
グミの実の小枝や棘の鋭かり★★★
明日田植え庭にエンジン試さるる★★★
田植機の上がり手直す老婆かな★★★

●小西 宏
梅雨晴や朝鳥騒ぐ屋根の光★★★
水遣りの路地に紫陽花色広ぐ★★★★
崖下に山紫陽花の青灯る★★★

●河野啓一
星の色灯し蛍の舞う夕べ★★★
梅雨晴れ間鋏ひびかせ植木屋さん★★★★
野萱草咲くや隣家の百合の花★★★
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●投句箱/5月20日~31日●

2013-06-01 20:12:50 | Weblog
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
コメント (136)
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