「私を右翼と呼びたければ呼ぶがいい」と安倍首相が海外で述べたようですが、まさにその開き直りの通り、彼は歴代総理の中でも最も右に位置する一人でしょう。稚拙だった民主党の政権運営への見限りと、長期にわたるデフレ経済からの脱却への期待から安倍政権を選んだ国民は、その代償として致命的なリスクを負ったように思えます。
もしあなたが日本国憲法とそれが保証する基本的人権や心身の自由を重んじ、真の世界平和を希求するのであれば、今ここで声を上げてください。多くの国民の声を結集して安倍政権の政策を変えさせるか、更なる政権交代を目指さなければなりません。
1.「積極的平和主義」の欺瞞
このところ安倍政権は「積極的平和」と称して集団的自衛権を正当化し、自衛隊を「国防軍」にしようとしています。しかし彼らは知ってか知らずか、この言葉を誤用しています。ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングがかつて定義した本来の「積極的平和」とは貧困、差別、抑圧など、あらゆる紛争の種を無くして真の平和を実現することです。安倍政権の目指すような武力を使って抑えつけること(ガルトゥング氏が定義した「消極的平和」)ではありません。むしろ武力の不要な世界を目指すものです。
本来の「積極的平和」を目指すために、日本は一刻も早く国連を改組する原動力になるべきです。常任理事国の拒否権の応酬により、機能不全に陥ることの多い安全保障理事会を民主化し、拒否権を無くさねばなりません。その上で国連軍を創設し、世界人民の名において安保理が軍を動かすべきなのです。現在のように正当性に欠ける米軍を世界の保安官にしておくべきではありません。その国連軍には当然日本人も参加すべきです。ただしあくまで個人としての志願です。そうして国連は世界連邦に一歩近づくのです。
2.特定秘密保護法案の危険性
このほど安倍政権は特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出しました。与野党の政治家、作家、学者、弁護士など各界から反対意見が寄せられている通り、国民にとって極めて危険な法案です。
そもそも主権在民の民主主義国家において、いかなる情報も国民に秘匿されるべきではありません。隠された部分があれば、その部分についての国民の判断が狂うからです。例えば原発政策ですが、国は国策としてこれを推進し、あらゆる反対意見を「原子力ムラ」のカネの力と安全神話とでねじ伏せてきました。ある意味で原発の持つ不都合な真実は「特定秘密」として国民の目から遠ざけられてきたようなものです。そしてその結果はどうだったでしょうか。平時の人為ミスに対しては幾重にも保護機能があったかもしれませんが、巨大地震と巨大津波の前には無力でした。福島第一原発の現状がそれを如実に証明しています。もし、原発使用済燃料処理や対自然災害・テロ脆弱性の問題についてもっと自由に議論がなされていたら、将来世代に対する致命的な負の遺産や発電コストの正確な見極めによって、国民はかなり以前に脱原発に舵を切っていたのではないでしょうか。
我国は平和憲法の精神のもと戦後長きにわたって武力を封印してきました。さまざまな紛争を対話によって解決しようとする数少ない理想の国だったのです。まさに人類はその方向に進まなければなりません。しかるに今回の法案はこれに逆行します。紛争を武力で解決するグループにより深く加わり、秘密情報を共有するために、それを国民の目から遠ざけ、これを暴露しようとする国民に重罰を加えようとしているのです。
進むべき方向が逆でしょう。我国は武力でなく、対話をもって紛争を解決するように世界をリードするべきなのです。国連をそのような組織に変えていくべきなのです。そうすれば国民に隠し事をする必要など無くなるはずです。
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